ウンコとゴキブリとペッパー
公開 2024/09/11 00:00
最終更新
2024/09/14 23:23
小学校の三〜四年生の頃か。
友達のN島Y太くんと下校中、路上に落ちていた犬だか猫だか人だかのウンコに、一匹のゴキブリがくっついていた。
当時はジグモやらハサミムシやらダンゴムシなど、人から嫌われがちなジメジメした虫の類を好んで飼育していたので、とうぜん捕獲。
近くに落ちていたGABANのコショウ(業務用)の大きめの空き缶にウンコの欠片ごと入れて持ち帰った。
家の中に持ち込む事はもちろん、害虫を飼うなどという事はさすがにはばかられたので、家族にも秘密のまま、マンション敷地内の人目に付きづらく雨の当たらない駐輪場の隅に置いた。
家にあった図鑑で調べるとキャベツなんかがエサに良いとの事だったので缶に放り込んでおいた(今考えると、そんなに都合よくちょうどキャベツがあって親にも悟られずちぎってこられたのが不思議だ。ゴミ箱を漁った可能性もあるが記憶の彼方……)。
翌日。
……だったかは覚えていないが、とにかく後日その缶を覗くと、そこには六本の脚を折り畳んでひっくり返っているゴキブリ。
心が少し痛んだ。
自分がここに閉じ込めたがゆえに、このゴキブリは死んだんだ。
エサになればと思って入れたキャベツも、きっとダメになって異臭を放ってはいたはずだが、やはりコショウは香辛料として有能なのだろう。
コショウの豊かで鋭利な残り香だけが、駐輪場の端っこにしゃがんでいる一人の少年の鼻をザラッとかすめた。
それ以来、コショウの香りをかぐたびにあのゴキブリを思い出す。
コショウ=ゴキブリ
塩、醤油、コショウ。
もっとも身近な調味料BEST3にも堂々のランクイン間違いなしのそれは、僕にとってあのゴキブリとセットなのだ。
いや、むしろ「調味料の味」なんて気にした事もなかった子供が、「これがコショウの香り」という事を知ったきっかけがこの時なのかもな。
肉、ラーメン、野菜炒め、ゆで卵……。
どんなに美味しい相乗効果を期待して(結果的に得られて)も、
コショウを振る時には、絶対にあの死んだゴキブリが鼻から入って来て頭の中を駆け巡る。
これは一生とけない呪いなのかもしれない。
友達のN島Y太くんと下校中、路上に落ちていた犬だか猫だか人だかのウンコに、一匹のゴキブリがくっついていた。
当時はジグモやらハサミムシやらダンゴムシなど、人から嫌われがちなジメジメした虫の類を好んで飼育していたので、とうぜん捕獲。
近くに落ちていたGABANのコショウ(業務用)の大きめの空き缶にウンコの欠片ごと入れて持ち帰った。
家の中に持ち込む事はもちろん、害虫を飼うなどという事はさすがにはばかられたので、家族にも秘密のまま、マンション敷地内の人目に付きづらく雨の当たらない駐輪場の隅に置いた。
家にあった図鑑で調べるとキャベツなんかがエサに良いとの事だったので缶に放り込んでおいた(今考えると、そんなに都合よくちょうどキャベツがあって親にも悟られずちぎってこられたのが不思議だ。ゴミ箱を漁った可能性もあるが記憶の彼方……)。
翌日。
……だったかは覚えていないが、とにかく後日その缶を覗くと、そこには六本の脚を折り畳んでひっくり返っているゴキブリ。
心が少し痛んだ。
自分がここに閉じ込めたがゆえに、このゴキブリは死んだんだ。
エサになればと思って入れたキャベツも、きっとダメになって異臭を放ってはいたはずだが、やはりコショウは香辛料として有能なのだろう。
コショウの豊かで鋭利な残り香だけが、駐輪場の端っこにしゃがんでいる一人の少年の鼻をザラッとかすめた。
それ以来、コショウの香りをかぐたびにあのゴキブリを思い出す。
コショウ=ゴキブリ
塩、醤油、コショウ。
もっとも身近な調味料BEST3にも堂々のランクイン間違いなしのそれは、僕にとってあのゴキブリとセットなのだ。
いや、むしろ「調味料の味」なんて気にした事もなかった子供が、「これがコショウの香り」という事を知ったきっかけがこの時なのかもな。
肉、ラーメン、野菜炒め、ゆで卵……。
どんなに美味しい相乗効果を期待して(結果的に得られて)も、
コショウを振る時には、絶対にあの死んだゴキブリが鼻から入って来て頭の中を駆け巡る。
これは一生とけない呪いなのかもしれない。
