20240212読了 夜に星を放つ
公開 2024/02/12 21:42
最終更新
2024/02/12 21:42
ネタバレ含
表題作無し短編集。
・真夜中のアボカド…アボカドがキーの話。双子座の星も出てくる。コロナ禍での人間関係の話。一発目から人の死が絡んでくるので重い。前向きな感じのラストだけど寂しい。マチアプで適当に出会った人で寂しさを紛らわすのは不健康って言いたいのかなと思った。
・銀糸色のアンタレス…16歳の男の子視点。祖母の家に行って海で遊ぶ話。そこで子連れの人妻に一目惚れする。同い年の女の子と幼馴染で、その女の子から告白されるが振る。人妻の女性に告白するが、悲恋に終わる。夕方から夜へ、真夏から残暑へ、と移り変わる様子が男の子の恋の終わりとシンクロしていて美しい表現だと思った。
・真珠星スピカ…学校に通う中学一年生の女の子視点。女の子はいじめられており保健室登校。母親が二か月前に亡くなったばかり。女の子には母親の幽霊の姿が見える、という若干ファンタジーな設定。こっくりさんの「こ、の、こ、を、い、し、め、た、ら、ゆ、る、さ、な、い」にはびっくりした、と同時に感動した。この辺、女の子(主人公)の心理描写が無いのがめちゃくちゃ上手い。読者に想像の余地を持たせてるというか…。すごくよかった。
・湿りの海…離婚したバツイチ男性視点。元妻は娘を連れてアメリカへ。日曜の深夜にだけ、娘とカメラ付きで通話できる(だんだん相手方の都合が悪くなってきたのか、それも叶わなくなる)。自称シングルマザーの女性が隣に引っ越してきて、交流を持ち掛ける。が、最終的にはその女性は元旦那と一緒に暮らすことに。とても救いようのない話。純文学っぽかった。
・星の随に…小学四年生の男の子視点。両親が離婚していて、父と、血のつながらない母、新しく生まれた弟と共に暮らしている。学校帰り、血のつながらない母に家に入れてもらえなくなるという事件が発生するようになる。が、同じマンションに住む老婆に手助けしてもらう。やがて締め出しを食らっていたことが明るみになる。血のつながらない母は改心した…のかな?解決する。もしかしたら離婚した方の母親と将来一緒に暮らせる…かも?何もかも未来はわからないけど希望の持てるラスト。
まとめ
この短編集の中では一番好きな話は『真珠星スピカ』(いじめられている女の子と母の幽霊)。肌に合わないなと感じた話は『湿りの海』(バツイチ男性がシングルマザーと交流を持つ)。『湿りの海』はとても人間らしい心が描かれている作品だと思うので、純文学が好きな人なら合うかも。現代人の感じる寂しさを描いた短編集なのかな。
表題作無し短編集。
・真夜中のアボカド…アボカドがキーの話。双子座の星も出てくる。コロナ禍での人間関係の話。一発目から人の死が絡んでくるので重い。前向きな感じのラストだけど寂しい。マチアプで適当に出会った人で寂しさを紛らわすのは不健康って言いたいのかなと思った。
・銀糸色のアンタレス…16歳の男の子視点。祖母の家に行って海で遊ぶ話。そこで子連れの人妻に一目惚れする。同い年の女の子と幼馴染で、その女の子から告白されるが振る。人妻の女性に告白するが、悲恋に終わる。夕方から夜へ、真夏から残暑へ、と移り変わる様子が男の子の恋の終わりとシンクロしていて美しい表現だと思った。
・真珠星スピカ…学校に通う中学一年生の女の子視点。女の子はいじめられており保健室登校。母親が二か月前に亡くなったばかり。女の子には母親の幽霊の姿が見える、という若干ファンタジーな設定。こっくりさんの「こ、の、こ、を、い、し、め、た、ら、ゆ、る、さ、な、い」にはびっくりした、と同時に感動した。この辺、女の子(主人公)の心理描写が無いのがめちゃくちゃ上手い。読者に想像の余地を持たせてるというか…。すごくよかった。
・湿りの海…離婚したバツイチ男性視点。元妻は娘を連れてアメリカへ。日曜の深夜にだけ、娘とカメラ付きで通話できる(だんだん相手方の都合が悪くなってきたのか、それも叶わなくなる)。自称シングルマザーの女性が隣に引っ越してきて、交流を持ち掛ける。が、最終的にはその女性は元旦那と一緒に暮らすことに。とても救いようのない話。純文学っぽかった。
・星の随に…小学四年生の男の子視点。両親が離婚していて、父と、血のつながらない母、新しく生まれた弟と共に暮らしている。学校帰り、血のつながらない母に家に入れてもらえなくなるという事件が発生するようになる。が、同じマンションに住む老婆に手助けしてもらう。やがて締め出しを食らっていたことが明るみになる。血のつながらない母は改心した…のかな?解決する。もしかしたら離婚した方の母親と将来一緒に暮らせる…かも?何もかも未来はわからないけど希望の持てるラスト。
まとめ
この短編集の中では一番好きな話は『真珠星スピカ』(いじめられている女の子と母の幽霊)。肌に合わないなと感じた話は『湿りの海』(バツイチ男性がシングルマザーと交流を持つ)。『湿りの海』はとても人間らしい心が描かれている作品だと思うので、純文学が好きな人なら合うかも。現代人の感じる寂しさを描いた短編集なのかな。