【旅レポ】筑後吉井の白壁通りと旅する純喫茶うきは
公開 2026/03/01 18:30
最終更新
2026/03/01 18:30
■筑後吉井 #
福岡県うきは市の中心部、筑後吉井はかつて宿場町として栄え、その後も様々な産業で発展した商人の町だった。今も明治以降に建設された漆喰塗の重厚な土蔵造りの家々が残されており、美しい景観を保ち「白壁通り」と呼ばれている。今回、その白壁通りの中に佇む「旅する純喫茶うきは」へ宿泊した。とても有意義な旅行だったため、旅の記録を残したいと思う。
■白壁通り #
冒頭で説明した白壁通りには歴史のある古い商店や商家の屋敷跡の他に、若者が好みそうなカフェやセレクトショップなど新しいお店がいくつも見受けられた。立ち入った場所をすべて紹介したいのは山々だが、冗長になるため特に良かったお店を3店紹介したいと思う。・ひた屋福富
歴史を感じる和菓子屋さんで、後から調べてみると大分にルーツを持つそうである。お菓子がどれも美味しそうで、どれを買うか迷ってしまった。イートインスペースがあり、買ったお菓子をすぐに店内で食べることができる。店内ではカフェオレ大福を頂いたのだが、しっかり珈琲の味がする餡と内側に閉じ込められたクリームとの相性が抜群でとても美味しかった。お土産に購入したうきは饅頭もふわふわの生地にバターが効いていて、中の甘いあんこと合わさり美味しかった。カステラもしっとりふわふわな優しい味わいで、本当に見た目通りどれも美味しく、何を買っても正解なお店だと思う。



・ぱんのもっか
購入後すぐに私の胃袋の中へ消えてしまったので、看板の写真しか残っていなくて申し訳ない。耳納豚を使用したサクサクなカレーパン、ハードパンで作られた食べ応えのあるクロックムッシュ、生地にもチョコが練り込まれ濃厚なチョコクリームがたっぷり詰まったチョココロネ⋯極力地元の食材を使用することにこだわっているそうで、どれもとても美味しかった。こちらもイートインスペースがあり、なんとオーブントースターと電子レンジが完備されている。いつでも温かいパンが食べられるのは嬉しいところ。

・立丁尾花(青花ステンドグラス)
外から見ると店内は薄暗く様子が解らないので入るのに少し勇気が必要だった。しかし、中に入るとそこには柔らかい色味の可愛らしいガラス小物がたくさんあった。品物はどれも手作りの独自技法で作られており、お店の2階に工房があるとのこと。うさぎデザインの小物がたくさんあり、どれも可愛くて迷ったがこちらを購入。


■旅する純喫茶うきは #
旅する喫茶とは「全国を旅しながら各地で地産食材を使用したメニューを提供する出張型喫茶店(旅する喫茶公式Xより)」である。各地でイベントやコラボを開催しており、実店舗東京高円寺と今回訪れた福岡県うきはの2店舗。うきはでは「お客様にも旅を楽しんでもらえたら」というオーナーの思いから宿が併設されている。料金・プラン等は公式サイトを参照頂きたい。さて、本ホテルがどれだけ素晴らしかったかを紹介していきたいと思う。本ホテルの建物は白壁通りにある古民家の1つを改装したものになっている。1階は喫茶店スペース、2階は宿泊スペースになっており、宿泊客は2階全体と浴室エリア(1階、宿泊エリアからのみアクセス可能)を自由に使用できる。なお、1日1グループのみの宿泊なため、他の宿泊客に気兼ねをするということもない。こちらが寝室。


素晴らしいの一言に尽きる。私はレトロな建築が大好きなのだが、特にこの和洋折衷なインテリアが好きだ。建物自体の和の雰囲気を崩さない温かみと重厚感がある絨毯とベッドのチョイス。絨毯、カーテン、ランプシェードの色の統一感。赤色の色味がこの時代の日本建築と相性が良い。あつ森でこういった雰囲気の部屋を何度作ったことだろう。思い描いていた理想のインテリアがそこにあった。
寝室の他、大きな炬燵があったりピアノがあったりロッキングチェアがあったりする。このスペースを全部使用していいなんて、そんな贅沢なことがあっていいんだろうか。



私はレトロな建築が大好きであると同時に、清潔感がないものは大嫌いである。特に水回りが汚いのは許せない。昔ながらの建物だとその辺りにガッカリすることは少なくないのだが、本ホテルは建物全体が綺麗に手入れされているだけでなくそちらも抜かりがない。トイレ、風呂は現代的に改装してあるし、フレグランスのいい香りがするし、驚いたことにプライベートサウナまである。今回は気温が低かったので利用しなかったが、中庭は安らぎスペースとなっている。宿の照明を落とせば、夜空を眺めながら安らげたことだろう。


現在食事付きのプランはないのだが、別途ディナーを注文することができたため頂くことにした。ディナーは喫茶店スペースで頂け、どの席を選んでも良いということだったのですずらんのランプが素敵なこちらの席を選択。この空間も好きしかない。レトロガラスの窓にアンティーク調の家具、薄暗くムーディーな店内。純喫茶好きにはたまらない内装である。


ディナーの内容はクリームシチュー、クリームソーダ、デザートの3点。クリームシチューは野菜の甘味が生かされた優しい口当たり。旅する喫茶の看板メニューの1つであるクリームソーダは、落ち着いた色味の内装の中で一際美しく映え、芸術品の領域である。デザートはイチゴのぜんざいをチョイス。イチゴの甘酸っぱさと豆の優しい甘さ合わさり、どこかひな祭りを思わせるぜんざいだった。



食事付きプランではないが、サービスとして旅する喫茶のレトルトカレーが人数分用意されている。宿泊スペースには簡易キッチンがあり簡単なちょうりであればこちらで可能なので、カレーは朝食として頂いた。カレーも旅する喫茶の看板メニューの1つである。スパイスがしっかり効いた本格的なカレーで、レトルトでありながらチキンがゴロゴロ入っているのが嬉しい。

旅する喫茶ならではなのが、何とクリームソーダを宿泊客自ら作って楽しむことができる。人数分のクリームソーダキットが用意されており、好きな色味の作れるようになっている。


うきは、本当に良かった。今回私は体力が足りず行けなかったが、少し足を伸ばせば温泉もあるし、果樹園で果物狩りを楽しむこともできる。桜の名所も多いため、もう少しすれば見頃を迎えるだろう。日常の喧騒と忙しさを忘れ、上質な空間で静かな時を過ごしたい人には是非訪れてみてほしい。
鬱作品のにおいを嗅ぎつけては現れ、ニコニコ微笑む妖怪。人間に擬態するのに疲れている。
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