初めて見た"お化け"
公開 2025/10/26 07:46
最終更新
2025/10/28 14:03

僕が初めて"お化け"を見たのは
小学校の低学年の時だった。
(小学2年生か3年生の頃だったと思う。)
K君と言う友達がいた。
K君の母親は、ちょっと派手な容姿の人でK君が小さな頃に出て行ってしまったらしい。
なのでK君は父とお姉さんとの3人で暮らしていた。
K君のお姉ちゃんが出かけて居ない日は、
K君家には誰もいないので
よく家で遊んだ記憶がある。
(もちろんお父さんは仕事で家に居ない)
その日もK君家で僕を含めて7人で遊んでいた。
皆でお化けゴッコをした。
ルールは
①お化け役と普通の人間役に振り分ける。
②K君のお姉さんの部屋の雨戸を閉めて暗くする。
③人間役が暗い部屋で待機する。
④誰かが「お化けだー!」と叫ぶ。
⑤暗い部屋から逃げ出す人間役、それをお化け役が阻止する。(部屋の外で扉を押さえてているお化け役も居る。)
⑥全員脱出できたら人間の勝ち。阻止できたらお化けの勝ち。
みたいな感じだった。
オリジナルの遊びだったので都度都度細かいルールが更新されていたと思う。
僕は人間役で暗い部屋で待機していた。
「お化けだぁー!」
「うわぁぁぁー!」
一斉に部屋の外に出ようと人間役の子たちが動きだした。
扉から外に出ようとしても裏から押さえられていて中々開かない。そこにお化け役の子が止めに入る。
ドタバタと攻防を繰り広げでいる最中、
僕は何故か興奮から冷めてスンとしてしまい、背後から来る視線が気になって扉とは逆の後ろの方を振り返ってしまった。
そこには居るはずのない女性が立っていた。
ちょうど貞子の髪をパーマかけてウェーブさせた感じの女性だった。
少し俯いて手はダランと垂らしていた。
「本物のお化けだーーー!」
思わず叫声をあげていた。
今まで感じた事のない寒気が全身に走った。
僕の本当の叫びを聞いた人間役もお化け役も周章し一斉に部屋から抜け出した。
その日から暫くは、『本物のお化け』の話で持ちきりだった。
どうやら実際に見たのは僕だけだった。
皆逃げるのに必死で後ろを振り向かなかったみたいだった。
お化け騒動から数ヶ月が過ぎた頃、
K君の家から出て行っていた母親が戻ってきた。
僕は初めてK君の母親を見る事になった。
外で見た時はサングラスを掛けていて解らなかったが、K君家で見た彼女の顔は『本物のお化け』と同じ顔をしていた。
