虫の知らせ
公開 2025/10/12 10:38
最終更新
2025/10/16 17:00

小学生から中学生までの間
南伊豆の山にお婆ちゃんの別荘があった。
夏休みになると別荘が海の近くなので、
いつも従兄弟家族と一緒に遊びにいっていた。
小学校四年生の夏、朝の5時頃
大広間で皆で寝ていると
別荘の雨戸が何者かに叩かれた。
ガンガンガンガンガン…
木の棒か何かで必要に叩いていた。
ガンガンガンガンガン…
騒音でみんな起きてしまった。
ガンガンガンガンガン…
「うるせェ!○すぞ!」
叔父が怒りながら外に飛び出した。
その途端、騒音がピタッと鳴り止んだ。
誰が何故こんな事をしたのか?
と思っていたら
叔父さんが首を傾げながら帰って来た。
「誰も居なかった…」
山で薄暗いなか山道以外逃げるのは危険だし
(よくマムシとか居る)
雨戸に叩かれた跡も無かった。
人が居た痕跡も無かった。
程なくして早朝なのに電話が鳴った。
お婆ちゃんのお兄さんの訃報の連絡だった。
くも膜下出血で急逝したらしい。
「虫の知らせだったんかな?」
お婆ちゃんが悲しそうに言っていた。
急遽、皆で別荘から帰ってお葬式に向かった。
