はい4
公開 2023/10/10 20:56
最終更新 2023/10/10 21:04
お疲れ様です。

ジョージ・オーウェルの1984年を読みました。
ここ最近、いい調子で積読を消化している気がします。

全体主義国家の恐怖を描くディストピア小説と名高いこちらの作品、「イギリス人が読んだふりをする小説ランキング1位」なのだそうです。
有名すぎるから聞いた話で読んだつもりになっちゃうとか、そういう本ってあるよね。笑顔になっちゃった。

ずっと買ったまま積読になっていた本のうちの一つですが、よし読むぞとなったきっかけは「ビッグブラザーイズウォッチングユー」、この言葉です。
私のハンドルネームが兄貴でありますので、ビッグブラザーイズウォッチングユーと言いたかったのです。ヘッダーにしたりしてみたりなぞ致したかったのです。見てるぞ。
面白い小説を読む事に関してきっかけなど些末。やっぱわかんだね。

あらすじをお話しするのは一旦置いておいて、(ご興味があれば是非ググってみてください)個人の感想を書いていきます。
一番私が熱く感動したのは主人公のウィンストンとヒロインであるジュリアの恋愛模様です。
私は男女の恋愛が苦手であり、男女の愛あるセックスが注意書き無くお出しされると泣いて暴れるという性質がございます。繁殖するな。
二人の愛が私には美しく見えました。

党の謳う純潔と清廉潔白からほど遠く、淫奔で自由な人間であるジュリアは抑圧されたウィンストンにとって「党への反発」そして「自由」の擬人化であるのではと思っています。
ジュリアは即物的な快楽を求めており、未来を考える事を嫌い、次世代以降のいつかに社会が良くなる事などどうでもよく、良くなるとしたら「今の自分の環境」でなければ意味が無いと心から思っています。
定められた善から離れ、ジュリアが醜ければ醜いほどウィンストンの愛は深まるのです。

ジュリアがウィンストンを愛するのもセックスするのも化粧をしたのも、それがジュリアにとっての自由だったからであり、自分でそれを「選択」する事が重要なのです。
あの部屋には自由がありました。
ジュリアがウィンストンを愛していたのは間違いありません、ですがジュリアにとっては相手はウィンストンでなくてもよかったはずです。

ジュリアの若さゆえの強さ、それらによる彼女の魅力がラストでおそらく失われたのであろうということがとても悲しく、物語の主題とは違う部分でやるせなさを感じました。
見た目の美しさだけの話ではありません。
社会に対して自分が無力である事を知り若者の持つ全能感が今消えたという事、強制されたとは言え自身が愛する者を裏切った事による罪悪感からの諦念。
2人の別離はほとんど宿命付けられていたものでしたが、無理矢理引き離されたのであればまだ救いはあったのではないかと思います。
"殉教者"は英雄になりますが、2人にそれはあたわずウィンストンとジュリアはそれぞれの意思で愛を手放しました。

うう。めちゃくちゃ面白かった...

巻末の附録について。読後に調べた際に知ったのですが、「ニュースピークの諸原理」が「過去形」で、かつオールドスピークで(まぁそれはそうならざるを得ませんが...)書いてある事に関して「イングソックが崩壊した後の世にニュースピークについて書かれた文章なのでは?」という希望のある考察を知りました。
望みが全て潰され、そしてこれからも潰されていく事を知らしめられた悲しみに満ちた読後感が少し救われました。
ずっと後の世代で、愛や芸術や自由がそれぞれのものとなっていますように。

うう...めちゃくちゃ面白かった....(何回でも言う。)

次はフォロワーさんにお薦めして頂いた「涼宮ハルヒの憂鬱」を読みます。

それでは、お疲れ様でした。
ミノル兄貴
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