ジャンプ＋の11ページショート読切第2弾は米代恭先生でした。
「推し」がいることで成り立っている同棲男女のすれ違いが11pで濃密に描かれていました。

The 11th hour - 米代恭 | 少年ジャンプ＋
[ https://shonenjumpplus.com/episode/17107094911042828717 ]

はじめに #

米代恭先生の表題作といえば「あげくの果てのカノン」「往生際の意味を知れ！」ですが
あげくの果てのカノン全5巻読了したものの主人公のかのんの盲目的で独りよがりな行動や態度に納得できず、寧ろ嫌悪感を抱きました。
最初こそ、かのんがストーキング行為をする陰キャだとしても「ちょっと危ないけどかわいい」「恋に溺れるのはあるある」と頷いて、主人公補正として微笑ましく見ていたものの、
恋の相手の宗介と不倫に溺れていく様子は、私自身が年齢を重ねて読み返しても、いくらフィクションとしても納得できないものでした。
そのため「往生際～」のほうはドラマ化されていても「また主人公にイライラする系だったら嫌だな…」と手を出せていません。

前置きはさておき… #

今回のショート作品では前述の通り、「推しアイドルがきっかけで出会った男女の、馴れ初め・すれ違い、それから…」がテーマです。

推しアイドルを見つめる情熱は共通していても
同棲して生活を共にすることで価値観の違いが顕著になっていく。
そして生じたすれ違いに耐えられなくなった彼女が、ついに別れを切り出します。


この話への読者コメントで
「この男女は別れたのか・それとも同棲継続(＋プロポーズ)に至ったのか」議論が白熱しています
女性側の「遅いんだよ…」というセリフで物語の幕が降りるのも相俟っているようです。

作者米代恭先生のXで、この漫画のシェアページにツリーで繋げる形でツイートがありました。
https://x.com/cometakuzo/status/1977037825192476765
(↓ツイート埋め込み)

『The 11th hourは「土壇場で」「ギリギリのタイミングで」という意味です』


夜12時がシンデレラが魔法から解ける時間ならば
夜11時は「間に合った」と解釈できるのかな。

女性から別れを切り出された直後から物語が終わるまで、男性の視線が、解散するアイドル(の中でも2人最推しの「成美ちゃん」)よりも女性にずっと向いているのだから、2人の間に愛はある。
「遅いんだよ…」は2年前から「好き」の言葉を待っていたことを指しているのだと思いました。

私はハッピーエンドと取りましたが、バッドエンドと取る人もいて、感想って面白いですね。


私が【理解できなかった】、あげくの果てのカノンも、かのんの愛を「ただひたすら1人を見つめ続けた純愛」と解釈する人もいるかもしれませんね。