一次創作小説 赤き想い
公開 2026/03/16 09:54
最終更新
2026/03/16 14:46
俺はとても運が悪い男だと思っている。
15歳の時に悪魔祓いの仕事で吸血鬼退治に行ったのだが、その吸血鬼に血を吸われてしまった上、俺も吸血鬼にされてしまったのだ。
18歳になった今も、俺はまだ人間には戻れていない。
両親からは「人間に戻るまでは帰って来るな」と言われてしまったので家に帰ることもできず、仕方なくその吸血鬼と一緒に暮らしていた。
その吸血鬼…彼女は俺に「愛してる」だの何だのと言ってくるが、俺はこのままあいつと一緒にいる気は無いし、なんとしても人間に戻る方法を探さないといけない。
吸血鬼になったとはいえ、悪魔祓いをやめたわけではないので、悪魔達の動きにも気をつけていた。
最近は目立った動きは見えないが、情報を集めておいて損は無いだろう。
さて、と。
そろそろ血が欲しくなってきたな…。
俺の様子を見た彼女が言った。
「ねえ、そろそろ欲しいんでしょ?はい、コレ置いとくね」
テーブルにコップが置かれる。
彼女とは一緒に暮らしているので、このくらいはなんとなくわかるのだろう。
俺はコップの中身を飲み干した。
俺がこうして血を飲むのは欲求があるからで、それ以外の理由は無い。
血を欲してしまう自分がどうしても嫌で放置してしまったこともあるのだが、その時はかなり大変だったので、今は欲しくなった時に飲むようにしている。
俺が少し暗い顔をしたので、彼女は心配そうにしていた。
「大丈夫?もう少し欲しい?」
俺は首を横に振った。
「いや…今回はこのくらいで大丈夫だ」
「そう、ならいいけど…」
彼女は少し間を置いて聞いてきた。
「あなたはどうして人間に戻りたいの?このままでもいいじゃない」
「またそれか…。いいか、俺はこんな生活がしたいわけじゃない。早く立派な悪魔祓いにならなきゃいけないんだよ」
「…それは、やっぱり人間としてってこと?」
「当然だろ」
彼女はあまり理解できていないようだった。
俺は浄化のチカラが半端だから、悪魔祓いとしてはまだ一人前とは言えない。
例えチカラが今より強くなったとしても、吸血鬼のままではいろいろとマズいだろう。
「ねえ、あなたの血が欲しくなってきちゃったんだけど…いいかな?」
「俺が嫌だって言っても吸うんだろ?全く…」
俺が吸血鬼化した後も、彼女はたびたび俺の血を欲しがった。
彼女は好きになった相手の血が欲しくなるタイプらしく、「あなたも、私と同じだったらよかったのに」と言われたこともある。
俺はそんなわけ無いだろうと思っていたが、実は一度だけ彼女の血を吸ったことがある。
美味しいとかではなく、彼女の血が「良い」と感じた。
あの時、心の奥では彼女のことを好きだという気持ちがあったと気付いてしまった。
だが、俺はいつか悪魔祓いとして、あんたを退治しないといけない。
ああ、運が悪いな、本当に…。
15歳の時に悪魔祓いの仕事で吸血鬼退治に行ったのだが、その吸血鬼に血を吸われてしまった上、俺も吸血鬼にされてしまったのだ。
18歳になった今も、俺はまだ人間には戻れていない。
両親からは「人間に戻るまでは帰って来るな」と言われてしまったので家に帰ることもできず、仕方なくその吸血鬼と一緒に暮らしていた。
その吸血鬼…彼女は俺に「愛してる」だの何だのと言ってくるが、俺はこのままあいつと一緒にいる気は無いし、なんとしても人間に戻る方法を探さないといけない。
吸血鬼になったとはいえ、悪魔祓いをやめたわけではないので、悪魔達の動きにも気をつけていた。
最近は目立った動きは見えないが、情報を集めておいて損は無いだろう。
さて、と。
そろそろ血が欲しくなってきたな…。
俺の様子を見た彼女が言った。
「ねえ、そろそろ欲しいんでしょ?はい、コレ置いとくね」
テーブルにコップが置かれる。
彼女とは一緒に暮らしているので、このくらいはなんとなくわかるのだろう。
俺はコップの中身を飲み干した。
俺がこうして血を飲むのは欲求があるからで、それ以外の理由は無い。
血を欲してしまう自分がどうしても嫌で放置してしまったこともあるのだが、その時はかなり大変だったので、今は欲しくなった時に飲むようにしている。
俺が少し暗い顔をしたので、彼女は心配そうにしていた。
「大丈夫?もう少し欲しい?」
俺は首を横に振った。
「いや…今回はこのくらいで大丈夫だ」
「そう、ならいいけど…」
彼女は少し間を置いて聞いてきた。
「あなたはどうして人間に戻りたいの?このままでもいいじゃない」
「またそれか…。いいか、俺はこんな生活がしたいわけじゃない。早く立派な悪魔祓いにならなきゃいけないんだよ」
「…それは、やっぱり人間としてってこと?」
「当然だろ」
彼女はあまり理解できていないようだった。
俺は浄化のチカラが半端だから、悪魔祓いとしてはまだ一人前とは言えない。
例えチカラが今より強くなったとしても、吸血鬼のままではいろいろとマズいだろう。
「ねえ、あなたの血が欲しくなってきちゃったんだけど…いいかな?」
「俺が嫌だって言っても吸うんだろ?全く…」
俺が吸血鬼化した後も、彼女はたびたび俺の血を欲しがった。
彼女は好きになった相手の血が欲しくなるタイプらしく、「あなたも、私と同じだったらよかったのに」と言われたこともある。
俺はそんなわけ無いだろうと思っていたが、実は一度だけ彼女の血を吸ったことがある。
美味しいとかではなく、彼女の血が「良い」と感じた。
あの時、心の奥では彼女のことを好きだという気持ちがあったと気付いてしまった。
だが、俺はいつか悪魔祓いとして、あんたを退治しないといけない。
ああ、運が悪いな、本当に…。
創作をしたり、ゲームをしたりしている人です。
他では「アルジー」の名で活動しているところもあります。
他では「アルジー」の名で活動しているところもあります。
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