読了 ただ、それだけでよかったんです 完全版
公開 2024/02/26 15:10
最終更新
2024/02/26 15:10
ネタバレ含
装画は穏やかな感じだけど、内容はそれに反してかなり壮絶。
物語のあらすじとしては「1人の地味な少年が4人の同級生を支配し、いじめ、最終的にはいじめられていた4人のうち1人を自殺にまで追い込んだ。誰にも目撃されず証拠も残っていない。何故か?」といった内容。
いじめにより自殺した中学生の昌也の姉が真相を掴むために行動する章と、いじめ事件の犯人とされる菅原拓の視点の章、交互に話が進む。
この二人の行動により真相が明らかになっていき、最後にはタイトル回収される。
大まかな答えはけっこうシンプルで、
・いじめを行っていたとされる1人の少年(菅原拓)が逆に4人からいじめを受けていた
・4人のいじめを「自分がやった」と逆に菅原拓が表明し、4人を乗っからせた
しかし、菅原拓にとって予想外のことが起きた。
・4人のうちのひとりである昌也のみ学年一の人気者。人気者である一方、多くの生徒から妬み嫉みといった感情を向けられていた
・菅原拓のあずかり知らぬところで昌也がいじめを受け、遺書を残し自殺
・菅原拓としては「いずれは許すつもりだった。みんながいる教室でからかい合って、対等な関係になる予定だった」「きみ(昌也)と語り合いたかった。ただそれだけでよかった」
話の中心となる中学校では「人間力テスト」なるものが存在していて、これが多くの生徒の人生を狂わせている。生徒同士で性格を評価し合うというもの。
「人間は他人の評価無しには生きられない」として導入されたものらしいけど、よりによって多感な中学生の時期に、しかも公立中学でそれ導入する…?最後の方で校長が説教くさいことを言っていた(他人を拒絶しておいて他人からの信頼を得ようとするな、的な)けど、仮にもいじめられていますという告発を一旦保留にしていいわけないだろう、とか、突っ込みたいところは色々あった。校長の主張が作者の主張なのだろうか。わからないけど、この物語にねじ込んで通用するかというとそれは無理がある気がする…。ソーさん(担任の氷納先生)に関しては正体隠して菅原拓と個人的にやりとりしておいて「立派だった」って評価はさすがに無い…。
最後の章では8年後の姿が描かれていて、「まあなんとか生きています」程度には復帰したっぽいけど、これだけでは私の心は救われなかった。世間からの菅原拓の冤罪は結局晴れなかったし、胸糞が悪い気分のまま終わった。
装画は穏やかな感じだけど、内容はそれに反してかなり壮絶。
物語のあらすじとしては「1人の地味な少年が4人の同級生を支配し、いじめ、最終的にはいじめられていた4人のうち1人を自殺にまで追い込んだ。誰にも目撃されず証拠も残っていない。何故か?」といった内容。
いじめにより自殺した中学生の昌也の姉が真相を掴むために行動する章と、いじめ事件の犯人とされる菅原拓の視点の章、交互に話が進む。
この二人の行動により真相が明らかになっていき、最後にはタイトル回収される。
大まかな答えはけっこうシンプルで、
・いじめを行っていたとされる1人の少年(菅原拓)が逆に4人からいじめを受けていた
・4人のいじめを「自分がやった」と逆に菅原拓が表明し、4人を乗っからせた
しかし、菅原拓にとって予想外のことが起きた。
・4人のうちのひとりである昌也のみ学年一の人気者。人気者である一方、多くの生徒から妬み嫉みといった感情を向けられていた
・菅原拓のあずかり知らぬところで昌也がいじめを受け、遺書を残し自殺
・菅原拓としては「いずれは許すつもりだった。みんながいる教室でからかい合って、対等な関係になる予定だった」「きみ(昌也)と語り合いたかった。ただそれだけでよかった」
話の中心となる中学校では「人間力テスト」なるものが存在していて、これが多くの生徒の人生を狂わせている。生徒同士で性格を評価し合うというもの。
「人間は他人の評価無しには生きられない」として導入されたものらしいけど、よりによって多感な中学生の時期に、しかも公立中学でそれ導入する…?最後の方で校長が説教くさいことを言っていた(他人を拒絶しておいて他人からの信頼を得ようとするな、的な)けど、仮にもいじめられていますという告発を一旦保留にしていいわけないだろう、とか、突っ込みたいところは色々あった。校長の主張が作者の主張なのだろうか。わからないけど、この物語にねじ込んで通用するかというとそれは無理がある気がする…。ソーさん(担任の氷納先生)に関しては正体隠して菅原拓と個人的にやりとりしておいて「立派だった」って評価はさすがに無い…。
最後の章では8年後の姿が描かれていて、「まあなんとか生きています」程度には復帰したっぽいけど、これだけでは私の心は救われなかった。世間からの菅原拓の冤罪は結局晴れなかったし、胸糞が悪い気分のまま終わった。