『丸山眞男とマルクスのはざまで』を読む
公開 2025/10/01 00:00
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最近、毎月のかかりつけ医への定期受診だけでなく、医療センター(=旧国立病院〉への通院も多くなりました。病院通いが増えるという事は、待ち時間がやたら長くなるという事で、それは普通は、歓迎されませんよね。
でも小生、待つのはそんなに嫌いじゃないです。だって自宅外で、本を読むまとまった時間が取れるって、貴重ですよね。なので今月は、田口富久治元名古屋大学教授の『丸山眞男とマルクスのはざまで』を、二つの病院待合室で読みました。
某政党が、1994年に、丸山眞男がその38年前に書いた論文「戦争責任論の盲点」を突然激しく非難し、丸山眞男を罵倒する一大キャンペーンを張ったという「事件」がありました(注1)。しかし当時丸山からは、その健康問題もあり、この件では一切口を開くことは有りませんでした。
同じころ、田口富久治は19年務めた名古屋大学を定年退職する際に、若いころからの某政党との “政治的コミットメント” を断つ決断をしたことを、書簡で丸山眞男に報告したとのこと。
丸山からの田口宛の返信には「今の日本の言論状況について私の感想は、むしろ『マルクス主義とコミュニズムの擁護のために』と言う一文を書きたいくらいです」とあったという。
真理にのみ忠実であろうとした、二人の碩学の生き方が示されたエピソードと、感じ入りました。
(注1)この事件当時、小生は岩波書店刊行の「丸山眞男集(全16巻+1巻)」を申し込み、毎月1冊の配本を受けているさなかでした。当時、小生は「丸山眞男を読まずして、丸山を批判するなかれ。そういう行為こそ、丸山が最も唾棄すべきものと批判してるんじゃないのか。自分の頭で考えず、エライ人がこうだと言えば、何十万人もの “仲間” が、一斉にその掛け声通りに動き出すって、ファシズムと何が違うねん」と言いまくってました。聞く耳を持つ人はほとんどいませんでしたが・・・(涙)。
(この記事は、旧gooブログの2023/10/31付記事の再録です)
