深く掘れ そこに泉あり @ 伊波普猶『古琉球』への旅
公開 2025/08/02 00:00
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伊波普猷を代表する言葉に「深く掘れ そこに泉あり」がある。この言葉にひかれた人は数多いと思う。この言葉が、伊波の著書に出てくるのは、その主著『古琉球』の巻頭である。しかし、明治44年発刊の初版本には、この言葉は載っていない。大正5年に第2版が出た時に、第2版のはしがきに、かのニーチェの言葉の引用として
汝の立つところを深く掘れ 其処には泉あり ニーチェ
と初めて記された。
伊波自身が ニーチェの言葉の引用であることを明示して掲載してたんだね。で、初版本にはない言葉だからなのか、現在入手しやすい岩波文庫版では、この言葉は掲載されていない。ところがこの第2版に、伊波自身が、このニーチェの言葉をもとに、伊波が自分の言葉で、ペンで書き加えている
深く掘れ己の胸中の泉 餘所たよて 水や汲まぬごとに
うちなー口で「ふかくふり などうぬんにちうぬ いじゅん ゆす たすてい みじや くまぬ くどうに」。翻訳?すると「自分が思うところを深く汲みつくせ。自分自身の問題をよそに頼って どうして解決できようか」ってとこかな?。
言わんとすることは、ニーチェも伊波も同じだと思うよ。ニーチェは己の立つところを掘れといい、伊波は己の胸中を掘れ、己の頭で考えろ、西洋の哲学者の言葉に頼っていてどうしてそれができようか!といった。いずれも物事の、そして自分自身の本質を深く突き詰めろっていうことなんだね。
なんか、背筋がピンと伸びる言葉だよね。

(この記事は、旧gooブログの2012/4/29付記事の再録です)
