三浦綾子『銃口(下)』を再読する
公開 2025/07/19 00:00
最終更新
2025/07/19 06:26

予定通り、三浦綾子の『銃口(下)』を新幹線の中で読みました。この下巻は、主人公が警察に連行され、拷問を受け、教師を無理やりやめさせられ、召集され中国戦線の最前線に送り込まれ、そこで様々な人に出会い、そして戦争が終わり、故郷に帰ってくるという流れです。
主人公は、別に左翼活動家でもなんでもなく、「天皇の赤子たる子供たちを、立派な臣民に育て上げること」を旨とする、当時としては普通の教師なのですが、そういう人物でも、適当に罪状をでっちあげられ、物が言えない国になだれ込んでゆく、その末がどうなったかは、既に明らかなとおりですよね。
ところで、なぜ『銃口』と言うタイトルなのかですが、だれにも軍国主義の銃口が向けられている、でもだれ心の中にも、それに抗うそれぞれの「銃口」を持っているのだ、と言う様なことなのではないか思った次第です。
あと、主人公が8月15日に敗戦を中国で迎えて、なんと2週間余り後の8月末には北海道・旭川の実家に帰ってきたという最終版のストーリーが、ちょっとリアリティーがないな~思いました。可能性はゼロではないのでしょうが、動画を3倍速で見てるような、かなり急ぎ過ぎた展開でしたね。まあそれで、この作品の価値がいささかも毀損するわけでは、もちろんありませんです。
今度は、三浦綾子の『母』でも読んでみようかな、と言う今の心境です。
(この記事は、旧gooブログの2024/11/28付記事の 再録です)
