孤独者の哲学
公開 2025/12/16 22:00
最終更新
2025/12/16 22:02
🐾
男は特に目的もなく、ふらりとホームセンターに立ち寄った。そこで三千円のダウンパンツを見かけ、「ほう、これは軽くて暖かそうだな」と思った。
続けて彼は、「しかし感性や直感に翻弄されてはいけない。見かけたからといってすぐに購入するのではなく、日をおいてしばし冷静に検討するべきだ」と理性的な判断を下した。
二週間後。
男は再びホームセンターを訪れた。すると例のダウンパンツは二千円に値下げされており、購入するには絶好の機会に思われた。
だが彼は、「千円の値下げか……ふむ。ここで買ってもいいが、この値下げが最終値下げとは限らない。半額になるまで待ってみよう」といった、懐疑論者的な態度で見送った。
はたしてダウンパンツは、最初の値下げが好評だったため、店頭から姿を消した。
男は落胆したが、「消費したのは時間だけで、一円も使わなかったのだから、観念論的には合格だ」といった確証バイアスを用い、それを慰めとした。
特に最初の値下げの時点で、競合する他者を想定していなかったことから、結局のところ男に通底していたのは、独我論であったといえよう。
男は特に目的もなく、ふらりとホームセンターに立ち寄った。そこで三千円のダウンパンツを見かけ、「ほう、これは軽くて暖かそうだな」と思った。
続けて彼は、「しかし感性や直感に翻弄されてはいけない。見かけたからといってすぐに購入するのではなく、日をおいてしばし冷静に検討するべきだ」と理性的な判断を下した。
二週間後。
男は再びホームセンターを訪れた。すると例のダウンパンツは二千円に値下げされており、購入するには絶好の機会に思われた。
だが彼は、「千円の値下げか……ふむ。ここで買ってもいいが、この値下げが最終値下げとは限らない。半額になるまで待ってみよう」といった、懐疑論者的な態度で見送った。
はたしてダウンパンツは、最初の値下げが好評だったため、店頭から姿を消した。
男は落胆したが、「消費したのは時間だけで、一円も使わなかったのだから、観念論的には合格だ」といった確証バイアスを用い、それを慰めとした。
特に最初の値下げの時点で、競合する他者を想定していなかったことから、結局のところ男に通底していたのは、独我論であったといえよう。
