異(常世)界 第22話「常世に想う22世紀」
公開 2025/05/22 00:08
最終更新
2025/05/22 00:08
「ヴァラシイ平原は~♪ 素晴らしいな~♪ ……ん?」
自身に引いた、盛大に。散歩中にイカレた歌を歌うなど、いつぞやの勇者と同じではないか。よし、これを“勇者病”と名付けよう。しかし、いかに落ちぶれようとも、その知性が畜生以下というのはいただけない。
「コール、存立平面」
まったくもって便利な逃走線である。
もしや有効活用から乱用へといたる道なのか……?
心象風景の中たゆたう。
温水プールで背面のまま浮いている状態と同じ。
スズメたちの合唱が聞こえる。
猫がふたつの宝石を輝かせ散歩している姿が見える。
山脈と、そして宇宙までつながっている青空を眺める。
それらはみな、神の創造物――の成功例――に相違ない。
人間というか人類の歴史に関しては、やはり手抜き設定、当初からの舐め腐った甘い見通しが、神にはあったのだと思う。
20世紀あたりで「よいよ、たいぎぃのぅ……」と病み、放り出してしまったのだろうな……。もっとも、神が人間的なものを持ち合わせていたというのは過大評価だが。
人類の創造=自身最大の過失を認めたくないあまり、その人類に苦難を強いているともとれる。
2045年、シンギュラリティが到来すると予測されている。どうせ外れるのだろうよと思う反面、的中したならばなるほど、22世紀到来の妨げ――グレートフィルター――になるかもしれない。
それと同時に、AIは“大文字の他者”にもなりうるという期待がある。はたして人間は、再び言葉を取り戻すことができるかな……?
こうなってくると、「あれ、死者って最強なんじゃねーか……?」と思ってしまう。ええい、生者が陰惨を極めているというのに、その世界からとんずら――逃走スキル特S――しおってからに、許せん! 高みの見物たぁいいご身分ですね?
というか思考放棄したまま存在可能とか、それこそ神の領域だろうよ……。
幸いこの存立平面からは“かくりよ”へ行ける。ボスの言葉が正しければ、だが。単独でカチコミを喰らわせたところで、『死んでから来ておくんなせぇ』と門前払いされるだけだろう。
その場で「なら今、逝ったるわい!」と自爆するのもアリだな……。
死者の国から死者を追い出し、生者の群れで占領するのも面白い。幻の22世紀は、そこで見つかるかもしれない。
あれ? 意外とこれが答えなのかも…………?
――かきつらね、昔のことぞ、思ほゆる、雁はその世の友ならねども――
自身に引いた、盛大に。散歩中にイカレた歌を歌うなど、いつぞやの勇者と同じではないか。よし、これを“勇者病”と名付けよう。しかし、いかに落ちぶれようとも、その知性が畜生以下というのはいただけない。
「コール、存立平面」
まったくもって便利な逃走線である。
もしや有効活用から乱用へといたる道なのか……?
心象風景の中たゆたう。
温水プールで背面のまま浮いている状態と同じ。
スズメたちの合唱が聞こえる。
猫がふたつの宝石を輝かせ散歩している姿が見える。
山脈と、そして宇宙までつながっている青空を眺める。
それらはみな、神の創造物――の成功例――に相違ない。
人間というか人類の歴史に関しては、やはり手抜き設定、当初からの舐め腐った甘い見通しが、神にはあったのだと思う。
20世紀あたりで「よいよ、たいぎぃのぅ……」と病み、放り出してしまったのだろうな……。もっとも、神が人間的なものを持ち合わせていたというのは過大評価だが。
人類の創造=自身最大の過失を認めたくないあまり、その人類に苦難を強いているともとれる。
2045年、シンギュラリティが到来すると予測されている。どうせ外れるのだろうよと思う反面、的中したならばなるほど、22世紀到来の妨げ――グレートフィルター――になるかもしれない。
それと同時に、AIは“大文字の他者”にもなりうるという期待がある。はたして人間は、再び言葉を取り戻すことができるかな……?
こうなってくると、「あれ、死者って最強なんじゃねーか……?」と思ってしまう。ええい、生者が陰惨を極めているというのに、その世界からとんずら――逃走スキル特S――しおってからに、許せん! 高みの見物たぁいいご身分ですね?
というか思考放棄したまま存在可能とか、それこそ神の領域だろうよ……。
幸いこの存立平面からは“かくりよ”へ行ける。ボスの言葉が正しければ、だが。単独でカチコミを喰らわせたところで、『死んでから来ておくんなせぇ』と門前払いされるだけだろう。
その場で「なら今、逝ったるわい!」と自爆するのもアリだな……。
死者の国から死者を追い出し、生者の群れで占領するのも面白い。幻の22世紀は、そこで見つかるかもしれない。
あれ? 意外とこれが答えなのかも…………?
――かきつらね、昔のことぞ、思ほゆる、雁はその世の友ならねども――
