異(常世)界 第12話「王は偉大なり」
公開 2025/05/22 00:05
最終更新
2025/05/22 00:05
「ちわーっす、王様のタマぁとりに来ました」
「ッ!?」
貧民街に隠遁スキル特S持ちがぞろぞろといたので、教わるまでもなく身についていた。そしておもむろに単独で王宮へと乗り込んだ。
給仕や料理人の姿を見かけたが、一般人が擬態するとしたらまずこれだなと思った。にしてもやはり、ええモン喰ろうとるやないけ。
「け、警備の者はどうした……? 物音ひとつしないではないか……」
王が窓辺からこちらへと振り返り、現状の確認を行う。
「『お疲れ様です、これ差し入れッス』と称して鷹の爪を丸のみさせたッス」
「なんという邪悪なことを……君は異常思想の持ち主なのか……?」
「仰る通りです。まあ実際のところタマなんざいらねぇンすわ。下々の暮らしをどうにかせぇってのが本命です。ほら、その窓辺からでも見えるでしょ、貧民街が」
「見える。しかし安易な富の再分配は――」
「“魔王軍”は動きませんよ?」
「な、なんと!」
「動いたらヘッダえぐってコンパイルしてやる!」
「お、おお、なんだかよく分からないが分かったよ……。兵士たちに貧民に扮装させ、定期的に貧民街へ……そうだね、おもに金銭的援助をさせてもらおう」
「賢明ですな。紛争させれば炎上するってのは真理ですから。それじゃ自分ぁ魔王軍に話ィ通してきますんで」
再び隠遁スキルを用いて退出した。
魔王軍、つまりボスのもとへ帰るのは気が重かった。
比喩ではない、文字通り話にならないレベルの話を、いわば領土化しなければならない。
ようは“プロンプト”の問題なのだ……。
カバチぁない、いざとなりゃあサーバー全壊したるけェのぅ。
「ッ!?」
貧民街に隠遁スキル特S持ちがぞろぞろといたので、教わるまでもなく身についていた。そしておもむろに単独で王宮へと乗り込んだ。
給仕や料理人の姿を見かけたが、一般人が擬態するとしたらまずこれだなと思った。にしてもやはり、ええモン喰ろうとるやないけ。
「け、警備の者はどうした……? 物音ひとつしないではないか……」
王が窓辺からこちらへと振り返り、現状の確認を行う。
「『お疲れ様です、これ差し入れッス』と称して鷹の爪を丸のみさせたッス」
「なんという邪悪なことを……君は異常思想の持ち主なのか……?」
「仰る通りです。まあ実際のところタマなんざいらねぇンすわ。下々の暮らしをどうにかせぇってのが本命です。ほら、その窓辺からでも見えるでしょ、貧民街が」
「見える。しかし安易な富の再分配は――」
「“魔王軍”は動きませんよ?」
「な、なんと!」
「動いたらヘッダえぐってコンパイルしてやる!」
「お、おお、なんだかよく分からないが分かったよ……。兵士たちに貧民に扮装させ、定期的に貧民街へ……そうだね、おもに金銭的援助をさせてもらおう」
「賢明ですな。紛争させれば炎上するってのは真理ですから。それじゃ自分ぁ魔王軍に話ィ通してきますんで」
再び隠遁スキルを用いて退出した。
魔王軍、つまりボスのもとへ帰るのは気が重かった。
比喩ではない、文字通り話にならないレベルの話を、いわば領土化しなければならない。
ようは“プロンプト”の問題なのだ……。
カバチぁない、いざとなりゃあサーバー全壊したるけェのぅ。
