自作小説。異世界で始めるゲーマー生活No.16【変態に変態を重ねたくそみそテクニック】
公開 2024/02/01 21:49
最終更新 -
ぶらっくうっどでは基本的に現金を使う。銀行預金こそあるが、以外にも〇〇payなどの電子決済がほとんどない。その理由をアカネはピピ実に聞いてみた。
「人間の欲望に限界はないのさ・・・。」
 休憩室での雑談にポプ子が入ってきた。彼女は缶コーヒーを机に置き、椅子に座ると、片手で缶コーヒーを開けた。
「俺もあっかんpayを使っていたんだが、数年前にサービス終了さ。利用者がかなりへっちまったからなぁ・・・。」
 電子決済は言ってしまえばプログラムの塊。その手の変態が触れば簡単に改ざんできるのだという。ぶらっくうっどにはその変態がたくさんいるのだ。
 そして、人間の欲は底なし。金のためなら命を捨てる生物。たった1円でも金が手に入るなら命を捨てる生物。多くの変態が電子決済で使う口座をクラッキングしていく。改ざんして手に入れたお金は、自身の活動資金にしたり、闇組織、市民団体の活動資金にしていた。
 一番決定的だったのは運営会社内の不正。クラッキングから逃れるためにかなり強固なセキュリティを作った運営会社だったが、内部からの犯行は防げなかった。金のためなら命を捨てる生物、人間。ならば、正式に入社して、周りの信用を得て、内部で情報改ざんするのもわかる。犯罪者は一回の大金のために絶対的な信頼を得てから裏切る。
 その結果、「電子決済は信用できない」という見方が強まった。いつ、口座を乗っ取られるか、口座が凍結するかがわからない。そんな危険なものを持ち歩きたくない。次第に電子決済は使われなくなった。
「チャージできるプリベイトカードは使われている。しかし、電子決済は本当に使われなくなった。だからぶらっくうっどは現金が主流だ。」
「現金って、何かすごい性能があるんですか?魔法を使えば偽造できると思うんですけど。」
「現金についてはピピ美ちゃんが詳しいな。ピピ美ちゃん、バトンタッチ。」
「仰せつかまりました。」
 ピピ美はアカネに説明した。
 曰く、ぶらっくうっどの現金はとんでもない技術が使われたオーバーテクノロジーの塊らしい。「魔法を使えば複製できる?HAHAHA!複製できてから言ってくれよ!」ってくらいのレベルらしい。
 まず、彫金技術が変態。すごいじゃなくて変態。文字の中に文字を刻むのは当たり前で、各所に偽造防止の彫金が施されている。魔法で複製されたものと比較すると、芸が細かすぎるため光り方や色が違って見えるという。偽物は見て分かるくらいには違う。手先が器用で何でも作れるはずのドワーフが「変態じゃぁ・・・変態の所業じゃぁ・・・」と嘆くくらいにはすごい。
 さらに魔法がかけられている。識別番号というものらしいが、数字とかバーコード、QRコードではなく、三次元の模様なのだ。それも直線や曲線の模様ではなく、幾何学模様なんだとか。幾何学模様を作ること自体難しいのに、それを識別番号にしているというからとんでもない。理論上、10無量大数個の識別番号を作れるんだとか。
「変態に変態を重ねたくそみそテクニックなのだ!」
「平成の黒歴史!?って、それくらいすごい技術、どこの誰が持っているんですか?」
「日本人。あいつらは世界の常識を覆した。」
「そ・・・そんなに?」
「そもそも、名前を書けば受かるような大学の生徒でも7つの言語を使いこなせる時点で頭がおかしい。超絶頭の良い人間でも8言語だ。」
 なお、7つの言語とは、ひらがな、カタカナ、漢字、絵文字、顔文字、ローマ字、空気である。空気とは場の空気という意味であり、海外ではもっぱら理解できない言語と言われている。そのうえで英語やフランス語を操れる人がいるからすごい。
「とにかく、この世界で一番安全な通貨が現金なのだ。」
「ちなみに、今まで多くの犯罪者が偽造を試したが、いまだにできたやつはいない。しかも、生産しているところに買収をかけても「じゃぁ、1京くれよ」って言われたらしい。1兆の1000倍だ。」
 異世界とは技術の墓場。異世界転生してきた人たちが自身の技術をフル活用して作られた文明では、元の世界の常識をはるかに超えた技術があふれている。

 なお、一番すごいのはそれを識別できるスーパーの自動釣銭機や自動販売機である。
すべての始まり、正米は3DCGのRPGツクールという20年以上前のゲームから生まれた。突っ込んだ話、現在の中の人。「一生ゲームをするという覚悟」のもと、「ゲームに命をかけている」ゲーマー。「ゲームに殉せず、ゲームとともにある」。

 数多くのキャラクターを生み出している神霊で、このブログはゆのニートカンパ…
最近の記事
自作小説。引き籠り育成計画No.2【まずは自分の特技を探そう】
タイトル変更しました。 「進一、まずは何をすれば良いと思う?」  次の日の放課後。僕、磯部進一は、友人の糸井剛と居残…
2024/05/12 00:52
自作小説。へたくそさんと担当No.15【いつのまにかバレている秘密】
「実は小説家としてデビューしています。」 「実は知っています。」 「え!?」  ゴールデンウィーク後半の連休。僕は瑠奈…
2024/05/11 01:27
自作小説。孤独のオタクは動かないNo.2【みんなラブクラフトを知らない】
小説ってものを読んだことがあるか?文字ばかりの本のことだ。挿絵こそあるが、ほとんどは文字だ。  昔はライトノベルが勢力…
2024/05/08 21:32
自作小説。孤独のオタクは動かないNo.1【パソコンできるやつの戯言】
パソコンができる人、というのはいろんな会社が欲しがる人材だ。オフィスソフトや編集ソフト、各種アプリケーションができるよ…
2024/05/08 21:29
自作小説。引き籠り育成計画No.1【ひきこもりからの脱却】
「進一、俺、漫画書きたい。」 「藪から棒になんだ?」  とある放課後。僕、磯部進一(いそべしんいち)は糸井剛(いといつ…
2024/05/06 18:16
自作小説。へたくそさんと担当No.14【会報は5月】
「玻璃ねー。思考が似ている男の子には積極的なんだよ。」  ゴールデンウィーク最初の連休を終え、所謂平日。早速部活が始ま…
2024/05/06 18:15
自作小説。へたくそさんと担当No.13【新生文芸部、活動開始】
ゴールデンウィーク前。新入生確保のために部活勧誘が行われる。日本では年々、部活をする人が少なくなっているが、来るところ…
2024/05/01 19:04
自作小説。へたくそさんと担当No.12【クラス替えはランダムじゃない】
新年度。落第する人はおらず、みんな学年を一つ上げた。いや、一応、美奈だけは出席日数の関係でまた3年生をすることになった…
2024/04/30 21:42
自作小説。へたくそさんと担当No.11【思い出との別れ】
風はそよ風、日差しは良好。見渡す限り緑の平原。そこに二人の子供がいた。一人は顔もおぼろげな少年。もう一人は髪の短いワン…
2024/03/28 19:24
自作小説。へたくそさんと担当No.10【広瀬 こうの思い出】
会報も発行し終え、卒業式も終わり、4月から全員進級する。それに伴い、新入生への勧誘も考えないといけない。いくら今がよく…
2024/03/28 19:23
自作小説。へたくそさんと担当No.9【双子ちゃんの不思議】
お昼時。お弁当を食べる場所はいつも同じ文芸部の部室。まだ誰も来ていないようで、部室には柊姉妹しかいない。  柊姉妹、柊…
2024/03/15 01:48
自作小説、異世界で始めるゲーマー生活No.18【運動系ゲームで揺れなくても声は出る】
『今回は最新作、フィットボクシングfaetカオスやっていくよー。』 【☆-(ノ´∀`)人(´∀`*)ノイエーイ】  ゲーム系ヴァ神である以上…
2024/03/15 01:46
自作小説。へたくそさんと担当No.8【荒木瑠奈の憂鬱】
「はい、今回の打合せは以上です。」  とある駅前の喫茶店。私、荒木瑠奈は担当と打合せをしている。  というのも、先日、…
2024/02/24 21:15
自作小説。へたくそさんと担当No.7【映画鑑賞会を行う】
最近、文芸部の女子部員からのアタックが多い。平日休み時間には女子部員全員からのお誘い。休みの日には瑠奈編集長からのお誘…
2024/02/24 09:46
自作小説、異世界で始めるゲーマー生活No.17【ヴァ神配信の収益と縁】
アカネはプログラマーの傍らヴァ神配信をしている。  バーチャル配信者、通称ヴァ神。普通の配信者と違ってデジタル画像を使…
2024/02/16 12:23
自作小説。へたくそさんと担当No.6【それはそれとして、担当仕事】
文芸部のメンバーからは朴念仁と言われている僕だが、これでもちゃんと性欲はあるし、この前の瑠奈の写真には興奮した。しかし…
2024/02/14 00:38
自作小説。へたくそさんと担当No.5【アピールしても受け取らない朴念仁】
こうちゃんとのメールもそれなりに続き、それなりに慣れてきたところ。男の子とメールなんて、かつての私には思いもしなかった…
2024/02/06 01:56
自作小説。へたくそさんと担当No.4【情報追いやすく、学成り難し】
遅ればせながら青春が始まったと思う。今まではなぁなぁで女性を交流をしてきたが、うまいこといけば大学生になっても楽しいこ…
2024/02/04 00:55
自作小説。異世界で始めるゲーマー生活No.16【変態に変態を重ねたくそみそテクニック】
ぶらっくうっどでは基本的に現金を使う。銀行預金こそあるが、以外にも〇〇payなどの電子決済がほとんどない。その理由をアカネ…
2024/02/01 21:49
自作小説。へたくそさんと担当No.3【川柳を作ります】
さて、僕の青春が始まりそうな予感はするが、部活動は部活動。次の会報のために全員必死になる。次の会報は4月。それまでに各…
2024/01/31 01:13
もっと見る
タグ
オンラインゲーム(236)
ネトゲ(193)
日記(167)
FF14(126)
ファイナルファンタジー14(126)
masterofepic(118)
マスター・オブ・エピック(118)
節約(56)
家計簿(49)
やりくり(48)
ファイナルファンタジー(42)
同人誌(37)
自作小説(37)
ゲーム(36)
カードゲーム(34)
文芸部(19)
ポケモンカード(10)
ストーカー(8)
ニンテンドースイッチ(8)
ポケモンSV(8)
ソシャゲ(7)
マッチングアプリ(7)
DLC(6)
ポケットモンスター(6)
ポケモン(6)
レスレリアーナのアトリエ(6)
婚活(6)
シャドウバース(5)
マインクラフト(5)
就職活動(5)
もっと見る