一次創作小説 飾りの裏にある心は
公開 2025/12/18 05:40
最終更新
2025/12/22 17:35
始めに。
この小説はツイッターで私の創作キャラを描いてくださった方の絵を元にして書きました。
今回の話は少し暗めかもしれません。
―――
クリスマス。
それは人間界のイベントの1つ。
多くの人がワクワクする日だ。
ここはミェーヴィの店。
ミェーヴィとノイゼルはクリスマスに向けて、店の飾り付けをしていた。
「のう、ノイゼルよ。今年のクリスマスはきょうだい達と過ごすのはどうじゃ?なんなら年末年始まででも構わないぞ」
「何故そんなことを聞く。だいたい、俺は…」
ノイゼルには複雑な事情がある。
それはミェーヴィもわかっていた。
―が。
「ええい!細かいことはいいんじゃ!わしの店はわし1人でもなんとかなるから、まずは会って話をせい!」
ミェーヴィは、ノイゼルを無理やり店から追い出した。
「仕方ないな…」
ノイゼルはきょうだい達に連絡を取ることにした。
―――
ノイゼルとそのきょうだい達―ラル、リューベ、ロッヅィは人間界のラルの家に集まっていた。
ノイゼルはラル達に、ミェーヴィから店を追い出されたことを伝えた。
「―と、いうわけでな」
「ああー…そうだったんだね」
ノイゼルの話を聞いたラルは、少し苦笑いした。
「アイツの言いそうなことねー」
リューベはあまり気にしていなさそうだった。
「我は皆と一緒でも構わぬぞ」
ロッヅィはきょうだいみんなと過ごせるなら、と思っていることを素直に言った。
「…で、ノイ兄はどうしたいの?」
「俺は…正直、どうしたいかわからない」
「はあ〜?わからないのにアタシ達を呼んだわけ?」
「リューベ姉、それは言いすぎではないか?」
「え、ええっと…リューベ、落ち着いて。僕はノイ兄と一緒ならとても嬉しいよ」
「しかし…俺は…」
ノイゼルが今回のことを決められないのはわけがある。
ノイゼルは過去にあった出来事の影響で、家族…特にラルとはしっかり話せずにいた。
ラルは、今のノイゼルがこうなったのは自分のせいだと思い込んでしまっているからだ。
「(ラルは俺と一緒なら嬉しいと言ってくれたが…俺はそうとは思えない)」
「…ん?どうしたの?僕の顔に何か付いてる?」
ラルは一見、何でもない感じではあるが、ノイゼルには無理をしているように見えた。
「やはり、俺はやめておく。俺がいたら、みんな迷惑に…」
「あー!待ちなさい!そうやってまた、アタシ達から逃げるつもりでしょ!」
「別に、逃げてなんか…」
「だったら何でアタシ達を呼んだのよ!やっぱりアタシ達のことなんか、どうでもよかったのね!?」
「違う。お前達のことは大事だ。だから俺はいない方が…」
「ノイゼル兄、リューベ姉、ここであれこれ言ってても始まらないぞ。まずはクリスマスの飾り付けをしようではないか」
ロッヅィは箱を取り出し、そこから飾りを出していった。
「…ふん。いいわ。ノイゼルも、それでいいわよね?」
「そ、そうだな」
ノイゼルのぎこちない返事に、ラルは少し不安そうな表情をした。
「あ、そうだ。僕は1人で大丈夫だから、そこの分の飾りを分けてくれないかな」
「構わぬぞ、ラル兄」
「うん、ありがとね、ロッヅィ」
ラルは飾りを受け取ると、ノイゼルから離れるように準備に取り掛かった。
リューベは、ラルが離れたのを見てからノイゼルに言った。
「あの様子じゃ、まだダメそうねー。ホント、アンタとラルはいつまでこんなことしてるわけ?」
「俺は…」
「別にアンタの意見なんか聞いてないわよ。ほら、さっさと飾り付けしちゃいましょ」
3人は、飾り付けを始めることにした。
―――
ラルは飾り付けをしながら、昔のことを思い出していた。
「あの頃のノイ兄はもっと表情豊かだったのになぁ…」
昔のノイゼルは今よりも感情が表に出る…いや、普通だったというのが正しいか。
「今のノイ兄はなんだか、別人になっちゃったみたいで…それが怖いよ」
あの頃、自分がもっと兄のことをよく見ていれば。
いや、もっと自分が強ければこんなことにはならなかったのでは、と考えずにはいられなかった。
「ノイ兄が元に戻れるかはわからないし、本人も戻りたいと思ってないみたいだし、ホント、今のノイ兄って何を考えてるかわからないよ…」
ラルは1人、涙を堪えながら飾り付けをしていた。
―――
ノイゼル、リューベ、ロッヅィは飾り付けをだいたい終わらせていた。
「ん〜、いい感じになってきたわね〜!」
「ノイゼル兄とリューベ姉のおかげだな」
「あっ、でも何か物足りない感じがするわね…何かしら」
周りを見渡してから、ノイゼルが足りない物に気付いた。
「…クリスマスツリーか?」
「そうか、ツリーか…!すまない、我としたことが…」
ロッヅィはがっくりとしたが、リューベは何かひらめいた様子だった。
「あ!アタシ、いいこと思いついちゃった!ノイゼル、その腕を使うのはどうかしら?」
「ノイゼル兄の腕…?そうか、その手があったか」
ノイゼルは少し考えてから、2人の考えていることに気付いた。
「…おい、それは無いだろ」
「い・い・か・ら!やるの!いい?拒否したら許さないんだから!!」
リューベはこうなったら簡単には止まらない。
ノイゼルは渋々、その手を使うことにした。
「いい?ノイゼル、その左腕をツリーの形にしていくのよ」
ノイゼルは左腕を木のような形に変化させていった。
ノイゼルの左腕は植物化しており、自在に形を変化させることができるのだ。
「…こうか?」
「う〜ん、なーんか形が違う気がするわね」
「仕方ないだろう…普段はそういったものには変えないんだからな」
ノイゼルは普段、武器の形に変化させることが多く、ツリーの形にするのはなかなか難しかった。
「何かこう…もうちょっとワサーってしてる感じにできないわけ?」
「…リューベ、具体的に頼む」
「リューベ姉は、もう少し葉の部分を足したらどうか…と言いたいのではないか?」
「それがなかなか難しくてな…」
「そこを何とかしてほしいのよ!」
「無茶言うなよ…」
リューベはふと、飾りの方へ目をやった。
そして、何か思いついた様子でノイゼルに電飾を渡した。
「うん…?どうした、リューベ。この飾りがどうかしたのか?」
「ツリーと言えば、飾り付けでしょ?だから、アンタの雷のチカラで電飾に明かりを付けるのはどうかと思って」
「…できるかはわからんぞ」
「できるかできないかじゃなくて、やるのよ!」
「…やれやれ、やるしかないか」
「我も応援しているぞ、ノイゼル兄」
―少しして。
「…こんな感じでいいか、リューベ」
「そう!そんな感じよ、ノイゼル!」
ノイゼルの左腕はしっかりとツリーの形になり、飾り付けがされていた。
電飾はノイゼルの雷のチカラで付いている。
「いい感じになったわね〜!」
「素晴らしいぞ、ノイゼル兄!」
そこで、リューベがあることに気付いた。
「…そう言えば、ラルがまだ戻ってきてないわね」
「そうだな、そろそろ終わっててもいい頃だと思うが…」
「じゃあ、アタシが呼んでくるわ。んで、ノイゼルのそのツリーを見て貰うのよ!アイツがどんな顔をするか楽しみだわ!」
そう言ってリューベはさっさと行ってしまった。
「おい、勝手に決めるな!」
ノイゼルの叫びはリューベには届いていなかった。
「今回はすっかりリューベ姉のペースだったな。ところで、ノイゼル兄」
「何だ?」
「年末年始は皆と過ごさぬか?ラル兄がどう思っているかは我にはわからぬが、リューベ姉は喜ぶはずだぞ」
「…悪いが、今の俺にはそんな権利は無い。用が終わったら、すぐにミェーヴィの元へ帰る」
「そうか…すまなかったな」
リューベの声が聞こえてきた。
もうそろそろ2人が来る頃だろう。
ノイゼルは複雑な気持ちを抱えたまま、2人を待っていた。
この小説はツイッターで私の創作キャラを描いてくださった方の絵を元にして書きました。
今回の話は少し暗めかもしれません。
―――
クリスマス。
それは人間界のイベントの1つ。
多くの人がワクワクする日だ。
ここはミェーヴィの店。
ミェーヴィとノイゼルはクリスマスに向けて、店の飾り付けをしていた。
「のう、ノイゼルよ。今年のクリスマスはきょうだい達と過ごすのはどうじゃ?なんなら年末年始まででも構わないぞ」
「何故そんなことを聞く。だいたい、俺は…」
ノイゼルには複雑な事情がある。
それはミェーヴィもわかっていた。
―が。
「ええい!細かいことはいいんじゃ!わしの店はわし1人でもなんとかなるから、まずは会って話をせい!」
ミェーヴィは、ノイゼルを無理やり店から追い出した。
「仕方ないな…」
ノイゼルはきょうだい達に連絡を取ることにした。
―――
ノイゼルとそのきょうだい達―ラル、リューベ、ロッヅィは人間界のラルの家に集まっていた。
ノイゼルはラル達に、ミェーヴィから店を追い出されたことを伝えた。
「―と、いうわけでな」
「ああー…そうだったんだね」
ノイゼルの話を聞いたラルは、少し苦笑いした。
「アイツの言いそうなことねー」
リューベはあまり気にしていなさそうだった。
「我は皆と一緒でも構わぬぞ」
ロッヅィはきょうだいみんなと過ごせるなら、と思っていることを素直に言った。
「…で、ノイ兄はどうしたいの?」
「俺は…正直、どうしたいかわからない」
「はあ〜?わからないのにアタシ達を呼んだわけ?」
「リューベ姉、それは言いすぎではないか?」
「え、ええっと…リューベ、落ち着いて。僕はノイ兄と一緒ならとても嬉しいよ」
「しかし…俺は…」
ノイゼルが今回のことを決められないのはわけがある。
ノイゼルは過去にあった出来事の影響で、家族…特にラルとはしっかり話せずにいた。
ラルは、今のノイゼルがこうなったのは自分のせいだと思い込んでしまっているからだ。
「(ラルは俺と一緒なら嬉しいと言ってくれたが…俺はそうとは思えない)」
「…ん?どうしたの?僕の顔に何か付いてる?」
ラルは一見、何でもない感じではあるが、ノイゼルには無理をしているように見えた。
「やはり、俺はやめておく。俺がいたら、みんな迷惑に…」
「あー!待ちなさい!そうやってまた、アタシ達から逃げるつもりでしょ!」
「別に、逃げてなんか…」
「だったら何でアタシ達を呼んだのよ!やっぱりアタシ達のことなんか、どうでもよかったのね!?」
「違う。お前達のことは大事だ。だから俺はいない方が…」
「ノイゼル兄、リューベ姉、ここであれこれ言ってても始まらないぞ。まずはクリスマスの飾り付けをしようではないか」
ロッヅィは箱を取り出し、そこから飾りを出していった。
「…ふん。いいわ。ノイゼルも、それでいいわよね?」
「そ、そうだな」
ノイゼルのぎこちない返事に、ラルは少し不安そうな表情をした。
「あ、そうだ。僕は1人で大丈夫だから、そこの分の飾りを分けてくれないかな」
「構わぬぞ、ラル兄」
「うん、ありがとね、ロッヅィ」
ラルは飾りを受け取ると、ノイゼルから離れるように準備に取り掛かった。
リューベは、ラルが離れたのを見てからノイゼルに言った。
「あの様子じゃ、まだダメそうねー。ホント、アンタとラルはいつまでこんなことしてるわけ?」
「俺は…」
「別にアンタの意見なんか聞いてないわよ。ほら、さっさと飾り付けしちゃいましょ」
3人は、飾り付けを始めることにした。
―――
ラルは飾り付けをしながら、昔のことを思い出していた。
「あの頃のノイ兄はもっと表情豊かだったのになぁ…」
昔のノイゼルは今よりも感情が表に出る…いや、普通だったというのが正しいか。
「今のノイ兄はなんだか、別人になっちゃったみたいで…それが怖いよ」
あの頃、自分がもっと兄のことをよく見ていれば。
いや、もっと自分が強ければこんなことにはならなかったのでは、と考えずにはいられなかった。
「ノイ兄が元に戻れるかはわからないし、本人も戻りたいと思ってないみたいだし、ホント、今のノイ兄って何を考えてるかわからないよ…」
ラルは1人、涙を堪えながら飾り付けをしていた。
―――
ノイゼル、リューベ、ロッヅィは飾り付けをだいたい終わらせていた。
「ん〜、いい感じになってきたわね〜!」
「ノイゼル兄とリューベ姉のおかげだな」
「あっ、でも何か物足りない感じがするわね…何かしら」
周りを見渡してから、ノイゼルが足りない物に気付いた。
「…クリスマスツリーか?」
「そうか、ツリーか…!すまない、我としたことが…」
ロッヅィはがっくりとしたが、リューベは何かひらめいた様子だった。
「あ!アタシ、いいこと思いついちゃった!ノイゼル、その腕を使うのはどうかしら?」
「ノイゼル兄の腕…?そうか、その手があったか」
ノイゼルは少し考えてから、2人の考えていることに気付いた。
「…おい、それは無いだろ」
「い・い・か・ら!やるの!いい?拒否したら許さないんだから!!」
リューベはこうなったら簡単には止まらない。
ノイゼルは渋々、その手を使うことにした。
「いい?ノイゼル、その左腕をツリーの形にしていくのよ」
ノイゼルは左腕を木のような形に変化させていった。
ノイゼルの左腕は植物化しており、自在に形を変化させることができるのだ。
「…こうか?」
「う〜ん、なーんか形が違う気がするわね」
「仕方ないだろう…普段はそういったものには変えないんだからな」
ノイゼルは普段、武器の形に変化させることが多く、ツリーの形にするのはなかなか難しかった。
「何かこう…もうちょっとワサーってしてる感じにできないわけ?」
「…リューベ、具体的に頼む」
「リューベ姉は、もう少し葉の部分を足したらどうか…と言いたいのではないか?」
「それがなかなか難しくてな…」
「そこを何とかしてほしいのよ!」
「無茶言うなよ…」
リューベはふと、飾りの方へ目をやった。
そして、何か思いついた様子でノイゼルに電飾を渡した。
「うん…?どうした、リューベ。この飾りがどうかしたのか?」
「ツリーと言えば、飾り付けでしょ?だから、アンタの雷のチカラで電飾に明かりを付けるのはどうかと思って」
「…できるかはわからんぞ」
「できるかできないかじゃなくて、やるのよ!」
「…やれやれ、やるしかないか」
「我も応援しているぞ、ノイゼル兄」
―少しして。
「…こんな感じでいいか、リューベ」
「そう!そんな感じよ、ノイゼル!」
ノイゼルの左腕はしっかりとツリーの形になり、飾り付けがされていた。
電飾はノイゼルの雷のチカラで付いている。
「いい感じになったわね〜!」
「素晴らしいぞ、ノイゼル兄!」
そこで、リューベがあることに気付いた。
「…そう言えば、ラルがまだ戻ってきてないわね」
「そうだな、そろそろ終わっててもいい頃だと思うが…」
「じゃあ、アタシが呼んでくるわ。んで、ノイゼルのそのツリーを見て貰うのよ!アイツがどんな顔をするか楽しみだわ!」
そう言ってリューベはさっさと行ってしまった。
「おい、勝手に決めるな!」
ノイゼルの叫びはリューベには届いていなかった。
「今回はすっかりリューベ姉のペースだったな。ところで、ノイゼル兄」
「何だ?」
「年末年始は皆と過ごさぬか?ラル兄がどう思っているかは我にはわからぬが、リューベ姉は喜ぶはずだぞ」
「…悪いが、今の俺にはそんな権利は無い。用が終わったら、すぐにミェーヴィの元へ帰る」
「そうか…すまなかったな」
リューベの声が聞こえてきた。
もうそろそろ2人が来る頃だろう。
ノイゼルは複雑な気持ちを抱えたまま、2人を待っていた。
