一次創作小説 ハーミュと小さな悪魔
公開 2025/12/18 03:52
最終更新
2025/12/18 19:35
始めに。
この小説はツイッターで私の創作キャラを描いてくださった方の絵を元にして書きました。
―
強き者が集まると言われる世界…魔界。
そんな魔界でハーミュは今日もブラブラしていた。
「…まだあいつは見つからないな」
ハーミュには探している人がいる。
人といっても、人間ではないが。
「まあ、あいつは気まぐれだからな。もうここにはいないのかもしれん」
そう言ってハーミュはふわりと宙に浮かんだ。
彼は浮遊と呼ばれる能力を持っており、自由に空を飛ぶことができるのだ。
「そろそろ魔界から出るべきなのかもな」
ハーミュは高度を上げ、そのまま真っすぐ進んでいく。
どこへ行こうというものではない。
今日もきっとあいつは見つからないだろう…そう思っていたが、ふと何かのチカラを感じた。
「このチカラは…地上に何かいるのか?」
しかし、今いる高さからは何かいるようには見えない。
「地上に下りてみるか。誰かいるのかもしれん」
ハーミュは高度を落とし、ふわりと着地した。
すると、小さい悪魔がいるのが見えた。
丸い身体に羽としっぽが生えている、かわいらしい見た目だ。
「小さすぎてよく見えなかっただけか…」
悪魔は弱っているように見えた。
この状態では飛ぶのも難しいかもしれない。
「これは…ケガしてるのか?この悪魔はあまり強くはなさそうだな」
悪魔はハーミュの顔をじっと見ていた。
動けないというわけでもなさそうだが、警戒しているようには見えなかった。
「私を見て逃げようとしないのか?…変な悪魔だな。いや…私も変わり者ではあるか」
ハーミュは悪魔のことが心配だった。
「どこか安全なところへ連れて行った方がいいかもな。だが…」
ハーミュはそこで考え込んでしまった。
この悪魔を運ぶのはそこまで苦労しないだろう。
小さい悪魔なので、抱えて飛べばいいというだけの話なのだが…。
ハーミュは誰かに触れることや、誰かに触れられるのがとにかく苦手なのだ。
ハーミュは悪魔に手を伸ばしたが、すぐに引っ込めてしまった。
悪魔は心配そうな顔をした。
「お前、私のことを心配してるのか?大変なのはお前だろうに…」
この状況で迷ってはいけない。
それはハーミュもわかっていた。
「よ、よし…次だ…次こそは…」
伸ばした手が震える。
悪魔は静かにハーミュのことを見ていた。
そして…ハーミュはなんとか悪魔に触れることができた。
「あとはどこへ行くかだな。そうだな…あの洞窟にするか」
ハーミュはしっかり悪魔を抱え、落とさないように空を飛んでいった。
―――
「よし、着いたぞ」
ハーミュと悪魔はとある洞窟へ来ていた。
「ここは以前、野宿したところでな…。ここなら魔物はやって来ないから、安心するといい」
抱えていた悪魔をそっと下ろすと、ハーミュは少し考えた。
「さて…まずはケガの手当てが先か。それから、食べ物…は必要なのだろうか。あとは…」
ハーミュは悪魔のケガの手当てをし、それから食べ物の用意をし始めた。
「お前は悪魔だから食べ物はいらないかもしれないが…これ、食べるか?」
ハーミュはパンを少しちぎって悪魔の前に置いた。
悪魔は少し考えてから、パンを食べた。
「…美味しいか?」
悪魔はにっこりしている。
どうやら、口に合ったらしい。
「…そうか。なら、よかった」
その後、悪魔のケガが癒えるまでハーミュは洞窟で過ごした。
数日後。
すっかり悪魔は元気になったようで、ハーミュにすり寄ってきていた。
「全く…懐かれてしまったか」
元気になればどこかへ行ってくれるだろうと思っていたが、離れてくれる気配が全く無い。
「…」
ハーミュは複雑だった。
離れてくれた方がいいと思っていたのに、こうしているのも悪くないと思い始めていた。
しかし、ハーミュには目的がある。
大事な人を探す、という目的が。
ハーミュは悪魔に語りかけた。
「なあ…聞いてくれないか?私はこの魔界の外に出ようと思っている。できればお前を巻き込みたくはない。だから…」
悪魔は少しだけ悲しそうな表情をしたが、すぐに明るい表情になった。
「わかってくれた…のか?そうか…」
悪魔は何か決めた、といった様子で洞窟の外へと飛んで行った。
「…元気でな。さて、私も目的のために動くとしよう」
そう言ってハーミュも洞窟の外へ出て行った。
それから――
ハーミュはスペイジアと共に旅をしていた。
「お〜い!ハーミュ、そろそろ行くよ!」
「ああ…わかった、すぐ行く」
今日は少し用があって、魔界に近い場所まで来ていた。
用はもう終わったので、また別のところへ行くつもりだった。
「あいつは…流石に来ないよな」
「むむっ?あいつって誰のこと?」
「いや、何でもない」
流石に何も起こらないだろうとハーミュは思っていた。
しかし―何か来るのが見えた。
「あ、あれ?あの子は…?」
「…そうか、来たのか」
あの時の悪魔がやってきたのだ。
悪魔はあの時と同じように、ハーミュにすり寄ってきた。
「ふっ、元気だったか?…その様子なら元気そうだな」
「へへっ、2人とも仲良しなんだね〜。…というか、ハーミュって触られるの苦手じゃなかったっけ?何で平気なの?」
「ああ…それはだな…」
「それは…?」
「……あとで話す」
「えー!気になるじゃん!絶対聞かせてよね!」
2人と1匹は、にっこりしながら少しだけ穏やかな時間を過ごした。
この小説はツイッターで私の創作キャラを描いてくださった方の絵を元にして書きました。
―
強き者が集まると言われる世界…魔界。
そんな魔界でハーミュは今日もブラブラしていた。
「…まだあいつは見つからないな」
ハーミュには探している人がいる。
人といっても、人間ではないが。
「まあ、あいつは気まぐれだからな。もうここにはいないのかもしれん」
そう言ってハーミュはふわりと宙に浮かんだ。
彼は浮遊と呼ばれる能力を持っており、自由に空を飛ぶことができるのだ。
「そろそろ魔界から出るべきなのかもな」
ハーミュは高度を上げ、そのまま真っすぐ進んでいく。
どこへ行こうというものではない。
今日もきっとあいつは見つからないだろう…そう思っていたが、ふと何かのチカラを感じた。
「このチカラは…地上に何かいるのか?」
しかし、今いる高さからは何かいるようには見えない。
「地上に下りてみるか。誰かいるのかもしれん」
ハーミュは高度を落とし、ふわりと着地した。
すると、小さい悪魔がいるのが見えた。
丸い身体に羽としっぽが生えている、かわいらしい見た目だ。
「小さすぎてよく見えなかっただけか…」
悪魔は弱っているように見えた。
この状態では飛ぶのも難しいかもしれない。
「これは…ケガしてるのか?この悪魔はあまり強くはなさそうだな」
悪魔はハーミュの顔をじっと見ていた。
動けないというわけでもなさそうだが、警戒しているようには見えなかった。
「私を見て逃げようとしないのか?…変な悪魔だな。いや…私も変わり者ではあるか」
ハーミュは悪魔のことが心配だった。
「どこか安全なところへ連れて行った方がいいかもな。だが…」
ハーミュはそこで考え込んでしまった。
この悪魔を運ぶのはそこまで苦労しないだろう。
小さい悪魔なので、抱えて飛べばいいというだけの話なのだが…。
ハーミュは誰かに触れることや、誰かに触れられるのがとにかく苦手なのだ。
ハーミュは悪魔に手を伸ばしたが、すぐに引っ込めてしまった。
悪魔は心配そうな顔をした。
「お前、私のことを心配してるのか?大変なのはお前だろうに…」
この状況で迷ってはいけない。
それはハーミュもわかっていた。
「よ、よし…次だ…次こそは…」
伸ばした手が震える。
悪魔は静かにハーミュのことを見ていた。
そして…ハーミュはなんとか悪魔に触れることができた。
「あとはどこへ行くかだな。そうだな…あの洞窟にするか」
ハーミュはしっかり悪魔を抱え、落とさないように空を飛んでいった。
―――
「よし、着いたぞ」
ハーミュと悪魔はとある洞窟へ来ていた。
「ここは以前、野宿したところでな…。ここなら魔物はやって来ないから、安心するといい」
抱えていた悪魔をそっと下ろすと、ハーミュは少し考えた。
「さて…まずはケガの手当てが先か。それから、食べ物…は必要なのだろうか。あとは…」
ハーミュは悪魔のケガの手当てをし、それから食べ物の用意をし始めた。
「お前は悪魔だから食べ物はいらないかもしれないが…これ、食べるか?」
ハーミュはパンを少しちぎって悪魔の前に置いた。
悪魔は少し考えてから、パンを食べた。
「…美味しいか?」
悪魔はにっこりしている。
どうやら、口に合ったらしい。
「…そうか。なら、よかった」
その後、悪魔のケガが癒えるまでハーミュは洞窟で過ごした。
数日後。
すっかり悪魔は元気になったようで、ハーミュにすり寄ってきていた。
「全く…懐かれてしまったか」
元気になればどこかへ行ってくれるだろうと思っていたが、離れてくれる気配が全く無い。
「…」
ハーミュは複雑だった。
離れてくれた方がいいと思っていたのに、こうしているのも悪くないと思い始めていた。
しかし、ハーミュには目的がある。
大事な人を探す、という目的が。
ハーミュは悪魔に語りかけた。
「なあ…聞いてくれないか?私はこの魔界の外に出ようと思っている。できればお前を巻き込みたくはない。だから…」
悪魔は少しだけ悲しそうな表情をしたが、すぐに明るい表情になった。
「わかってくれた…のか?そうか…」
悪魔は何か決めた、といった様子で洞窟の外へと飛んで行った。
「…元気でな。さて、私も目的のために動くとしよう」
そう言ってハーミュも洞窟の外へ出て行った。
それから――
ハーミュはスペイジアと共に旅をしていた。
「お〜い!ハーミュ、そろそろ行くよ!」
「ああ…わかった、すぐ行く」
今日は少し用があって、魔界に近い場所まで来ていた。
用はもう終わったので、また別のところへ行くつもりだった。
「あいつは…流石に来ないよな」
「むむっ?あいつって誰のこと?」
「いや、何でもない」
流石に何も起こらないだろうとハーミュは思っていた。
しかし―何か来るのが見えた。
「あ、あれ?あの子は…?」
「…そうか、来たのか」
あの時の悪魔がやってきたのだ。
悪魔はあの時と同じように、ハーミュにすり寄ってきた。
「ふっ、元気だったか?…その様子なら元気そうだな」
「へへっ、2人とも仲良しなんだね〜。…というか、ハーミュって触られるの苦手じゃなかったっけ?何で平気なの?」
「ああ…それはだな…」
「それは…?」
「……あとで話す」
「えー!気になるじゃん!絶対聞かせてよね!」
2人と1匹は、にっこりしながら少しだけ穏やかな時間を過ごした。
