一次創作小説 その手に光を
公開 2025/11/25 02:26
最終更新
2025/12/18 15:18
ここはスィキグ。
ある時からこの地には機械生命体ラギェカが現れ、人々はラギェカと戦い続けていた。
とある場所にて。
ミザレイノはこの場所でラギェカが目撃されたと聞き、1人でやってきた。
『ミザレさん、この辺りは危険なので気をつけてくださいね』
通信機からレウィヅェの声が聞こえる。
彼はミザレイノの古い友人だ。
だから、お互いのことはだいたいわかっている。
「わかっているさ…だが、もう奴らはいないようだ」
『そうなんですね…ここには誰かいそうですか?』
レウィヅェからはミザレイノの位置はわかるが、彼女の周囲がどうなっているかはわからない。
彼らが所属しているノパウァ研究所は金銭的にギリギリなこともあり、レーダーはあるが映像が無い、古いもののままなのだ。
だから、現場にいる者がしっかり見なければならない。
「近くには見えないが、見落としてるだけかもしれない。魔法を使った跡はあるのだが…」
『もしかして、ラギェカに襲われた人がいるのかな』
「そうなら早く助けなければならないな」
ラギェカは普通の人間では太刀打ちできないと言われている。
だから、スィキグではラギェカに出くわしたら逃げるように教えるところも多い。
「嫌な予感がするな…」
ミザレイノは誰かいないか注意深く探した。
わずかに魔力を感じるものの、あまりにも弱々しく、今にも消えてしまいそうだ。
「おそらく相当なダメージを負ってるな…レウィヅェ、何が起きてもいいように準備を頼む!」
『わ、わかった!』
魔力の主はすぐに見つかった。
ラギェカに襲われたのか、かなりボロボロの状態で倒れている。
身体をよく見ると、侵食されかけている部分もあった。
魔力の反応があったことから、ラギェカに攻撃しようとしたのだろうか?
見た目は若そうで、制服らしきものを着ている。
どこかの学校の生徒だろうか。
「おい、キミ!私の声が聞こえるか?」
ミザレイノは倒れている若者に声をかけたが、若者からの反応は無かった。
「…返事が無いな。この状態なら無理も無いか。仕方ない、この子は研究所に連れて帰るとしよう」
ミザレイノは杖を出し、転移魔法の準備を始めた。
この転移魔法は本来効果が狭いのだが、彼女の持つ杖には魔法の範囲を広げる効果があるため、2人なら問題無く移動できる。
ミザレイノは魔法の準備をしながら、若者の状態をじっくり確認していた。
「肉体にダメージが大きい…これはマズいな。おい、レウィヅェ!聞こえるか?」
『は、はいっ!準備はなんとかできてます!なにかありましたか?』
「生存者を見つけたが、ダメージが大きい。この者の身体を機械化させた方がいいだろう」
『えっ、待ってくださいよ!本人に確認は取れたんですか?』
「試してみたが、無理そうだった。本人には後でちゃんと説明すればいい。時間が無いんだ、早く準備しろ!」
『わ、わかりましたってば!ミザレさん、ホント無茶なことばっかり言うんだから…』
「聞こえてるぞ、レウィヅェ。よし、そろそろそっちに行けそうだ。…落ち着いたらこの者と話さなければな」
———
それから数日が経過した。
ノパウァ研究所に連れてきた若者が目を覚ましたと聞き、ミザレイノは若者のいる部屋にいた。
「キミと話せるようになってよかった。あれからキミは1週間ほど眠っていたからな…」
若者はミザレイノの顔をじっと見つめてから言った。
「あの、ここはどこ?私はなんで、ここに?」
「ここはノパウァ研究所だ。キミは奴ら…機械生命体ラギェカに襲われたのだろう?私がキミを見つけた時、キミはかなりボロボロだったからな」
「私は…その…」
「それとだな…勝手なことをしてすまないが、キミの身体を機械化させてもらった。といっても、私は指示をしただけだがな」
「…そう」
事実を簡単に伝えたが、若者の反応は薄かった。
「なんだ、随分あっさりめだな…。まあいい、今はゆっくり休んでくれ。それではな」
「あ…!」
若者は待ってと言いかけたが、もうミザレイノは行ってしまっていた。
「…また、あの人と話せるのかな」
1人になった部屋で、若者はぽつりとつぶやいた。
ある時からこの地には機械生命体ラギェカが現れ、人々はラギェカと戦い続けていた。
とある場所にて。
ミザレイノはこの場所でラギェカが目撃されたと聞き、1人でやってきた。
『ミザレさん、この辺りは危険なので気をつけてくださいね』
通信機からレウィヅェの声が聞こえる。
彼はミザレイノの古い友人だ。
だから、お互いのことはだいたいわかっている。
「わかっているさ…だが、もう奴らはいないようだ」
『そうなんですね…ここには誰かいそうですか?』
レウィヅェからはミザレイノの位置はわかるが、彼女の周囲がどうなっているかはわからない。
彼らが所属しているノパウァ研究所は金銭的にギリギリなこともあり、レーダーはあるが映像が無い、古いもののままなのだ。
だから、現場にいる者がしっかり見なければならない。
「近くには見えないが、見落としてるだけかもしれない。魔法を使った跡はあるのだが…」
『もしかして、ラギェカに襲われた人がいるのかな』
「そうなら早く助けなければならないな」
ラギェカは普通の人間では太刀打ちできないと言われている。
だから、スィキグではラギェカに出くわしたら逃げるように教えるところも多い。
「嫌な予感がするな…」
ミザレイノは誰かいないか注意深く探した。
わずかに魔力を感じるものの、あまりにも弱々しく、今にも消えてしまいそうだ。
「おそらく相当なダメージを負ってるな…レウィヅェ、何が起きてもいいように準備を頼む!」
『わ、わかった!』
魔力の主はすぐに見つかった。
ラギェカに襲われたのか、かなりボロボロの状態で倒れている。
身体をよく見ると、侵食されかけている部分もあった。
魔力の反応があったことから、ラギェカに攻撃しようとしたのだろうか?
見た目は若そうで、制服らしきものを着ている。
どこかの学校の生徒だろうか。
「おい、キミ!私の声が聞こえるか?」
ミザレイノは倒れている若者に声をかけたが、若者からの反応は無かった。
「…返事が無いな。この状態なら無理も無いか。仕方ない、この子は研究所に連れて帰るとしよう」
ミザレイノは杖を出し、転移魔法の準備を始めた。
この転移魔法は本来効果が狭いのだが、彼女の持つ杖には魔法の範囲を広げる効果があるため、2人なら問題無く移動できる。
ミザレイノは魔法の準備をしながら、若者の状態をじっくり確認していた。
「肉体にダメージが大きい…これはマズいな。おい、レウィヅェ!聞こえるか?」
『は、はいっ!準備はなんとかできてます!なにかありましたか?』
「生存者を見つけたが、ダメージが大きい。この者の身体を機械化させた方がいいだろう」
『えっ、待ってくださいよ!本人に確認は取れたんですか?』
「試してみたが、無理そうだった。本人には後でちゃんと説明すればいい。時間が無いんだ、早く準備しろ!」
『わ、わかりましたってば!ミザレさん、ホント無茶なことばっかり言うんだから…』
「聞こえてるぞ、レウィヅェ。よし、そろそろそっちに行けそうだ。…落ち着いたらこの者と話さなければな」
———
それから数日が経過した。
ノパウァ研究所に連れてきた若者が目を覚ましたと聞き、ミザレイノは若者のいる部屋にいた。
「キミと話せるようになってよかった。あれからキミは1週間ほど眠っていたからな…」
若者はミザレイノの顔をじっと見つめてから言った。
「あの、ここはどこ?私はなんで、ここに?」
「ここはノパウァ研究所だ。キミは奴ら…機械生命体ラギェカに襲われたのだろう?私がキミを見つけた時、キミはかなりボロボロだったからな」
「私は…その…」
「それとだな…勝手なことをしてすまないが、キミの身体を機械化させてもらった。といっても、私は指示をしただけだがな」
「…そう」
事実を簡単に伝えたが、若者の反応は薄かった。
「なんだ、随分あっさりめだな…。まあいい、今はゆっくり休んでくれ。それではな」
「あ…!」
若者は待ってと言いかけたが、もうミザレイノは行ってしまっていた。
「…また、あの人と話せるのかな」
1人になった部屋で、若者はぽつりとつぶやいた。
