映画「落下の王国」感想
公開 2025/11/30 12:44
最終更新
2025/11/30 12:46
名作と名高い映画「落下の王国」を生まれて初めて観たんですけど、なんというか本当にものすごいド名作でビックリした。これDVDやBlu-rayは廃盤だし配信もされてないってなぜ…どうして…
自宅でもいつでも観たいし、高騰しているとしても円盤を手に入れたくなってしまう…
もっと難解でアーティスティックな映画だと思ってたんですけど、ぜんぜんそんなこともなかった。心の洗われる美しい映画だった。
なんか知らんけどめちゃくちゃ涙が出てしまった…今でも思い出してちょっと泣ける…
物語としては、無邪気な少女・アレクサンドリアとやさぐれたスタントマン・ロイの交流を通して、ロイの心が癒やされていく、という流れを読み取ったんだけど、それがものすごく美しくて、胸がいっぱいになる。陳腐な言い方だけれども、どこか切ないながら希望もあって、とにかく「美しい」と感じる。
ロイが単に慰みにアレクサンドリアに話して聞かせた山賊たちの物語も、楽しい冒険活劇であり、悲劇的な復讐譚でもあり、そしてもう本当に画面が美しい。圧倒的な美しさ。
ロイの話して聞かせる物語から、無垢なアレクサンドリアはああいうあまりにも壮大で美しいシーンを想像していたんだろうなと思うと、そのこと自体も美しくていい。
スタントで怪我をして将来を悲観しているロイは、だから山賊たちの物語を悲劇にしようとするし、自分も自殺しようとする。でも、物語の終盤で登場してきたアレクサンドリア(が演じるキャラ)を、山賊たちは身を呈して守るようにして死んでいったりする、それがなんかものすごく切なくて良かった。涙が出た。ロイは自分のことは大事にできないくせに、アレクサンドリアのことは守ろうとしてくれているんだなという気がして。
アレクサンドリアの「(黒山賊を)殺さないで」という言葉を、ロイがさんざん迷いながらも最終的に受け入れてくれるのも美しくていい。将来を悲観しつつ、ヤケクソでもう死にたいと思いつつ、それでも、アレクサンドリアがそう言うのなら、と、黒山賊は生き残ってくれるし、そしてロイ自身もその後を生きることを決めてくれたというのが、本当に胸がいっぱいになる美しい展開でよかった。
このときアレクサンドリアは棚から落ちて大怪我をしているんだけど、それもそもそもロイのためにモルヒネを取ってこようとしたからだった(しかもロイはモルヒネで自殺しようとしていたんだけど、アレクサンドリアはそれを最後まで知らなかった)…という事実も、ロイの心にうんと響いたのではないかな。自分のためにこうまでしてくれる存在があるのだ、という。
生きるほうが辛いこともあるのかもしれないけれども、それでも、今ここでアレクサンドリアがそう言うのなら、とそっちを受け入れてくれるのが美しいなと思ったんだよね ロイがめちゃくちゃに泣いてるのもとても良かった(私もめちゃくちゃ泣いてしまった)。
辛くて痛いかもしれないけれど、ロイは自分の化身である黒山賊を生存させるほうを選び、つまり自分に「生きる」ことを許してやれたというのは、それ自体が間違いなくロイの魂の救いであったと思うんだよね。
これよりもだいぶ前のシーンだけど、アレクサンドリアがロイに、礼拝堂から失敬してきた聖体拝領のパンを食べさせるシーンがあるんだけど、あのへんからもうなんか涙が出てしょうがなかった ロイは「おれの魂を救ってくれるのかい」みたいなことを皮肉っぽく言って、アレクサンドリアは(幼いのと、英語がそれほど堪能ではないっぽいこともあり)その言葉の意味を掴めなくて何も答えられないんだけど、それでも確かに、あのシーンは「(ロイへの)救い」を示唆するシーンであったのではないかな…
うまくまとまらないけど、とにかく本当に美しい映画だった。可能であれば上映期間中にもう一度くらいは観に行きたいし、最初にも書いたけど高騰しててもDVDないしBlu-rayの購入を考えてしまう。(どうかなんとか再販されないものだろうか! あとどこかで配信も始まってほしい!)
名作として語り継がれているのも納得の作品でした。大好きな作品がまた一つ増えてしまった。
(2025年11月29日鑑賞)
(blueskyに投稿したものを加筆・再構成)
自宅でもいつでも観たいし、高騰しているとしても円盤を手に入れたくなってしまう…
もっと難解でアーティスティックな映画だと思ってたんですけど、ぜんぜんそんなこともなかった。心の洗われる美しい映画だった。
なんか知らんけどめちゃくちゃ涙が出てしまった…今でも思い出してちょっと泣ける…
物語としては、無邪気な少女・アレクサンドリアとやさぐれたスタントマン・ロイの交流を通して、ロイの心が癒やされていく、という流れを読み取ったんだけど、それがものすごく美しくて、胸がいっぱいになる。陳腐な言い方だけれども、どこか切ないながら希望もあって、とにかく「美しい」と感じる。
ロイが単に慰みにアレクサンドリアに話して聞かせた山賊たちの物語も、楽しい冒険活劇であり、悲劇的な復讐譚でもあり、そしてもう本当に画面が美しい。圧倒的な美しさ。
ロイの話して聞かせる物語から、無垢なアレクサンドリアはああいうあまりにも壮大で美しいシーンを想像していたんだろうなと思うと、そのこと自体も美しくていい。
スタントで怪我をして将来を悲観しているロイは、だから山賊たちの物語を悲劇にしようとするし、自分も自殺しようとする。でも、物語の終盤で登場してきたアレクサンドリア(が演じるキャラ)を、山賊たちは身を呈して守るようにして死んでいったりする、それがなんかものすごく切なくて良かった。涙が出た。ロイは自分のことは大事にできないくせに、アレクサンドリアのことは守ろうとしてくれているんだなという気がして。
アレクサンドリアの「(黒山賊を)殺さないで」という言葉を、ロイがさんざん迷いながらも最終的に受け入れてくれるのも美しくていい。将来を悲観しつつ、ヤケクソでもう死にたいと思いつつ、それでも、アレクサンドリアがそう言うのなら、と、黒山賊は生き残ってくれるし、そしてロイ自身もその後を生きることを決めてくれたというのが、本当に胸がいっぱいになる美しい展開でよかった。
このときアレクサンドリアは棚から落ちて大怪我をしているんだけど、それもそもそもロイのためにモルヒネを取ってこようとしたからだった(しかもロイはモルヒネで自殺しようとしていたんだけど、アレクサンドリアはそれを最後まで知らなかった)…という事実も、ロイの心にうんと響いたのではないかな。自分のためにこうまでしてくれる存在があるのだ、という。
生きるほうが辛いこともあるのかもしれないけれども、それでも、今ここでアレクサンドリアがそう言うのなら、とそっちを受け入れてくれるのが美しいなと思ったんだよね ロイがめちゃくちゃに泣いてるのもとても良かった(私もめちゃくちゃ泣いてしまった)。
辛くて痛いかもしれないけれど、ロイは自分の化身である黒山賊を生存させるほうを選び、つまり自分に「生きる」ことを許してやれたというのは、それ自体が間違いなくロイの魂の救いであったと思うんだよね。
これよりもだいぶ前のシーンだけど、アレクサンドリアがロイに、礼拝堂から失敬してきた聖体拝領のパンを食べさせるシーンがあるんだけど、あのへんからもうなんか涙が出てしょうがなかった ロイは「おれの魂を救ってくれるのかい」みたいなことを皮肉っぽく言って、アレクサンドリアは(幼いのと、英語がそれほど堪能ではないっぽいこともあり)その言葉の意味を掴めなくて何も答えられないんだけど、それでも確かに、あのシーンは「(ロイへの)救い」を示唆するシーンであったのではないかな…
うまくまとまらないけど、とにかく本当に美しい映画だった。可能であれば上映期間中にもう一度くらいは観に行きたいし、最初にも書いたけど高騰しててもDVDないしBlu-rayの購入を考えてしまう。(どうかなんとか再販されないものだろうか! あとどこかで配信も始まってほしい!)
名作として語り継がれているのも納得の作品でした。大好きな作品がまた一つ増えてしまった。
(2025年11月29日鑑賞)
(blueskyに投稿したものを加筆・再構成)
