Lunatic
公開 2026/01/05 11:47
最終更新
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夜の色が濃紺なのだと知ったのはいつだっただろう。月の光に抱かれ、静寂を纏った世界が闇に星を撒くその空は、どこか無機質さを感じさせる祖国の夜空に比べて微睡むような温かさを感じる。
大の男二人が横になってもなお余裕のあるベッドの上で、覆い被さるように自分を見下ろしている男の向こう、大きな円形の天窓から覗く星空を視界の端に捉えながら、イーグルはそんなことを思った。
「イーグル」
聞き慣れた優しい声に名を呼ばれる。よく耳に馴染むその声はしかし、確かな熱を孕んでいた。
イーグルは返事の代わりに視線を合わせ、微笑む。ジェオ、と腕を伸ばして頭を引き寄せれば、啄むように唇が落とされた。触れるだけのキスが何度か角度を変えるうちに、どちらからともなく舌が差し込まれる。
「ん、んぅ・・・は、ぁ・・・っ」
久しぶりの深いキス。
もっと、とジェオの熱を求める心に反して、長く眠りに就いていた身体は与えられる快楽についていけないらしい。イーグルの息が俄に上がっていることに気付いたジェオは、そっと顔を離した。
「大丈夫か?」
心配そうに揺らめく新緑の瞳。大きな温かい手が上気した頬を優しく撫でる。その手に猫のように頬をすり寄せながら、イーグルは「ん、」と短く頷いた。
「すっかり運動不足ですね」
「・・・そりゃそうだろうな」
冗談めかして笑うイーグルにジェオもつられて笑ったが、瞳に浮かんだ心配の色はそのままだ。
「なぁ、」
「いやです」
「・・・まだ何も言ってないだろ」
「やっぱり今日はやめよう、とか言うつもりでしょう?」
不満そうな上目遣いで図星を指され、ジェオは言葉に詰まった。こういう勘の良さは以前と変わらないのが困る。
眠り病からは回復したとはいえ、いきなり以前のように動き回れるものではない。体力が落ちたせいか体調も崩しやすく、その辺りも含めて目下リハビリ中だ。
「・・・お前に無理はさせたくない」
精神エネルギーの使い過ぎで発症する致命的な病に罹ってなお、莫大な精神エネルギーを使いセフィーロへの"道"を作っていたような男だ。キスで息が上がるような状態でこれ以上の行為は負担が大きすぎる、とジェオが心配になるのも仕方のないことだろう。
こうと決めたら滅多に意見を譲ることのない上官だが、しかし困ったままでもいられないとジェオも食い下がった。
「運動不足の解消には運動が一番でしょう?」
「体調が不安定じゃなければな」
「ジェオの心配はわかります。でも、それより深刻な問題があるんですよ」
「何だ」
まさか眠り病の他にも何かあったのか?
一瞬で顔色を変えたジェオに、イーグルはそうではないと淡く微笑む。そうして少し困ったように眉を下げると、自分の腰をジェオに押し付けた。
「欲求不満が、限界です」
「・・・・・・ッ?!」
布越しでも解るその質量と、囁くように告げられた言葉に、三秒遅れてジェオの耳が朱に染まる。
思わずガバッと身を起こし、組み敷いていた男を見下ろせば、上官でもある恋人はなお悪びれなく「ね?」と笑う。
「お、前、なぁ・・・!」
俺の心配をなんだと・・・と怒りたい反面、絞り出した声に喜色が混じってしまっているのは自分でも解ったが仕方ない。
最後にイーグルと身体を重ねたのはもう随分前だ。抱きたくないのかと言われたら抱きたいに決まっている。先程のキスだけで爆発しそうだったのは彼だけではないのだ。
ない、のだが。
「・・・ジェオ」
やめろ、その顔と声色は卑怯だぞ。
思ったが声にはならなかった。下腹部がズクンと熱を持ったのが解る。イーグルも気付いたのだろう、黄金色の双眸が嬉しそうに甘く撓んだ。
「ね、ジェオ。大丈夫ですから」
抱いてください。
切なそうな顔で、甘えるような声で。
ジェオ、と両の腕を伸ばしてくるその姿に、抗える人間がいたら会ってみたい。
いや、こいつのこんな姿、他の誰にも見せてたまるか。
頭の中で妙な方向にずれていく葛藤と戦いながら、ジェオは最後の理性で口を開いた。
「・・・・・・激しいのは、無しだからな」
月光を背負っているせいでジェオの表情はよく見えなかったが、言葉とは裏腹に獰猛な欲を必死に押し殺しているのが解る。イーグルは「はい」とだけ微笑むと、近付いてくる男の頭をぎゅうっと抱き込んだ。
***
「んっ、あ・・・あ・・・っ!そこ・・・ジェ、オぉ・・・!」
抑えた声、衣擦れの音と微かな水音が控えめに部屋に響く。すっかり衣服を取り払われ、顕になったイーグルの肌には所々に赤い跡が散っている。
月明かりが青白く照らすベッドの上で、ジェオが与える快楽に身を捩る様は酷く神秘的で、それ以上に扇情的だった。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて胸の突起に口付ける。舌で転がし、時折吸い上げながら、もう片方を指で撫で回してやれば、同時に下を解していたジェオの指をきゅうっと締めつけた。
「ひ、ぅぅ・・・!だめ、ジェオ、ぜんぶ、いっしょは・・・ぁ・・・!あ、あァっ・・・!きもち・・・っ、きもちい、です・・・ジェオぉ・・・っ」
「ッ、イーグル・・・!」
体調のことを置いておいても久しぶりの行為。傷つけないよう出来るだけ慎重にとイーグルの中へ指を進めていたジェオが、唸るような声でその名を呼んだ。
いやいやと頭を振りながら[[rb:快 > い]]いと啼く姿に、どうしようもなく嗜虐心を煽られる。
イーグルの反応を窺いながら、そろそろ大丈夫かと三本目の指を潜り込ませたところで、制止の声がかかった。
「や、だめ、ジェオ、まって・・・!」
「悪い、痛かったか?」
慌てて指を抜こうとしたジェオを片手で止めると、イーグルはもう片腕で顔を覆いながら言葉を続けた。
「ちが、います・・・もう・・・・・・イキそう、で・・・」
肩で息をしながら顔を隠し、恥じるように答えるイーグルに思わずジェオのほうが達しそうになる。
(可愛すぎるだろ・・・・・・)
両手が自由ならジェオも顔を覆っているところだ。漏れそうになった色々なものをどうにか押し留め、ジェオは努めて優しく言った。
「ん、じゃちょっと休憩な。一旦抜くぞ」
「んんっ・・・」
指が引き抜かれる感覚に、イーグルが背をしならせる。見上げてくる瞳に薄く膜が張っているのが月明かりにも解った。その目蓋にひとつ唇を落として、汗ばんだ身体を抱きしめる。
少しの間そうして息を整えていたイーグルが、もぞりと顔を上げた。
「ジェオ」
「ん?」
「キス、」
たった二文字の破壊力。
普段が丁寧な物言いをするだけに、短く強請る姿は殊更幼く見える。
可愛い。愛おしい。
どうしようもなく好きだ、と思った。
その唇に噛みつきたくなる衝動を堪えて、ジェオはそっと顔を近付ける。
「ん・・・」
触れただけでイーグルから声が漏れた。鼻に、頬に、首筋にとキスを落とし、最後にもう一度唇を重ねると、不意にイーグルの指がジェオ自身に触れた。思わず身を揺らした男に、イーグルはまるで悪戯が成功したかのように笑うと、脈が伝わるんじゃないかと思うくらい硬く勃ち上がったそれに指を這わせ、ジェオ、と甘く名を呼び、
「続きを」
とまた短く強請った。
「は・・・っ、ジェオ・・・もう、いいです、から・・・っ」
今度こそ三本目の指を納め、内側を押し拡げるように蠢いているジェオの手をきゅうきゅうと締め付けながら、イーグルが先を乞う。視線を落とせば、イーグル自身も完全に勃ち上がり、限界だと言わんばかりにとろとろと蜜を溢れさせている。
ジェオはゆっくりと指を引き抜くと、代わりに熱く猛った自身を宛てがった。秘部に触れた熱に、イーグルが小さく声を漏らす。
「・・・痛かったらすぐ言えよ」
イーグルが頷いたのを確認して、ジェオはゆっくりと腰を押し進める。相当に時間をかけて解したつもりだったが、久しぶりの挿入にイーグルも感覚が思い出せないようで、先端の太い部分がなかなか通らない。苦しそうに眉根を寄せ、どうにか力を抜こうとしているイーグルに声をかけると、叱られた子供のような顔で口を開いた。
「っ、すみ、ませ・・・うまく、力が・・・」
「なんでお前が謝る。大丈夫だからゆっくり、な?ほら、ちゃんと息しろ」
両頬を包み、優しく視線を合わせる。頼りなさげに自分を呼ぶ声にキスで応えながら、大丈夫だと繰り返した。
緊張と焦りで固くなっていたイーグルの身体から力が抜けていく。
「いい子だ、イーグル。そのまま、気持ちいいって感覚だけ追えばいい」
優しく言いながら身を起こすと、イーグルの性器を握り込む。そのままゆるゆると上下に扱いてやれば、一際高い声が白い喉から漏れた。
「え、あ?ひっ・・・!あぁ、あ!だめ、ジェオ、イッちゃ・・・!」
突然の刺激にイーグルの意識が逸れた瞬間、ジェオは己の先端をぐぷりとイーグルの中へ押し込んだ。
「――――――ッ・・・?!」
太く熱いそれに[[rb:快 > い]]いところを掠められ、あまりの快感にイーグルの視界が白く弾ける。声も出せずに強く背中を仰け反らせると、ジェオの腹に熱い白濁を放った。
「っく・・・!」
同時に中を断続的にきつく締め付けられたジェオは、理性ごと持っていかれそうになるのを歯を食い縛ってどうにか堪える。
びくびくと身体を痙攣させ、吐精の余韻に荒く息をついているイーグルを大丈夫かと覗き込めば、蜂蜜を溶いたように潤んだ瞳がぼんやりとジェオを捉えた。
「イーグル」
「―――あ・・・」
心配そうに自分を見下ろしているジェオの声に、一瞬飛んでいた思考が戻ってくる。自分だけ、しかも挿れられただけで達してしまったことが申し訳なく、イーグルは珍しく狼狽えた表情を見せた。
「イーグル?」
「す、すみません、ジェオ。僕だけ・・・・・・」
もしも犬だったら気の毒なほどに耳と尻尾が垂れていただろう。心底申し訳なさそうに謝るイーグルを見下ろしながらジェオは思った。そうとでも思わなければ、理性も下半身も爆発しそうだったからだ。
しかし理性はともかく、羞恥で顔を赤く染めるなど滅多にない恋人のこんな姿を目の前にして、生理的な反応を制御できるほど鋼の精神は持ち合わせていない。
「あっ、え?」
半分埋め込まれたままだったジェオ自身が質量と硬度を増して、イーグルはびくんと身を跳ねさせる。どうして?とでも言いたげな色を浮かべて見上げてくる金の双眸に、今度はジェオが謝る番だった。
「悪い。けど、頼むからこれ以上煽ってくれるな」
よく見ればジェオの額には珠のような汗が浮かんでいる。何かを堪えるような短い呼吸と、己の内側で脈打つ彼の熱に、イーグルはかあっと頬が熱くなるのを感じた。その反応にまたジェオのものが大きくなる。
「っ、イーグル」
「あ、す、すみません」
もはや何に対する謝罪なのか、イーグルにも解らない。ただ、堪えるように呻いた男の汗も呼吸も、間違いなく自分の為であることは解る。
それが、たまらなく愛おしかった。
「・・・ジェオ」
まだ頬には朱が差したまま、しかし情事には不似合いなほど真っ直ぐな瞳に微笑みを湛えて、イーグルはジェオに腕を伸ばす。
「・・・続きを」
三度目の強請りに、ジェオは噛みつくようなキスで応えた。
●fin●
大の男二人が横になってもなお余裕のあるベッドの上で、覆い被さるように自分を見下ろしている男の向こう、大きな円形の天窓から覗く星空を視界の端に捉えながら、イーグルはそんなことを思った。
「イーグル」
聞き慣れた優しい声に名を呼ばれる。よく耳に馴染むその声はしかし、確かな熱を孕んでいた。
イーグルは返事の代わりに視線を合わせ、微笑む。ジェオ、と腕を伸ばして頭を引き寄せれば、啄むように唇が落とされた。触れるだけのキスが何度か角度を変えるうちに、どちらからともなく舌が差し込まれる。
「ん、んぅ・・・は、ぁ・・・っ」
久しぶりの深いキス。
もっと、とジェオの熱を求める心に反して、長く眠りに就いていた身体は与えられる快楽についていけないらしい。イーグルの息が俄に上がっていることに気付いたジェオは、そっと顔を離した。
「大丈夫か?」
心配そうに揺らめく新緑の瞳。大きな温かい手が上気した頬を優しく撫でる。その手に猫のように頬をすり寄せながら、イーグルは「ん、」と短く頷いた。
「すっかり運動不足ですね」
「・・・そりゃそうだろうな」
冗談めかして笑うイーグルにジェオもつられて笑ったが、瞳に浮かんだ心配の色はそのままだ。
「なぁ、」
「いやです」
「・・・まだ何も言ってないだろ」
「やっぱり今日はやめよう、とか言うつもりでしょう?」
不満そうな上目遣いで図星を指され、ジェオは言葉に詰まった。こういう勘の良さは以前と変わらないのが困る。
眠り病からは回復したとはいえ、いきなり以前のように動き回れるものではない。体力が落ちたせいか体調も崩しやすく、その辺りも含めて目下リハビリ中だ。
「・・・お前に無理はさせたくない」
精神エネルギーの使い過ぎで発症する致命的な病に罹ってなお、莫大な精神エネルギーを使いセフィーロへの"道"を作っていたような男だ。キスで息が上がるような状態でこれ以上の行為は負担が大きすぎる、とジェオが心配になるのも仕方のないことだろう。
こうと決めたら滅多に意見を譲ることのない上官だが、しかし困ったままでもいられないとジェオも食い下がった。
「運動不足の解消には運動が一番でしょう?」
「体調が不安定じゃなければな」
「ジェオの心配はわかります。でも、それより深刻な問題があるんですよ」
「何だ」
まさか眠り病の他にも何かあったのか?
一瞬で顔色を変えたジェオに、イーグルはそうではないと淡く微笑む。そうして少し困ったように眉を下げると、自分の腰をジェオに押し付けた。
「欲求不満が、限界です」
「・・・・・・ッ?!」
布越しでも解るその質量と、囁くように告げられた言葉に、三秒遅れてジェオの耳が朱に染まる。
思わずガバッと身を起こし、組み敷いていた男を見下ろせば、上官でもある恋人はなお悪びれなく「ね?」と笑う。
「お、前、なぁ・・・!」
俺の心配をなんだと・・・と怒りたい反面、絞り出した声に喜色が混じってしまっているのは自分でも解ったが仕方ない。
最後にイーグルと身体を重ねたのはもう随分前だ。抱きたくないのかと言われたら抱きたいに決まっている。先程のキスだけで爆発しそうだったのは彼だけではないのだ。
ない、のだが。
「・・・ジェオ」
やめろ、その顔と声色は卑怯だぞ。
思ったが声にはならなかった。下腹部がズクンと熱を持ったのが解る。イーグルも気付いたのだろう、黄金色の双眸が嬉しそうに甘く撓んだ。
「ね、ジェオ。大丈夫ですから」
抱いてください。
切なそうな顔で、甘えるような声で。
ジェオ、と両の腕を伸ばしてくるその姿に、抗える人間がいたら会ってみたい。
いや、こいつのこんな姿、他の誰にも見せてたまるか。
頭の中で妙な方向にずれていく葛藤と戦いながら、ジェオは最後の理性で口を開いた。
「・・・・・・激しいのは、無しだからな」
月光を背負っているせいでジェオの表情はよく見えなかったが、言葉とは裏腹に獰猛な欲を必死に押し殺しているのが解る。イーグルは「はい」とだけ微笑むと、近付いてくる男の頭をぎゅうっと抱き込んだ。
***
「んっ、あ・・・あ・・・っ!そこ・・・ジェ、オぉ・・・!」
抑えた声、衣擦れの音と微かな水音が控えめに部屋に響く。すっかり衣服を取り払われ、顕になったイーグルの肌には所々に赤い跡が散っている。
月明かりが青白く照らすベッドの上で、ジェオが与える快楽に身を捩る様は酷く神秘的で、それ以上に扇情的だった。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて胸の突起に口付ける。舌で転がし、時折吸い上げながら、もう片方を指で撫で回してやれば、同時に下を解していたジェオの指をきゅうっと締めつけた。
「ひ、ぅぅ・・・!だめ、ジェオ、ぜんぶ、いっしょは・・・ぁ・・・!あ、あァっ・・・!きもち・・・っ、きもちい、です・・・ジェオぉ・・・っ」
「ッ、イーグル・・・!」
体調のことを置いておいても久しぶりの行為。傷つけないよう出来るだけ慎重にとイーグルの中へ指を進めていたジェオが、唸るような声でその名を呼んだ。
いやいやと頭を振りながら[[rb:快 > い]]いと啼く姿に、どうしようもなく嗜虐心を煽られる。
イーグルの反応を窺いながら、そろそろ大丈夫かと三本目の指を潜り込ませたところで、制止の声がかかった。
「や、だめ、ジェオ、まって・・・!」
「悪い、痛かったか?」
慌てて指を抜こうとしたジェオを片手で止めると、イーグルはもう片腕で顔を覆いながら言葉を続けた。
「ちが、います・・・もう・・・・・・イキそう、で・・・」
肩で息をしながら顔を隠し、恥じるように答えるイーグルに思わずジェオのほうが達しそうになる。
(可愛すぎるだろ・・・・・・)
両手が自由ならジェオも顔を覆っているところだ。漏れそうになった色々なものをどうにか押し留め、ジェオは努めて優しく言った。
「ん、じゃちょっと休憩な。一旦抜くぞ」
「んんっ・・・」
指が引き抜かれる感覚に、イーグルが背をしならせる。見上げてくる瞳に薄く膜が張っているのが月明かりにも解った。その目蓋にひとつ唇を落として、汗ばんだ身体を抱きしめる。
少しの間そうして息を整えていたイーグルが、もぞりと顔を上げた。
「ジェオ」
「ん?」
「キス、」
たった二文字の破壊力。
普段が丁寧な物言いをするだけに、短く強請る姿は殊更幼く見える。
可愛い。愛おしい。
どうしようもなく好きだ、と思った。
その唇に噛みつきたくなる衝動を堪えて、ジェオはそっと顔を近付ける。
「ん・・・」
触れただけでイーグルから声が漏れた。鼻に、頬に、首筋にとキスを落とし、最後にもう一度唇を重ねると、不意にイーグルの指がジェオ自身に触れた。思わず身を揺らした男に、イーグルはまるで悪戯が成功したかのように笑うと、脈が伝わるんじゃないかと思うくらい硬く勃ち上がったそれに指を這わせ、ジェオ、と甘く名を呼び、
「続きを」
とまた短く強請った。
「は・・・っ、ジェオ・・・もう、いいです、から・・・っ」
今度こそ三本目の指を納め、内側を押し拡げるように蠢いているジェオの手をきゅうきゅうと締め付けながら、イーグルが先を乞う。視線を落とせば、イーグル自身も完全に勃ち上がり、限界だと言わんばかりにとろとろと蜜を溢れさせている。
ジェオはゆっくりと指を引き抜くと、代わりに熱く猛った自身を宛てがった。秘部に触れた熱に、イーグルが小さく声を漏らす。
「・・・痛かったらすぐ言えよ」
イーグルが頷いたのを確認して、ジェオはゆっくりと腰を押し進める。相当に時間をかけて解したつもりだったが、久しぶりの挿入にイーグルも感覚が思い出せないようで、先端の太い部分がなかなか通らない。苦しそうに眉根を寄せ、どうにか力を抜こうとしているイーグルに声をかけると、叱られた子供のような顔で口を開いた。
「っ、すみ、ませ・・・うまく、力が・・・」
「なんでお前が謝る。大丈夫だからゆっくり、な?ほら、ちゃんと息しろ」
両頬を包み、優しく視線を合わせる。頼りなさげに自分を呼ぶ声にキスで応えながら、大丈夫だと繰り返した。
緊張と焦りで固くなっていたイーグルの身体から力が抜けていく。
「いい子だ、イーグル。そのまま、気持ちいいって感覚だけ追えばいい」
優しく言いながら身を起こすと、イーグルの性器を握り込む。そのままゆるゆると上下に扱いてやれば、一際高い声が白い喉から漏れた。
「え、あ?ひっ・・・!あぁ、あ!だめ、ジェオ、イッちゃ・・・!」
突然の刺激にイーグルの意識が逸れた瞬間、ジェオは己の先端をぐぷりとイーグルの中へ押し込んだ。
「――――――ッ・・・?!」
太く熱いそれに[[rb:快 > い]]いところを掠められ、あまりの快感にイーグルの視界が白く弾ける。声も出せずに強く背中を仰け反らせると、ジェオの腹に熱い白濁を放った。
「っく・・・!」
同時に中を断続的にきつく締め付けられたジェオは、理性ごと持っていかれそうになるのを歯を食い縛ってどうにか堪える。
びくびくと身体を痙攣させ、吐精の余韻に荒く息をついているイーグルを大丈夫かと覗き込めば、蜂蜜を溶いたように潤んだ瞳がぼんやりとジェオを捉えた。
「イーグル」
「―――あ・・・」
心配そうに自分を見下ろしているジェオの声に、一瞬飛んでいた思考が戻ってくる。自分だけ、しかも挿れられただけで達してしまったことが申し訳なく、イーグルは珍しく狼狽えた表情を見せた。
「イーグル?」
「す、すみません、ジェオ。僕だけ・・・・・・」
もしも犬だったら気の毒なほどに耳と尻尾が垂れていただろう。心底申し訳なさそうに謝るイーグルを見下ろしながらジェオは思った。そうとでも思わなければ、理性も下半身も爆発しそうだったからだ。
しかし理性はともかく、羞恥で顔を赤く染めるなど滅多にない恋人のこんな姿を目の前にして、生理的な反応を制御できるほど鋼の精神は持ち合わせていない。
「あっ、え?」
半分埋め込まれたままだったジェオ自身が質量と硬度を増して、イーグルはびくんと身を跳ねさせる。どうして?とでも言いたげな色を浮かべて見上げてくる金の双眸に、今度はジェオが謝る番だった。
「悪い。けど、頼むからこれ以上煽ってくれるな」
よく見ればジェオの額には珠のような汗が浮かんでいる。何かを堪えるような短い呼吸と、己の内側で脈打つ彼の熱に、イーグルはかあっと頬が熱くなるのを感じた。その反応にまたジェオのものが大きくなる。
「っ、イーグル」
「あ、す、すみません」
もはや何に対する謝罪なのか、イーグルにも解らない。ただ、堪えるように呻いた男の汗も呼吸も、間違いなく自分の為であることは解る。
それが、たまらなく愛おしかった。
「・・・ジェオ」
まだ頬には朱が差したまま、しかし情事には不似合いなほど真っ直ぐな瞳に微笑みを湛えて、イーグルはジェオに腕を伸ばす。
「・・・続きを」
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