廃用身 感想 き・っ・て・み・た・い
公開 2026/05/21 08:36
最終更新
2026/05/21 08:36
廃用身観てきました。原作未読なのですが面白かった〜!

この単語自体初めて知ったのだけれど、やはり廃の漢字の印象強すぎる。最初造語かと思った。
*****
デイケア施設「異人坂クリニック」では院長・漆原の主導で「Aケア」と呼ばれる処置を執り行っている。
それは介護の負担を減らす目的で、廃用身と呼ばれる回復の見込みが無い手足を切断する手術であった。
*****
まずなにより良いのが公式サイト( https://haiyoshin.com/ )の下部からこの作中の異人坂クリニックのサイトに飛べることです。
洋画とかでたまにある、作中施設のプロモーション嘘公式サイト好きだからもっと色んな作品で作ってほしい。
リブート版チャイルド・プレイのカスラン社コーポレートサイトとか、英語版だけどミッドサマーのホルガ村紹介サイトとか好きでした。
今回の「異人坂クリニック」公式サイトも非常にそれっぽい作りで好感が持てます。クリニックのホームページといえばこの横スクロール診療時間ですからね。
*****
物語前半は結構静かに丁寧に進むのだけれど、不思議と飽きない作りで引き込まれる。染谷氏演じる院長漆原のキャラクターが本当に読めない。
確実に「貼り付けた笑顔」の表情をなされている反面、患者さんへの対応は本当に真摯さを感じます。いわゆるサイコパスキャラとは言い切れない得体の知れなさがありました。
画面の作り方もやや遠景からの撮り方が多く、(漆原をはじめとした)人物そのものというよりは、情景そのものや舞台の空気感を撮ったカットが印象的で、箱庭を覗いているような感覚がずっとありました。
漆原のキャラクターの話に戻るのですが、あくまで彼は対話によって患者さんやご家族、他の職員の同意を取っている(ように見える)のですよね。
Aケア第一例の岩上さんは介護疲れ状態の家族から酷い虐待を受けていて(結構このシーン辛かった……)、クリニック側もその証拠を掴んでいたから、てっきりそれを交渉材料にするもんだと思ってたんですよ。
でもしなかった。介護の負担軽減になるという点のみで提案をして、切断手術の承諾を得ていた。
スクリーン越しに観ていて「確実にこの道は破滅に繋がっているのだろう」と頭では解るのに、「でもこの人そこまで悪い人間では無いのでは?」と心のなかで思ってしまう。はい、騙されやすいです。
手術シーンは良い!
グロテスクさは最低限ながらもきちんと不快感は煽ってきますし、作中で掛けたCDがそのまま映画のBGMにシフトしていく演出はお洒落でした。この曲は存じ上げないのですが、チェンバロがメインの楽曲だという点もポイント高いです。
本作を観て個人的に一番恐ろしいと感じたのは、「権力勾配がある二者間で同意を得る際の責任の所在」です。
ここには二重の危うさがあり、まず権力が弱い側(作中では患者さんやその家族、クリニックの職員)にとっては知識不足や場の空気感により反論や疑問の投げかけが出来にくいという問題があります。
そして権力がある側(漆原側)にとっては言葉や文書で同意を得たとしても相手にとって不都合な結果となってしまった場合に「私は選ばされた」と、簡単に覆されてしまう可能性があります。
そのためのインフォームドコンセントだと思いますが(私は医療従事者ではないので全くの素人目だけど)、作中のやりとりで十分にそれがなされているかと考えると……なされていないんでないかなぁ……。
セカンドオピニオンなども大事なんだな〜って思う反面、作中の患者さんやご家族にそこまで考えられるほどの余裕が無かったのは明らかなので、辛い。
「介護負担の軽減」が目的であった筈のAケアですが、受けた患者さんに思いもよらない効果が見られた為、切断手術を受けたがる高齢者が後を立たなくなります。地獄か?
漆原はその効果について仮説を立てるもそれが本当に切断手術によるものなのかは深く追究しません(恐らく症例や手術例を集めることが第一)。患者・家族側はその効果が自分たちにも現れると信じて疑わずに手術を望みます。
この溝が怖いよ〜〜〜!観ていて気持ち悪くなります(作品としては!凄く!!良い!!!)。
そしてある出来事を皮切りに箱庭は崩壊していき、漆原の真意もだんだんと明らかになっていく。
いや、明らかにはなっていくのだけれど、それでも自分は彼の人物像が理解しきれなかった。
漆原の「ご老人観」からするに、「個」よりも、「全体」の合理性を見る人間なのだとは思うけど、でもそういう人間って割といませんか?
それと報道された彼の幼少期のエピソードが、表面上は一連の事件と似ているけど、本質的には異なっているように感じて……。原作読もう〜!
追記でもう少しネタバレ(の可能性)ありの感想とか、本編以外のことでちょっと思ったことについて記載しています。
でも基本的に凄く好きな作品でした!
https://writening.net/page?TCA7ki

この単語自体初めて知ったのだけれど、やはり廃の漢字の印象強すぎる。最初造語かと思った。
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デイケア施設「異人坂クリニック」では院長・漆原の主導で「Aケア」と呼ばれる処置を執り行っている。
それは介護の負担を減らす目的で、廃用身と呼ばれる回復の見込みが無い手足を切断する手術であった。
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まずなにより良いのが公式サイト( https://haiyoshin.com/ )の下部からこの作中の異人坂クリニックのサイトに飛べることです。
洋画とかでたまにある、作中施設のプロモーション嘘公式サイト好きだからもっと色んな作品で作ってほしい。
リブート版チャイルド・プレイのカスラン社コーポレートサイトとか、英語版だけどミッドサマーのホルガ村紹介サイトとか好きでした。
今回の「異人坂クリニック」公式サイトも非常にそれっぽい作りで好感が持てます。クリニックのホームページといえばこの横スクロール診療時間ですからね。
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物語前半は結構静かに丁寧に進むのだけれど、不思議と飽きない作りで引き込まれる。染谷氏演じる院長漆原のキャラクターが本当に読めない。
確実に「貼り付けた笑顔」の表情をなされている反面、患者さんへの対応は本当に真摯さを感じます。いわゆるサイコパスキャラとは言い切れない得体の知れなさがありました。
画面の作り方もやや遠景からの撮り方が多く、(漆原をはじめとした)人物そのものというよりは、情景そのものや舞台の空気感を撮ったカットが印象的で、箱庭を覗いているような感覚がずっとありました。
漆原のキャラクターの話に戻るのですが、あくまで彼は対話によって患者さんやご家族、他の職員の同意を取っている(ように見える)のですよね。
Aケア第一例の岩上さんは介護疲れ状態の家族から酷い虐待を受けていて(結構このシーン辛かった……)、クリニック側もその証拠を掴んでいたから、てっきりそれを交渉材料にするもんだと思ってたんですよ。
でもしなかった。介護の負担軽減になるという点のみで提案をして、切断手術の承諾を得ていた。
スクリーン越しに観ていて「確実にこの道は破滅に繋がっているのだろう」と頭では解るのに、「でもこの人そこまで悪い人間では無いのでは?」と心のなかで思ってしまう。はい、騙されやすいです。
手術シーンは良い!
グロテスクさは最低限ながらもきちんと不快感は煽ってきますし、作中で掛けたCDがそのまま映画のBGMにシフトしていく演出はお洒落でした。この曲は存じ上げないのですが、チェンバロがメインの楽曲だという点もポイント高いです。
本作を観て個人的に一番恐ろしいと感じたのは、「権力勾配がある二者間で同意を得る際の責任の所在」です。
ここには二重の危うさがあり、まず権力が弱い側(作中では患者さんやその家族、クリニックの職員)にとっては知識不足や場の空気感により反論や疑問の投げかけが出来にくいという問題があります。
そして権力がある側(漆原側)にとっては言葉や文書で同意を得たとしても相手にとって不都合な結果となってしまった場合に「私は選ばされた」と、簡単に覆されてしまう可能性があります。
そのためのインフォームドコンセントだと思いますが(私は医療従事者ではないので全くの素人目だけど)、作中のやりとりで十分にそれがなされているかと考えると……なされていないんでないかなぁ……。
セカンドオピニオンなども大事なんだな〜って思う反面、作中の患者さんやご家族にそこまで考えられるほどの余裕が無かったのは明らかなので、辛い。
「介護負担の軽減」が目的であった筈のAケアですが、受けた患者さんに思いもよらない効果が見られた為、切断手術を受けたがる高齢者が後を立たなくなります。地獄か?
漆原はその効果について仮説を立てるもそれが本当に切断手術によるものなのかは深く追究しません(恐らく症例や手術例を集めることが第一)。患者・家族側はその効果が自分たちにも現れると信じて疑わずに手術を望みます。
この溝が怖いよ〜〜〜!観ていて気持ち悪くなります(作品としては!凄く!!良い!!!)。
そしてある出来事を皮切りに箱庭は崩壊していき、漆原の真意もだんだんと明らかになっていく。
いや、明らかにはなっていくのだけれど、それでも自分は彼の人物像が理解しきれなかった。
漆原の「ご老人観」からするに、「個」よりも、「全体」の合理性を見る人間なのだとは思うけど、でもそういう人間って割といませんか?
それと報道された彼の幼少期のエピソードが、表面上は一連の事件と似ているけど、本質的には異なっているように感じて……。原作読もう〜!
追記でもう少しネタバレ(の可能性)ありの感想とか、本編以外のことでちょっと思ったことについて記載しています。
でも基本的に凄く好きな作品でした!
https://writening.net/page?TCA7ki
怖い話、特にホラー寄りの映画が好きです。
映画をよく観るようになったのがここ数年からなので、古い有名なものとかあまり観られていなかったりします。
映画をよく観るようになったのがここ数年からなので、古い有名なものとかあまり観られていなかったりします。
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