自作小説。へたくそさんと担当No.22【そう考えると意識してしまう】
公開 2024/07/22 10:35
最終更新
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瑠奈編集長、改め瑠奈と付き合うことになるのは必然だったのか、周りからも祝福されている。むしろ、「さっさと付き合えよ馬鹿」と玻璃に言われる始末。玻璃って時々、口悪いよな。
で、それ自体は良いのだが、今まで意識せずに仲良くなったせいか、今更ながら意識しだしてしまう。具体的に言うと、返信の内容に気を使ってしまう。今までは素直に返していたのだが、変な意味で取られないか?とか、ちゃんとわかってくれるのか?とか思うようになった。
それは瑠奈も同じで、今までは気軽にデートなどと言っていたが、少し言葉に詰まるようになった。今までは軽い友人付き合いだったデートも、もはやちゃんとしたデートになる。そのことは僕も理解する。
「で、こうしてお家デートするわけだけど?」
僕は今、瑠奈の家にいる。瑠奈は高校生小説家。すでにデビューしていることもあり、一人暮らしをしてる。そこにお呼ばれされたわけだ。
発起人はヒビキ。僕たちのギクシャク具合をニヤニヤして見ていたヒビキだったが、文芸部の雰囲気の変化が嫌だったらしい。ギクシャクしている人を見るのは楽しいが、ちょっと心配なんだとか。で、前みたいにわいわいできるように、荒療法を提案してきた。
「ねぇ、こういうのってもっと時間を掛けるものじゃないの?」
「それはヒビキに言ってください。しかし、文芸部の雰囲気に不安を持つとはね・・・。」
二人して黙るというのも何なので、とりあえず瑠奈はお茶を出した。お茶で出されたクッキーは瑠奈の手作りらしい。
「とりあえず、ギクシャクをなんとかするために、関係を進めますか。」
「関係?関係・・・。」
こういう時、いつものできる女にはならないのが瑠奈。一般的な恋愛をしていないため、また、なんとなく雰囲気が良くなるだけの男女の恋愛しか経験していないため、恋愛を通しての関係改善を知らない。それは僕も同じで、生まれてこの方、女性と良好な関係を持ったのは高校生になってから、つまり文芸部に入ってからなのだ。
「でもキスとかは違うよね?まだそこまでの関係じゃないし。」
「そうですね。それはもう少し関係が進んでからにしますか。」
こういうのがじれったいというのだろう。しかし、一気に関係を進めると、冷めるのも早くなってしまう。焚火は薪を一気に入れると激しく燃えるが、消えるのも早いのだ。どんな恋愛でも。
「そもそもな話、瑠奈は僕のこと好きですか?」
「・・・・・好きです!」
瑠奈は顔を真っ赤にし、真面目な顔で言った。彼女の好きという気持ちに嘘はない。
「僕は正直わからないところがあります。確かに瑠奈のことは好きですし、瑠奈と付き合いたいとも思う。結婚すれば幸せな家庭が築けると思います。しかし、ちゃんとした好きなのかがまだわかりません。」
「・・・・・へたくそさん。」
「へたくそですね・・・。」
お互い好きという気持ちはある。しかし、何かこう、気おくれというか、後ろめたいというか、何かひっかかりがある。ここを突破しないことには、これ以上の関係にはなれない。
「・・・・・・そういえば手とかつないだことないね。」
「・・・確かにそうですね。」
「腕も組んだことない。」
「・・・・・・・。」
ここで欲望を爆発させても、瑠奈を傷つけるだけ。こんな美少女に男子高校生が興奮しないわけないが、僕自身が瑠奈を傷つけたくない。
ふぅ・・・・。とため息をつく。瑠奈は僕のことを好きだし、いつかは愛していると言ってくれるだろう。ここですべきことは触れる触れないの話ではない。
「そういえばまともに告白していませんでしたね。これからの関係のことも考えて、しっかりと伝えないといけないですね。」
「茶化すのは無しね。」
「しませんよ。」
そう言って、僕は立ち上がり、瑠奈の隣に座る。
しかし、告白ってどうやるんだ?言葉が出てこないぞ?とりあえず、知っている言葉でいいか。
「健やかなる時も、病める時も、僕は瑠奈と共に歩むことを誓います。」
「こうちゃん!それ、結婚式!」
「よし!それなら誓いのキスもします!」
「それはまだ!!!」
お互い顔を真っ赤にする。少し間を空けた後、二人して笑った。
「こうちゃん!気持ちはもらったわ!これから一緒にね。」
「えぇ、色々覚えていきましょうか。」
後日、文芸部では初々しい二人を見ることになる。しかし、まだ多少ギクシャクしているが、前よりは丸くなっている。
で、それ自体は良いのだが、今まで意識せずに仲良くなったせいか、今更ながら意識しだしてしまう。具体的に言うと、返信の内容に気を使ってしまう。今までは素直に返していたのだが、変な意味で取られないか?とか、ちゃんとわかってくれるのか?とか思うようになった。
それは瑠奈も同じで、今までは気軽にデートなどと言っていたが、少し言葉に詰まるようになった。今までは軽い友人付き合いだったデートも、もはやちゃんとしたデートになる。そのことは僕も理解する。
「で、こうしてお家デートするわけだけど?」
僕は今、瑠奈の家にいる。瑠奈は高校生小説家。すでにデビューしていることもあり、一人暮らしをしてる。そこにお呼ばれされたわけだ。
発起人はヒビキ。僕たちのギクシャク具合をニヤニヤして見ていたヒビキだったが、文芸部の雰囲気の変化が嫌だったらしい。ギクシャクしている人を見るのは楽しいが、ちょっと心配なんだとか。で、前みたいにわいわいできるように、荒療法を提案してきた。
「ねぇ、こういうのってもっと時間を掛けるものじゃないの?」
「それはヒビキに言ってください。しかし、文芸部の雰囲気に不安を持つとはね・・・。」
二人して黙るというのも何なので、とりあえず瑠奈はお茶を出した。お茶で出されたクッキーは瑠奈の手作りらしい。
「とりあえず、ギクシャクをなんとかするために、関係を進めますか。」
「関係?関係・・・。」
こういう時、いつものできる女にはならないのが瑠奈。一般的な恋愛をしていないため、また、なんとなく雰囲気が良くなるだけの男女の恋愛しか経験していないため、恋愛を通しての関係改善を知らない。それは僕も同じで、生まれてこの方、女性と良好な関係を持ったのは高校生になってから、つまり文芸部に入ってからなのだ。
「でもキスとかは違うよね?まだそこまでの関係じゃないし。」
「そうですね。それはもう少し関係が進んでからにしますか。」
こういうのがじれったいというのだろう。しかし、一気に関係を進めると、冷めるのも早くなってしまう。焚火は薪を一気に入れると激しく燃えるが、消えるのも早いのだ。どんな恋愛でも。
「そもそもな話、瑠奈は僕のこと好きですか?」
「・・・・・好きです!」
瑠奈は顔を真っ赤にし、真面目な顔で言った。彼女の好きという気持ちに嘘はない。
「僕は正直わからないところがあります。確かに瑠奈のことは好きですし、瑠奈と付き合いたいとも思う。結婚すれば幸せな家庭が築けると思います。しかし、ちゃんとした好きなのかがまだわかりません。」
「・・・・・へたくそさん。」
「へたくそですね・・・。」
お互い好きという気持ちはある。しかし、何かこう、気おくれというか、後ろめたいというか、何かひっかかりがある。ここを突破しないことには、これ以上の関係にはなれない。
「・・・・・・そういえば手とかつないだことないね。」
「・・・確かにそうですね。」
「腕も組んだことない。」
「・・・・・・・。」
ここで欲望を爆発させても、瑠奈を傷つけるだけ。こんな美少女に男子高校生が興奮しないわけないが、僕自身が瑠奈を傷つけたくない。
ふぅ・・・・。とため息をつく。瑠奈は僕のことを好きだし、いつかは愛していると言ってくれるだろう。ここですべきことは触れる触れないの話ではない。
「そういえばまともに告白していませんでしたね。これからの関係のことも考えて、しっかりと伝えないといけないですね。」
「茶化すのは無しね。」
「しませんよ。」
そう言って、僕は立ち上がり、瑠奈の隣に座る。
しかし、告白ってどうやるんだ?言葉が出てこないぞ?とりあえず、知っている言葉でいいか。
「健やかなる時も、病める時も、僕は瑠奈と共に歩むことを誓います。」
「こうちゃん!それ、結婚式!」
「よし!それなら誓いのキスもします!」
「それはまだ!!!」
お互い顔を真っ赤にする。少し間を空けた後、二人して笑った。
「こうちゃん!気持ちはもらったわ!これから一緒にね。」
「えぇ、色々覚えていきましょうか。」
後日、文芸部では初々しい二人を見ることになる。しかし、まだ多少ギクシャクしているが、前よりは丸くなっている。
すべての始まり、正米は3DCGのRPGツクールという20年以上前のゲームから生まれた。突っ込んだ話、現在の中の人。「一生ゲームをするという覚悟」のもと、「ゲームに命をかけている」ゲーマー。「ゲームに殉せず、ゲームとともにある」。
数多くのキャラクターを生み出している神霊で、このブログはゆのニートカンパ…
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