自作小説。ステラによろしくNo.5【寂しくないゴールデンウィーク】
公開 2025/01/23 01:38
最終更新
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ゴールデンウィーク。普通の高校生なら友達と遊びに行ったり、社会人ならいとこが来たりする時期。しかし、私にはいとこもいないし、そういう親戚もいない。つまり、独りぼっち。
親はいるけどあまり関わらない。元々、私は引き籠り体質。最低限の会話しかしていない。寂しい思春期を過ごしたということもあり、何もないゴールデンウィークになるだろう。
「ということで、やってきました。」
しかし、今年からは違う。高校生になって部活に入った。同人ゲーム制作サークル、サークル:ステラ。親はいまいち同人ゲームというのがわからなかった。そりゃぁ、ゲームなんてやったことがない人たちなので、同人ゲームなんて知っているはずがない。
そのことをハルミに言ったら、プレゼンするために私の家に来た。
ハルミはきちんとした挨拶を両親にし、同人ゲーム、もといゲーム制作がどういうのかをプレゼンした。後で聞いた話だとハルミも引き籠りだという。ある時、同人ゲームを作っている部活があることを知ったハルミは必死に調べ、両親を説得し、常盤森高校に入学したという。その際にプレゼンの仕方を独学で勉強し、高校に入ってからも何度も練習していたという。
「よくわからなかったけど・・・アカネちゃんにも友達ができたってこと?」
「今はそう思っていて構いませんし、無駄に過ごすことはないということを保証します。」
わかりやすい説明だったけど、やっぱり両親はそこまで理解していないらしい。そこらへん、ハルミもわかっているらしく、メインで説明していたのは「アカネが部活に入ったこと」、「部活は大変だけど有意義な時間になる」ということだった。
「ということで、これからすぐにアカネさんを借ります。むしろ、ゴールデンウィーク中はお借りします!」
「あらあら、いいわよー。ね、お父さん?」
「うむ。私もわからなかったが、なんだかすごいことをしていることはわかった。アカネ、しっかりと遊ぶんだぞ?」
両親は快く送ってくれた。
「そういえば、なんで家に来たんですか?」
「ゲームを理解していない人の中にはゲームに関わること自体を嫌う人がいるのです。なので、説得のために来ました。」
学校に向かう道中。私はハルミに聞いた。
ゲームというと娯楽であり、事実、娯楽であると言える。それ故、昔はギャンブルと同一視され、ゲームに関わる、遊ぶだけで後ろ指を指されていた時代があった。現在はそういうことはなくなったが、それでも一般的には娯楽であり、それをすることはおかしいという人も一定数いる。事実、ゲームのすべてを禁止する家庭もまだまだある。
そういう家庭に対してのブレイクスルーとしてプレゼン能力を獲得しているとハルミは言った。実際にゲーム制作を通して将来に役立つことや、チームを組んでの作業はしっかりと役に立つことをプレゼンするらしい。
今回は杞憂に終わったけど。
「ちなみにこの資料は卒業生が作ったものをアレンジしたものです。いつかアカネちゃんにも渡します。」
「左様ですか。」
「左様です。」
今後、戦力となるために部室で一通りの作業内容を教えてもらう。
ゲームプログラマー。ゲームの根底であるプログラムを作る人。このプログラムが無ければゲーム自体ができない。
言語という文字列の群があり、その中にある文字列を組み合わせて一つのプログラムを作る。プログラムを作る人をプログラマーと言い、プログラムを作る作業をプログラミングと言う。ちなみにゲームプログラミングはプログラミングの中で一番難しいプログラミングだそうだ。
イラストレーター。主に絵を描く仕事。グラフィッカーと混合されるが、イラストとグラフィックという違いだけで、このサークルでは同じ仕事をする。
常盤森高校支部では3Dはあまりやらない。その代わり、アニメーションパターンやマップチップ、背景、モンスター画像などが主な仕事になる。モデル一つ作れば良い3Dとは違い、かなりのパターンを作らないといけないのが大変なところ。
サウンドクリエイター。音楽に関する仕事。現在では作曲家、編曲家なんて呼ばれたりする。SEと呼ばれる効果音を作ったり、BGMと呼ばれる作中の音楽を作る。音楽はゲームに置いて重要なもので、迫力や臨場感を演出するのに必要。
正直、かなりセンスがいる専門職で、高校生で作曲や編曲が出来る人はほとんどいない。普段は個人の作曲家に依頼して作ってもらったり、OB、OGがやってくれたりする。
ゲームデザイナー。ゲームのデザイン部分を担当する。デザインと聞くとイラストを思い浮かべるが、これは間違ったイメージである。イラストはイラストレーターの仕事だからだ。
デザインのことを話すと長くなるが、このゲームがどういうゲームであるかとか、どういう仕様があるのかを考えるのがゲームデザイナーの役割。誰でもできるのは確かだが、結構センスがいる。とくにアナログゲームになるとデザイナーのセンスによって面白いかどうかがきまる。今回はデジタルだけど。
シナリオライター。そのゲームにどういうお話があるか考える人。
ゲームにはシナリオ、つまりストーリーがある。たまにストーリーのないゲームもある。シナリオライターはゲームの設定や世界観を作るのが仕事。
壮大な設定は誰でも作れるが、ゲームに落とし込めるのは一握り。誰でもできる反面、かなりセンスが問われる仕事。
プロデューサー。ゲーム制作の総括を行うトップ。時間、資源、人員などを管理し、ゲームを滞り無く制作するために奔走するのが仕事。また、全体的なゲーム構想を作るのも仕事。まずはこの人からゲームの構想が始まる。
ぶっちゃけ、管理職みたいなもの。気苦労が絶えない。
「多い!!!」
改めてみると色んな人が関わってゲームが出来ている。同人ゲームであってもこれだけの作業があり、とてもじゃないけど一人で出来るものではない。
「時々、天才がいるんだけどね。ZUNさんとか、全部一人でやってるし。」
ハルヒが言った。知ってる。東方プロジェクトの神主。
「まぁ、兼業もできるし、一人で無理なら複数人でできるから、そこまで気を遣わなくていいんだけどねぇ。」
改めて、結構大変な部活を選んでしまったようだ。その中でどこかに所属することになるんだろう。自分ができることはなんだろうか?と自問自答する。
とはいえ、今年からは寂しくない日々が続くということは、すでにわかっていた。
親はいるけどあまり関わらない。元々、私は引き籠り体質。最低限の会話しかしていない。寂しい思春期を過ごしたということもあり、何もないゴールデンウィークになるだろう。
「ということで、やってきました。」
しかし、今年からは違う。高校生になって部活に入った。同人ゲーム制作サークル、サークル:ステラ。親はいまいち同人ゲームというのがわからなかった。そりゃぁ、ゲームなんてやったことがない人たちなので、同人ゲームなんて知っているはずがない。
そのことをハルミに言ったら、プレゼンするために私の家に来た。
ハルミはきちんとした挨拶を両親にし、同人ゲーム、もといゲーム制作がどういうのかをプレゼンした。後で聞いた話だとハルミも引き籠りだという。ある時、同人ゲームを作っている部活があることを知ったハルミは必死に調べ、両親を説得し、常盤森高校に入学したという。その際にプレゼンの仕方を独学で勉強し、高校に入ってからも何度も練習していたという。
「よくわからなかったけど・・・アカネちゃんにも友達ができたってこと?」
「今はそう思っていて構いませんし、無駄に過ごすことはないということを保証します。」
わかりやすい説明だったけど、やっぱり両親はそこまで理解していないらしい。そこらへん、ハルミもわかっているらしく、メインで説明していたのは「アカネが部活に入ったこと」、「部活は大変だけど有意義な時間になる」ということだった。
「ということで、これからすぐにアカネさんを借ります。むしろ、ゴールデンウィーク中はお借りします!」
「あらあら、いいわよー。ね、お父さん?」
「うむ。私もわからなかったが、なんだかすごいことをしていることはわかった。アカネ、しっかりと遊ぶんだぞ?」
両親は快く送ってくれた。
「そういえば、なんで家に来たんですか?」
「ゲームを理解していない人の中にはゲームに関わること自体を嫌う人がいるのです。なので、説得のために来ました。」
学校に向かう道中。私はハルミに聞いた。
ゲームというと娯楽であり、事実、娯楽であると言える。それ故、昔はギャンブルと同一視され、ゲームに関わる、遊ぶだけで後ろ指を指されていた時代があった。現在はそういうことはなくなったが、それでも一般的には娯楽であり、それをすることはおかしいという人も一定数いる。事実、ゲームのすべてを禁止する家庭もまだまだある。
そういう家庭に対してのブレイクスルーとしてプレゼン能力を獲得しているとハルミは言った。実際にゲーム制作を通して将来に役立つことや、チームを組んでの作業はしっかりと役に立つことをプレゼンするらしい。
今回は杞憂に終わったけど。
「ちなみにこの資料は卒業生が作ったものをアレンジしたものです。いつかアカネちゃんにも渡します。」
「左様ですか。」
「左様です。」
今後、戦力となるために部室で一通りの作業内容を教えてもらう。
ゲームプログラマー。ゲームの根底であるプログラムを作る人。このプログラムが無ければゲーム自体ができない。
言語という文字列の群があり、その中にある文字列を組み合わせて一つのプログラムを作る。プログラムを作る人をプログラマーと言い、プログラムを作る作業をプログラミングと言う。ちなみにゲームプログラミングはプログラミングの中で一番難しいプログラミングだそうだ。
イラストレーター。主に絵を描く仕事。グラフィッカーと混合されるが、イラストとグラフィックという違いだけで、このサークルでは同じ仕事をする。
常盤森高校支部では3Dはあまりやらない。その代わり、アニメーションパターンやマップチップ、背景、モンスター画像などが主な仕事になる。モデル一つ作れば良い3Dとは違い、かなりのパターンを作らないといけないのが大変なところ。
サウンドクリエイター。音楽に関する仕事。現在では作曲家、編曲家なんて呼ばれたりする。SEと呼ばれる効果音を作ったり、BGMと呼ばれる作中の音楽を作る。音楽はゲームに置いて重要なもので、迫力や臨場感を演出するのに必要。
正直、かなりセンスがいる専門職で、高校生で作曲や編曲が出来る人はほとんどいない。普段は個人の作曲家に依頼して作ってもらったり、OB、OGがやってくれたりする。
ゲームデザイナー。ゲームのデザイン部分を担当する。デザインと聞くとイラストを思い浮かべるが、これは間違ったイメージである。イラストはイラストレーターの仕事だからだ。
デザインのことを話すと長くなるが、このゲームがどういうゲームであるかとか、どういう仕様があるのかを考えるのがゲームデザイナーの役割。誰でもできるのは確かだが、結構センスがいる。とくにアナログゲームになるとデザイナーのセンスによって面白いかどうかがきまる。今回はデジタルだけど。
シナリオライター。そのゲームにどういうお話があるか考える人。
ゲームにはシナリオ、つまりストーリーがある。たまにストーリーのないゲームもある。シナリオライターはゲームの設定や世界観を作るのが仕事。
壮大な設定は誰でも作れるが、ゲームに落とし込めるのは一握り。誰でもできる反面、かなりセンスが問われる仕事。
プロデューサー。ゲーム制作の総括を行うトップ。時間、資源、人員などを管理し、ゲームを滞り無く制作するために奔走するのが仕事。また、全体的なゲーム構想を作るのも仕事。まずはこの人からゲームの構想が始まる。
ぶっちゃけ、管理職みたいなもの。気苦労が絶えない。
「多い!!!」
改めてみると色んな人が関わってゲームが出来ている。同人ゲームであってもこれだけの作業があり、とてもじゃないけど一人で出来るものではない。
「時々、天才がいるんだけどね。ZUNさんとか、全部一人でやってるし。」
ハルヒが言った。知ってる。東方プロジェクトの神主。
「まぁ、兼業もできるし、一人で無理なら複数人でできるから、そこまで気を遣わなくていいんだけどねぇ。」
改めて、結構大変な部活を選んでしまったようだ。その中でどこかに所属することになるんだろう。自分ができることはなんだろうか?と自問自答する。
とはいえ、今年からは寂しくない日々が続くということは、すでにわかっていた。
すべての始まり、正米は3DCGのRPGツクールという20年以上前のゲームから生まれた。突っ込んだ話、現在の中の人。「一生ゲームをするという覚悟」のもと、「ゲームに命をかけている」ゲーマー。「ゲームに殉せず、ゲームとともにある」。
数多くのキャラクターを生み出している神霊で、このブログはゆのニートカンパ…
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