自作小説。ステラによろしくNo.1【入学、部活勧誘】
公開 2025/01/13 21:58
最終更新
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4月、高校入学。陽春の中で行われる入学式も終え、ホームルームに向かう。新しい制服に身を包んだ男女が廊下を歩いている。何人かは成長するからと少し大きい制服を着ている。
私の中学校時代、あまり良い思い出はない。友達はいたけど長くても半年でいなくなる。保健室に通った時期もあった。でも、すぐにそこを離れることになった。コミュ障、というわけではないんだけど、中学校3年間で友達が残ることはなかった。
小学校は友達が居た。でも、中学校でバラバラになり、そこから疎遠になった。最初は集団登校していたが、いつしか個別登校になっていた。
だからこそ、誰もいない私立の高校を選んだ。
県外の常盤森高校。校内に寮があるのと、一人一台パソコンがもらえる事以外は特色がない。一応、野球部や吹奏楽が強いらしいけど、入部しないから関係がない。どこの部活も全国大会を目指す。そのキラキラした目標は好きじゃない。
4月も中旬を迎え、部活勧誘の時期が来た。この高校、昔は部活に入部することを強制していたが、時代も変わった。入部は希望者だけとなっている。
正直に言えば、何かキラキラした高校生活をしたい。青春?みたいな感じ。何かに打ち込んで、誰かと恋して、なんやかんやあって・・・。そんな楽しい学生生活を送りたい。
とはいえ、普通の部活にはついていけない。中学校は帰宅部だった私は、運動をしたこともなければ、音楽や美術をしたこともない。茶道なんてのもわかんないし、軽音なんてのもわかんない。
活気のある部活勧誘の中を歩き回る。きらら作品のように特殊な部活があれば良いんだけど、そんなもの、西日本にあるとは思えない。
・・・・・・あった。
明らかに異質のブース。死んだような顔をして机に突っ伏している人がいる。まるでブラック企業を見ているかのように周りの人たちが避けている。
部活名は・・・「サークル:ステラ」?サークルって大学にあるサークルのこと?え?高校でサークル?
「キリト・・・みんな避けてるじゃない・・・。」
「お前なぁ・・・こっちは徹夜でデバッグしていたんだぞ?しかも、バグ直ってないし・・・。」
なーんかお疲れみたい。でも、何のサークルだろう?
「どうしたの?うちのサークルが気になる?」
ふと、声を掛けられた。振り返ると、とんでもなくイケメンな女の子がいた。スポーツをするような短髪にジャージ姿。マネージャーよりかスポーツしていますよね?っていうイケメンな女の子がいた。
「まぁ、気にしないでっていうほうが無理だよね。キリト。お客さん困ってるよー。」
腕には人数分のスポーツドリンクを持ち、サークル:ステラのブースに向かう女の子。
なんとなく、その場を去るのもあれなので、ついていってどんなサークルかを聞いてみることにした。
ブースには机に突っ伏しているキリトと呼ばれる人の他に、先ほどのイケメンな女の子、カチューシャを付けている女の子、なんかとんでもなく小さい女の子がいた。
「ようこそ、「死んだ魚の目、日照不足、シャトルラン部」、通称、SNS部へ。」
とんでもなく小さい女の子が目の前にやってきて部活名を言った。それ、ステラのまほうの同人ゲームサークルの名前。
「支部長、違うでしょ。」
「やってることは同じだから、おk。」
「ダメです。」
「にょろーん。」
支部長、歳いくつなんだろう?今の人がわからないネタを出してくる。私は知ってるけど。
サークル:ステラ。同人ゲーム制作サークル。大本のサークルは県外の専門学校にある。同人というのは個人製作、所謂インディーズのことで、企業に所属していないサークルのゲームは大体インディーズゲームとされる。
元々はサークル存続のためにサークルメンバーが後輩を使っていたるところに支部を建てた。このサークル:ステラは数年前に発足。その後、正式な部活として登録された。
「で、これが今回のために作ったゲーム。」
「バグが・・・バグがあああああああ!!!!」
「この人のことは気にしないでね。」
キリトと呼ばれた人の叫びを無視し、カチューシャを付けた女の子がパソコンを見せてくれる。
「って、ゲーミングノートPC!?」
家電量販店に売っているノートPCより一回り大きいノートPC。キーボード付近にはグラフィックボードのシールが張り付けてある。
ゲームができる程度の能力を持つゲーミングノートPC。家電量販店では手に入りにくい代物で、あってもなぜか普通のノートPCより安い。しかし、ゲームができるということは大体のことができるということ。
「へぇ・・・こういうの知っているんだ・・・。」
カチューシャをつけた女の子の目が変わる。あ、これ、逃げられないかもしれない。
とりあえず、ゲームを遊んでみる。コマンドを選択していく簡素なRPGのようだ。フィールドやダンジョンはなく、対戦するチームを選んで、ターン制の戦闘をしていく。
「ほら、キリト!ゲームの説明!」
「あぁ、スポーツドリンクうめぇ・・・。ん?あぁ、このゲームはウィザードリィをイメージしたRPGで、街の中の移動はクリックで行き先を決定するようにしている。本当はダンジョンを選択することで3Dのダンジョンに行けるようにしたかったが、技術的に大変だし、今回は時間がなかったから、戦闘する相手を選ぶようにした。音楽や効果音はフリーのものを使用している。モンスターイラストはそこのハルヒが担当。全体のデザインはイケメンな女の子、マコトが担当した。僕と支部長はプログラミングを担当したよ。」
キリトという人の説明を聞きつつゲームをやっていく。単純ながら、簡素なこのゲームは意外と面白い。スマホのゲームであるなら、迷わずインストールするだろう。
「僕達は同人でゲームを作っている。活動場所は主にイベント。あとはDLサイトのほうにUPするくらいかな?」
「ちなみにここをこうすると・・・・バグるよ。」
「支部長!バグがわかっているなら直してくださいよおおおおおお!」
ゲームがバグって止まる。キリトが叫ぶ。私は苦笑いをする。
「さて、体験はこのへんだね。もしよかったら入部してね。」
マコトの一言で今回はお開きになった。
後日、SNS部、間違えた。サークル:ステラに入部届を出した。みんな歓迎してくれた。一番喜んでくれたのがキリトだった。バグを見つけるには人海戦術が一番。人手は多い方が良いんだそうだ。でも、バグを直すの、あなたですよね?
今回、サークル:ステラに入ったのは、こんな面白そうな部活、入らないわけにはいかない。求めていた部活だから。
そして、私の高校生活が始まった。
私の中学校時代、あまり良い思い出はない。友達はいたけど長くても半年でいなくなる。保健室に通った時期もあった。でも、すぐにそこを離れることになった。コミュ障、というわけではないんだけど、中学校3年間で友達が残ることはなかった。
小学校は友達が居た。でも、中学校でバラバラになり、そこから疎遠になった。最初は集団登校していたが、いつしか個別登校になっていた。
だからこそ、誰もいない私立の高校を選んだ。
県外の常盤森高校。校内に寮があるのと、一人一台パソコンがもらえる事以外は特色がない。一応、野球部や吹奏楽が強いらしいけど、入部しないから関係がない。どこの部活も全国大会を目指す。そのキラキラした目標は好きじゃない。
4月も中旬を迎え、部活勧誘の時期が来た。この高校、昔は部活に入部することを強制していたが、時代も変わった。入部は希望者だけとなっている。
正直に言えば、何かキラキラした高校生活をしたい。青春?みたいな感じ。何かに打ち込んで、誰かと恋して、なんやかんやあって・・・。そんな楽しい学生生活を送りたい。
とはいえ、普通の部活にはついていけない。中学校は帰宅部だった私は、運動をしたこともなければ、音楽や美術をしたこともない。茶道なんてのもわかんないし、軽音なんてのもわかんない。
活気のある部活勧誘の中を歩き回る。きらら作品のように特殊な部活があれば良いんだけど、そんなもの、西日本にあるとは思えない。
・・・・・・あった。
明らかに異質のブース。死んだような顔をして机に突っ伏している人がいる。まるでブラック企業を見ているかのように周りの人たちが避けている。
部活名は・・・「サークル:ステラ」?サークルって大学にあるサークルのこと?え?高校でサークル?
「キリト・・・みんな避けてるじゃない・・・。」
「お前なぁ・・・こっちは徹夜でデバッグしていたんだぞ?しかも、バグ直ってないし・・・。」
なーんかお疲れみたい。でも、何のサークルだろう?
「どうしたの?うちのサークルが気になる?」
ふと、声を掛けられた。振り返ると、とんでもなくイケメンな女の子がいた。スポーツをするような短髪にジャージ姿。マネージャーよりかスポーツしていますよね?っていうイケメンな女の子がいた。
「まぁ、気にしないでっていうほうが無理だよね。キリト。お客さん困ってるよー。」
腕には人数分のスポーツドリンクを持ち、サークル:ステラのブースに向かう女の子。
なんとなく、その場を去るのもあれなので、ついていってどんなサークルかを聞いてみることにした。
ブースには机に突っ伏しているキリトと呼ばれる人の他に、先ほどのイケメンな女の子、カチューシャを付けている女の子、なんかとんでもなく小さい女の子がいた。
「ようこそ、「死んだ魚の目、日照不足、シャトルラン部」、通称、SNS部へ。」
とんでもなく小さい女の子が目の前にやってきて部活名を言った。それ、ステラのまほうの同人ゲームサークルの名前。
「支部長、違うでしょ。」
「やってることは同じだから、おk。」
「ダメです。」
「にょろーん。」
支部長、歳いくつなんだろう?今の人がわからないネタを出してくる。私は知ってるけど。
サークル:ステラ。同人ゲーム制作サークル。大本のサークルは県外の専門学校にある。同人というのは個人製作、所謂インディーズのことで、企業に所属していないサークルのゲームは大体インディーズゲームとされる。
元々はサークル存続のためにサークルメンバーが後輩を使っていたるところに支部を建てた。このサークル:ステラは数年前に発足。その後、正式な部活として登録された。
「で、これが今回のために作ったゲーム。」
「バグが・・・バグがあああああああ!!!!」
「この人のことは気にしないでね。」
キリトと呼ばれた人の叫びを無視し、カチューシャを付けた女の子がパソコンを見せてくれる。
「って、ゲーミングノートPC!?」
家電量販店に売っているノートPCより一回り大きいノートPC。キーボード付近にはグラフィックボードのシールが張り付けてある。
ゲームができる程度の能力を持つゲーミングノートPC。家電量販店では手に入りにくい代物で、あってもなぜか普通のノートPCより安い。しかし、ゲームができるということは大体のことができるということ。
「へぇ・・・こういうの知っているんだ・・・。」
カチューシャをつけた女の子の目が変わる。あ、これ、逃げられないかもしれない。
とりあえず、ゲームを遊んでみる。コマンドを選択していく簡素なRPGのようだ。フィールドやダンジョンはなく、対戦するチームを選んで、ターン制の戦闘をしていく。
「ほら、キリト!ゲームの説明!」
「あぁ、スポーツドリンクうめぇ・・・。ん?あぁ、このゲームはウィザードリィをイメージしたRPGで、街の中の移動はクリックで行き先を決定するようにしている。本当はダンジョンを選択することで3Dのダンジョンに行けるようにしたかったが、技術的に大変だし、今回は時間がなかったから、戦闘する相手を選ぶようにした。音楽や効果音はフリーのものを使用している。モンスターイラストはそこのハルヒが担当。全体のデザインはイケメンな女の子、マコトが担当した。僕と支部長はプログラミングを担当したよ。」
キリトという人の説明を聞きつつゲームをやっていく。単純ながら、簡素なこのゲームは意外と面白い。スマホのゲームであるなら、迷わずインストールするだろう。
「僕達は同人でゲームを作っている。活動場所は主にイベント。あとはDLサイトのほうにUPするくらいかな?」
「ちなみにここをこうすると・・・・バグるよ。」
「支部長!バグがわかっているなら直してくださいよおおおおおお!」
ゲームがバグって止まる。キリトが叫ぶ。私は苦笑いをする。
「さて、体験はこのへんだね。もしよかったら入部してね。」
マコトの一言で今回はお開きになった。
後日、SNS部、間違えた。サークル:ステラに入部届を出した。みんな歓迎してくれた。一番喜んでくれたのがキリトだった。バグを見つけるには人海戦術が一番。人手は多い方が良いんだそうだ。でも、バグを直すの、あなたですよね?
今回、サークル:ステラに入ったのは、こんな面白そうな部活、入らないわけにはいかない。求めていた部活だから。
そして、私の高校生活が始まった。
すべての始まり、正米は3DCGのRPGツクールという20年以上前のゲームから生まれた。突っ込んだ話、現在の中の人。「一生ゲームをするという覚悟」のもと、「ゲームに命をかけている」ゲーマー。「ゲームに殉せず、ゲームとともにある」。
数多くのキャラクターを生み出している神霊で、このブログはゆのニートカンパ…
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