※旧ツイッターからの転載。

《７巻》
2024年９月４日
コートに入ったスガさんさんが相手に合わせたタッチをして最後に笑うとこ、めちゃくちゃ好き。あの場面だけで烏野におけるスガさんの重要さが解る。スタメン出場じゃないのを「三年生なのに」って可哀想がるのは大変に失礼だぞ、ギャラリー。覚悟が違うんだからね。そのスガさんの活躍をじっ、と見てる影山の横顔がもう！　好きっ！ 　
武田先生は生徒のことをちゃんと見ていてくれる良い先生だ。トンデモ一年生が入部したこともそうだけど、２人の指導者が揃ったことも烏野が手にしたチャンスの一端なんだと思う。
スガさんを篤実と評する入畑監督の語彙力が素晴らしい。及川の「爽やか君」はあくまで氷山の一角でしかないんだよ。春高予選で嫌というほど思い知ることになるでしょうけども。
セット間にスガさんに走りよる影山。惜しみなく助言するスガさん。美しい関係だ。及川の「あの爽やか君は飛雄に何を教えた」には、「君が教えなかったことすべてを」と答えたい。スガさんだけじゃなく、縁下や月島の言葉も気づきを与えてるし、田中やノヤっさんが茶化したりフォローしたり、大地さんや東峰が見守っているその環境がまるごと影山の糧になっているんだよね。
上手い人、良いプレーをした選手はチームメイトでもメラっとくるけど、そこから学ぼうとする気持ちがある。これは日向も同じで「だけど、俺のほうが上手い！」と反発するんじゃなく、相手が自分より上だときちんと認めながら、おそらく自分自身に対して負けを認めるのを許さない気持ちが、成長を助けている。いいタイプの負けず嫌いだな。
ふだんあんまり笑わない人が意識的に笑顔作ろうとすると、怖くなっちゃったりするよねえ。かわいそかわいいったら。
先輩たちは影山が余計な一言言い屋さんだと思ってるけど、影山日向間では日向のほうが本当の意味での余計な一言を言ってると思う……。
それにしても、小二で始めてるのにハイタッチが覚束ない影山が不憫すぎる。回想シーンを見る限り中一まではトゲトゲしてないから普通にやっててもおかしくないのに。それとも、中三のときに全部忘れちゃったのかな。だとしたら、不憫なんて言葉じゃ足りないよ。
ただ。空気が読めていないのは認める。及川に疎まれているのを、多少は察してもよさそうなのにね。感情の機微ってものを解さないというか。でも、及川に教えてほしいってこと以外考えてなかったのかもしれない。だって、すげえ選手なんだもの。教わりたかったんだよね。ただ、空気は読め。影山、トゲトゲ前から浮いてたんだろうなあ。ちょっとね。ちょっとだけね。
「６人で強い方が強い」を影山がずっと覚えていたことを知ったら、岩泉はどう思うんだろう。岩泉みたいな子が影山の傍にもいたらねえ……。
しかし、何故及川は影山を名前呼びするんだ。そこについ先輩としての後輩への情を見てしまうけど、ちょっとしたマウンティングなのかも？　
相手チームのブロックばかり気にしていたのは、でも、そうしないと勝てないと思っていたからで、そう思っていたのはチームメイトを信頼できなかったからなのでは？　信頼しなかったからされなかったのか、信頼されなかったからしなかったのかは今更だけど。
この試合でチームメイトに意識を向けるようになったのは、もちろんスガさんさんたちとのやりとりがきっかけだけど、前提として相互に信頼があるからだと思う。影山の場合は、信頼しているというよりも、してもいいって気づいた感じだろうけども。


《８巻》
2024年９月５日
カバーが最高かっこいい。私は王様も推すよ。
山口は、苦いピンサデビューをしても折れず、諦めずに練習を続けるんだから、やっぱり立派な負けず嫌いなんだと思うなあ。大地さんのフォローや嶋田さんのおかげだし、影山と日向に引っ張られているのもあるか。
及川のトスを読んだことで影山も最後のトスを読まれるけど、それはやっぱり経験値(バレーを始めてからの年数ということではなく、あくまで高校バレーに関して)の差なんだよね。蓄積されたデータ量が２年分違う。けど、影山はそれを言い訳にしたくないだろうし、直前の国見のこともあったから尚更敗北感が強かったのかもしれない。
あのとき影山の揺らぎを日向が察して煽り、大地さんが信頼を託して、スガさんが発破をかけるという流れがいい。相棒、主将、ライバル。それからチームメイトたち。孤独だった王様が正しく仲間を得た瞬間。それでも、大王様には敵わなかったんだけど。このときは、まだ。
最後のトスを読まれて日向に謝るのは変化の表れだけど、やっぱり日向との連携に関しては俺＞日向だと思っていることの表れでもある。もっとも、最初の変人速攻に関しては主体は影山だからなあ。だって、日向は目を瞑ってるわけで、意思もへったくれもないもんね。だから、責任は自分にあると影山が考えるのは当然で、でも、日向はそれが嫌だった。音駒との練習試合、伊達工戦、青城戦で限界を思い知らされて、この影山の謝罪が駄目押しになっただろうことを考えれば、この喧嘩というより、日向が一方的に掴みかかった一件は必要だったと思う。
武田先生の「負けは弱さの証明ですか」から、２人が立ち上がったのを見ての微笑みまで、本当に名場面。ご飯食べに連れていった烏養コーチの「強くなれ」も。武田先生がメンタル、烏養コーチがフィジカルで分担ができてるのもお見事。それをいうなら嶋田さんも。必要以上に慰めるわけでもなく、自分の経験を語るあたり。一般論や理想論じゃなく、「俺はそうだったけど、お前はどうする？」みたいな励まし方は効くよね。リアルだもん。烏野関係の大人たち、本当にみんな素晴らしい。
めずらしい大地さんの弱音と、この辺りから通常運転になってくスガさん。相変わらずへなちょこな東峰。そんな三年生ズを信じて気持ちを立て直す二年生ズ。このあたりは付き合いの長さを感じる。一年生はバラバラ。たぶん、あの子らは何年生になっても「ズ」で括れなさそうな気がする。
きっと一晩落ちこんで、それでも、バレーをしない選択肢はない影山は「バレーが好き」という前提すら必要としないくらいの、超絶バレー馬鹿だと私は確信している。
潔子さんのフォローがおかん。優しい。日向は潔子さんに対していつもキョドるけど、平然としてる影山。美人な先輩よりマネージャーという意識のほうが強いのかな。あと、やはり姉がいるかいないかの差が大きいのかも。