美しい思い出でありますように
公開 2024/06/26 22:09
最終更新
2024/06/26 22:09
ここ数日、昔のことを思い出しては自己嫌悪に陥っている。僕は昔の知り合いの人たちが好きだった。一緒にいる時間が楽しかった。もう会うことはおそらく無くて、それは僕のせいであるけれど、たまに夢に出てきたりなにかの拍子に思い出すと、今どうしているのかなと思う。なにもなかったことにして、また会いたいとも思う。
でも同時に僕が「もう会わないこと」を決定的にしてしまう前から、みんな僕の幼稚さや意地の悪さやプライドの高さや図々しさや思いやりのなさや、僕の気づいていない僕の悪いところに気づいていて、心の中では嫌悪しながらも、仕方なく付き合ってくれていたのではないか、と心配になる。心配というよりも、「ああ、僕のことを嫌ったり、うわあ……と引いたりしながら見ていたんだ」と確信するといってもいい。なのに、そのころの僕はまわりと上手くやれているとか、なんなら好かれているとさえ思って過ごしていた。本当に恥ずかしくて消えたくなる。
みんなが僕を思い出すとき、きっと正の感情とは一緒に思い出さないだろう。それは仕方の無いことだ。僕のことを忘れていて欲しいとさえ願う。それでも、ほんの一コマでも黒い別れのときの感情に塗りつぶされていない、明るいコマがありますように。
誰かが僕を思い出すとき、それは美しい思い出でありますように。
でも同時に僕が「もう会わないこと」を決定的にしてしまう前から、みんな僕の幼稚さや意地の悪さやプライドの高さや図々しさや思いやりのなさや、僕の気づいていない僕の悪いところに気づいていて、心の中では嫌悪しながらも、仕方なく付き合ってくれていたのではないか、と心配になる。心配というよりも、「ああ、僕のことを嫌ったり、うわあ……と引いたりしながら見ていたんだ」と確信するといってもいい。なのに、そのころの僕はまわりと上手くやれているとか、なんなら好かれているとさえ思って過ごしていた。本当に恥ずかしくて消えたくなる。
みんなが僕を思い出すとき、きっと正の感情とは一緒に思い出さないだろう。それは仕方の無いことだ。僕のことを忘れていて欲しいとさえ願う。それでも、ほんの一コマでも黒い別れのときの感情に塗りつぶされていない、明るいコマがありますように。
誰かが僕を思い出すとき、それは美しい思い出でありますように。
登場人物
〈僕〉
・象工場勤務
・KとHと暮らしている
・好きなのみものは葛根湯
〈K〉
・一歳ちょっと
・好きなのみものは麦茶
〈H〉
・よくわからないけど部品をつくる仕事をしている
・好きなのか知らないけどコーヒーをよく飲んでいる
〈僕〉
・象工場勤務
・KとHと暮らしている
・好きなのみものは葛根湯
〈K〉
・一歳ちょっと
・好きなのみものは麦茶
〈H〉
・よくわからないけど部品をつくる仕事をしている
・好きなのか知らないけどコーヒーをよく飲んでいる
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