短編小説っぽい何か(441~450)/それに関する説明つき
公開 2026/06/28 11:29
最終更新
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▽短編小説441(2026/4/25)/彷徨い人の異様な旅と未来の燈火
気づいた時には迷い込んでいた
知らない世界で見つけた光
閉ざされた扉は未知へと繋がる
それは新たな旅のはじまり
進む道は変わる 未来を包み込んで
止まっていた世界は光を取り込んで開く
しかし少しずつ綻びが生まれて影が見える
広がった溝があらゆる問題を引き起こす
『このままでは終わりを復元できない』
白紙の本に刻まれた修復不可の文章
その旅を裏側から見ているだけだった世界の観測者は
かの者に手を差し伸べるか考えていた
世界の書庫に保管された物語
「―――」が触れると浮かび出した
並行も分岐も異変も繰り返して生まれた世界達と
何も書かれていない未来の本があった
干渉も記録も 生も死も わからない
見ていたすべてが変わり果て 記憶も消えた
何も知らない光は今もあの子のそばにある
どうか 世界を タスケテ
※この話は迷い込んだ旅人が起こした世界崩壊と侵食の危機。しかし世界崩壊に巻き込まれているのは「―――」の作った世界ではなく、また別の世界であって関係ないものの、『世界の観測者』が見ていたこともあって「―――」が知っている状態。
▽短編小説442(2026/5/2)/回転の箱庭に取り残された浄化と侵食
繰り返す 何度でも
喪失の影に記憶を映して
忘却の存在と認識の阻害
少女と騎士の物語
浄化の力 宿りて穢れ
扱うこと不可能の重み
新たな命に移り 壊れて消える
大量の死体に囲まれて光は生まれる
遠ざけたのろい 願ったまじない
最初の祈りは巻き戻しに消去した
再会の暗闇が少女をのみ込み
騎士は彼女を守れず 記憶が消えた
世界は混沌に包まれた
浄化の力を放って気を失う少女
騎士は彼女を庇って暗闇に消える
不可解な分岐点は何度も重なった
枝分かれを一つにするために
世界は修正し続けて歪んでいた
始点と終点を繋ぎ繰り返した
悲しき二人の物語
※この話は浄化の力を宿して生まれた少女と彼女を守る騎士が世界を救うために暗闇の侵食を止めようとするが、片方が犠牲となってもう片方はすべての記憶を失い、何事もなかったかのように巻き戻って、この状況を何度も繰り返している状態。出口は世界が歪んだ時点で見つからず、空間から切り離された状態『箱庭』に閉じ込められている。
しかしこの話の「気を失う少女」の時点で少女は記憶を失うことなく目覚めたこどで、世界は巻き戻しを行うことが出来ず、何としてでも少女の記憶を奪うために妨害してくるようになる。
▽短編小説443(2026/5/9)/こびりついた恐怖の続く夢の話
とある旅人は別の冒険者達と出会ってともに行動することになった。変わらない食事と進む時間を過ごしていたが、旅人が目的のものを見つけて少し別行動をしている間、冒険者達は狩りをしていたらしく見たことのない青い肉を持っていた。得体の知れないものに旅人は怖くて手をつけなかったが、冒険者達は好奇心から調理を始めて食べていた。
それから少し経って旅人は冒険者達と別れていた。あの青い肉はなんだったのかと調べてみるとやはり良くないものだった。その肉は化け物のもので正常な生き物に見えるのは幻覚によるものだった。本来幻覚にかかっているため普通の肉に見えるが、旅人は魔法の心得があったから青く見えていた。その青い肉を食べた者は魅了されて他の者に無理やり食わせようとし、回数が増えると体は強化される。しかし記憶を失って化け物を信仰するだけの脳にされて、それ以外を襲う存在になり果てる。治療は存在しないため殺処分の対象になっていた。信仰しすぎて同じ化け物になった例もあって、旅人は冒険者達がもう人には戻れないと悟った。
※この話は実際に見た怖い夢を元にしたもので、青い肉を食した者は狂ったように勧めるようになり、夢の中では肉を煮詰めることでドロドロに溶け出して液体となったものを固めてゼリー状にして振る舞うという暴徒に出ていた。肉であれゼリーであれそれを食してしまった時点で元の姿に戻ることは叶わず、化け物の支配から逃れることが出来なくなる。
▽短編小説444(2026/5/16)/偶然の産物に必然の欠片となりて落ちる
見えないものに映る影
それに追われ続けて落ちた
暗闇から光灯る時
知らない地で目を覚ました
星と雪と空と 三つの魂は
どこかの世界の勇者を記憶し
闇堕ちて能力は開花する
けれど目覚めたのは星だけだった
似て非なる存在を青年は見る
あの世界の少女の名は違えど
あの世界の能力の名は違えど
助けようとする心は変わらない
暗闇という異界の海をこえて
最後の欠片はこの世界に辿り着く
忘れられた血の効力は
失われた“何か”を思い出した
※この話は短編小説439と同じ『闇堕ちの能力者』の世界で、短編小説437の世界で体験した勇者の記憶から星の力を得る青年だが、彼の記憶にある少女に似た人物を見つけて名前も能力も違うけれど唯一信用に値する者となる。
「どこかの世界」=「あの世界」で青年の記憶している少女は『複雑な生き方をする少女』に登場する〈さくら〉のことを指し、「この世界」=『闇堕ちの能力者』の世界のことで「似て非なる存在」は桜陰(さくらかげ)リイノのことを指している。
また「失われた“何か”」は桜陰リイノが生まれた本当の世界にあり、現状何も考えていないので不明。
▽短編小説445(2026/5/23)/季節に散らばった欠片を集める旅
春の景色の桜を切り取った血の香り
傷だらけの瞳が夜の月を消し去り
願いがすでに叶えられた世界で
藍色の暗闇に眠る幽霊は目を覚ます
夏の景色の海に切り取った砂の香り
陽の光浴びる瞳は空白の記憶を求め
消去がすでに施された世界で
快晴の水色に映る幽霊は目を覚ます
秋の景色の楓(かえで)を切り取った葉の香り
静かなる日常に残された欠片が一つ
願いが託した知らない世界で
妖の瞳が見つけた抜け殻の影
冬の風景の雪を切り取った風の香り
揺らぐ羽根に残された欠片が一つ
消去が記した運命の知らない世界で
天の瞳が見つけた好奇心の光
※この話は『誰も知らない現世を生きる二人の幽霊』に登場する人物をそれぞれ四季に振り分けて書いたもの。春が陰影の幽霊 ルティ、夏が陽光の幽霊 リフォ、秋が妖怪の空夜(くうや)、冬が天使のクラールとなっている。
▽短編小説446(2026/5/30)/繋がる世界に描かれた未来と希望の想いを乗せて
何もない世界で見つけた音を紡いでいた
小さな欠片は音色を生み出して流れていた
目覚めた世界は記憶と物語を描き
多くの繋がりを持って広がり始めた
空を目指して星を眺めて
密林で見つけた不思議な結晶に触れて
楽園の平和は病魔によって失われた
紡がれた音色は一度途切れた
しかし新しい世界を求めた旅には
太陽の光り輝く未来が続いていた
多くの想いを伝えて繋がる世界
その力は大きくなっていた
けれど愛した音色は邪魔となり
膨らんだ想いは閉じ込められた
壊れた未来を映した分岐の一つに
今までの世界を巡って辿り着いた先に
未来は変わる 想いは広がる
抑え込むことなど誰にもできない
約束は溢れた感情とともに
これからもずっと
※この話は「CHUNITHM」内で行われた10周年記念イベント「Linked VERSE」をもとに書いたもので、文章にはそれぞれのバージョンの言葉が散りばめられている。
「目覚めた世界」は「無印」、「空」は「AIR」、「星」は「STAR」、「密林」は「AMAZON」、「結晶」は「CRYSTAL」、「楽園」は「PARADISE」、「新しい世界」は「NEW」、「太陽」は「SUN」、「光り輝く」は「LUMINOUS」、そして「繋がる世界」は「VERSE」となります。その他の単語として「病魔」は「コロナ」のことを指している。
また「約束は溢れた感情とともに これからもずっと」は「イベント内に登場するユニとの約束」を表している。
▽短編小説447(2026/6/6)/影より現れし新たなる花開く
妖怪の脅威を祓うため
多くの土地にあらゆる主がいた
それぞれの平穏と殺伐
何代に渡って繰り返していた
養子として迎えられた少年は守護を
自らの主を自分の手で探せと言い渡される
最終試験と言わんばかりの無理難題で
彼は半ば諦めて探していた
その中で妖怪の気配を感じ取ったのは
学校で行われた避難訓練の時だった
紛れ込もうとする妖怪の姿を捉えて
避難する逆の方向へと走り出した
人混みと連れ戻しを乗り越えて辿り着いた
そこには逃げ遅れた少女を掴む妖怪がいた
彼は鞘から刀を抜いて妖怪を斬ろうとした時
少女の指輪から強い光が発せられて消し去った
目の眩みが引いて彼は少女に手を伸ばしたが
彼女は何かに怯えて手を取らない
「刀……こわい。あなたも同じ……」
それを聞いて彼はやっと見つけたと思った
※この話は何代にも渡って主を守護してきた家系に、養子として迎えられて育てられた少年が守護を言い渡されて、主である少女を探して見つけるまでが書かれている。
彼が持つ刀は妖怪と主を守護してきた家系(守護者を含む)と主となる人物にしか見えないため、少女に見えたのは彼女が主という証拠でもある。
あと少女が持つ指輪だが、その指輪には妖怪が封印されているのはまた別の話。また設定で「少年」=「黒蛇」、「少女」=「さくら」の魂であるため、少女の指輪に封印されている妖怪は黒蛇ではない別の妖怪ということになる。
▽短編小説448(2026/6/13)/先祖から受け継ぐ能力と静寂の村
異世界から託された願いを叶えるため
《呪われた血》から生まれた能力
使用者の選別はすでに終わり
邪魔者は暴走するしかなかった
街から離れた場所にある静寂の村
そこには先祖から能力を受け継ぐ子孫がいた
その中の一人 鬼と交わった家系
強力な能力は小さな炎さえ地獄に変えた
ある時代の一幕 戦場に一人立ち
鬼の面をつけた者は炎を地面に落とし
燃え盛る大地は地獄を作って広がり
大量の鬼が現れてすべてを殺しつくした
恐怖をもたらす力を持つ青年は
村の中でも離れて暮らしていた
しかしふと音が無くなって「またか」と呟き
外を見ると遠くで笑う声だけが響いていた
※この話は『闇堕ちの能力者 外伝』に登場する静寂の村に住む、先祖から能力を受け継ぐ子孫の一人を書いたもので、能力名は今のところ(2026/6/13時点)はなく、周囲に地獄を作り出して大量の鬼を召喚する、というものだが、使用者は鬼の面をつけなければ自分も殺されてしまうという危険性を持つ。理由として鬼同士は味方として判断するが、それ以外をすべて敵として判断してしまう鬼の思考にある。そのため一人行動での能力発動が基本となり、長い時代の中で「切り札」と呼ばれていた時代もある。
最後に出てきた「音が無くなった現象」は別の先祖から能力を受け継いだ者が能力を暴発させてしまったもので、青年はその人物を知っているし、その者の暴発も何回か体験済みなので少々呆れている。
▽短編小説449(2026/6/20)/遠い日の記憶 音が失われた未来の可能性
冷たく静かな場所
音を無くした者の果て
封印は意味をなさず
漏れ出した穢れは蝕んだ
離れに置かれた雪の祠
崩れたその日からすべてが狂い
鮮やかな音は歪められた無へと
世界から音が消えて凍りついた
無音となった世界に降り立つ旅人
音無くして白紙に書かれる文章達
人々の声も奪われて聞こえない
しかし旅人の声だけは聞こえていた
大荒れの吹雪 誰も近寄れぬ音無し様の崩れた祠
旅人は辿り着いて無音の音に貫かれる
息絶える姿を見る 染み込む血は白に埋もれた
けれど音無し様は旅人を嫌うことはしなかった
※この話は『新しい幽霊の形』に名前だけが登場する「音無し様」に関する設定の一部を改変し、短編小説448「先祖から受け継ぐ能力と静寂の村」に繋がるように書いたもの。
「音無し様」はとある書物に書かれていた都市伝説のような本当の話で、神様ではなく音を無くしていく幽霊。「音無し様」が力を使った世界は二度と音を戻すことが出来ず、また「音無し様」を知らぬ者がその世界を復興させようとすれば、再びの厄災が引き起こされる。
しかしこの話では旅人が「音無し様」と面識があり、何度かの会話の後に無音の氷で貫かれてしまう。吹雪の中で旅人か敵か判別することが出来なかったための悲劇。人を嫌っていた「音無し様」が唯一心を開いた人物が旅人で、死した後「音無し様」が眠りにつくのと同時にその力を旅人の体へ封印した。それが後の短編小説448に繋がる。
▽短編小説450(2026/6/27)/世界は巡り 願いは変わり咲く
姫を守りし四騎士
魔王と対峙し浄化を放つ
しかし撃退の後の呪いは
四騎士を狂わせ新たな魔王となる
けれど生まれたばかりの魔王
かすかな浄化と魔法使いの封印を受ける
長い年月の眠り後(のち) 忘れられた記録
再びの混沌が訪れる時 浄化の血は巡る
『彼女の祈りは浄化をもたらす』
姫の生まれ変わりと称された少女は
期待の重さと浄化の酷使で血を吐き出して倒れる
昏睡状態の少女を救ったのは謎の青年だった
青年は人の力では辿り着けない魔法を知っていた
それに気づいた魔法使い達は遠ざけようとした
しかし彼は人を傷つけることはせず
少女は青年に興味を持ち惹かれていた
敵襲の鐘 大量の魔物が押し寄せた
青年は戦場にただ一人 空に手を上げた
切り開かれた空から現れた闇が魔物を貫く
それを見た者は彼に恐怖と疑念を感じていた
※この話は浄化の力を持つ姫とその護衛を任された四騎士が魔王を倒すものの、最後の呪いが四騎士を襲って狂わせて、新たな魔王として生まれてしまう。その後、一時的に封印するが長い年月が経って再び目覚めた時、浄化の血は巡って姫の生まれ変わり(=少女)が生まれる。
謎の青年は魔王の生まれ変わりだが、魔王としての記憶はなく、その力だけを引き継いでいるだけに過ぎないただの人間。呪いによる悪の部分が無くなったことで、魔王の力を人々を救うために使う旅人として行動していた。そして四騎士に移った呪いを回収して、もう一度浄化の力で倒されるのを待っていた。
気づいた時には迷い込んでいた
知らない世界で見つけた光
閉ざされた扉は未知へと繋がる
それは新たな旅のはじまり
進む道は変わる 未来を包み込んで
止まっていた世界は光を取り込んで開く
しかし少しずつ綻びが生まれて影が見える
広がった溝があらゆる問題を引き起こす
『このままでは終わりを復元できない』
白紙の本に刻まれた修復不可の文章
その旅を裏側から見ているだけだった世界の観測者は
かの者に手を差し伸べるか考えていた
世界の書庫に保管された物語
「―――」が触れると浮かび出した
並行も分岐も異変も繰り返して生まれた世界達と
何も書かれていない未来の本があった
干渉も記録も 生も死も わからない
見ていたすべてが変わり果て 記憶も消えた
何も知らない光は今もあの子のそばにある
どうか 世界を タスケテ
※この話は迷い込んだ旅人が起こした世界崩壊と侵食の危機。しかし世界崩壊に巻き込まれているのは「―――」の作った世界ではなく、また別の世界であって関係ないものの、『世界の観測者』が見ていたこともあって「―――」が知っている状態。
▽短編小説442(2026/5/2)/回転の箱庭に取り残された浄化と侵食
繰り返す 何度でも
喪失の影に記憶を映して
忘却の存在と認識の阻害
少女と騎士の物語
浄化の力 宿りて穢れ
扱うこと不可能の重み
新たな命に移り 壊れて消える
大量の死体に囲まれて光は生まれる
遠ざけたのろい 願ったまじない
最初の祈りは巻き戻しに消去した
再会の暗闇が少女をのみ込み
騎士は彼女を守れず 記憶が消えた
世界は混沌に包まれた
浄化の力を放って気を失う少女
騎士は彼女を庇って暗闇に消える
不可解な分岐点は何度も重なった
枝分かれを一つにするために
世界は修正し続けて歪んでいた
始点と終点を繋ぎ繰り返した
悲しき二人の物語
※この話は浄化の力を宿して生まれた少女と彼女を守る騎士が世界を救うために暗闇の侵食を止めようとするが、片方が犠牲となってもう片方はすべての記憶を失い、何事もなかったかのように巻き戻って、この状況を何度も繰り返している状態。出口は世界が歪んだ時点で見つからず、空間から切り離された状態『箱庭』に閉じ込められている。
しかしこの話の「気を失う少女」の時点で少女は記憶を失うことなく目覚めたこどで、世界は巻き戻しを行うことが出来ず、何としてでも少女の記憶を奪うために妨害してくるようになる。
▽短編小説443(2026/5/9)/こびりついた恐怖の続く夢の話
とある旅人は別の冒険者達と出会ってともに行動することになった。変わらない食事と進む時間を過ごしていたが、旅人が目的のものを見つけて少し別行動をしている間、冒険者達は狩りをしていたらしく見たことのない青い肉を持っていた。得体の知れないものに旅人は怖くて手をつけなかったが、冒険者達は好奇心から調理を始めて食べていた。
それから少し経って旅人は冒険者達と別れていた。あの青い肉はなんだったのかと調べてみるとやはり良くないものだった。その肉は化け物のもので正常な生き物に見えるのは幻覚によるものだった。本来幻覚にかかっているため普通の肉に見えるが、旅人は魔法の心得があったから青く見えていた。その青い肉を食べた者は魅了されて他の者に無理やり食わせようとし、回数が増えると体は強化される。しかし記憶を失って化け物を信仰するだけの脳にされて、それ以外を襲う存在になり果てる。治療は存在しないため殺処分の対象になっていた。信仰しすぎて同じ化け物になった例もあって、旅人は冒険者達がもう人には戻れないと悟った。
※この話は実際に見た怖い夢を元にしたもので、青い肉を食した者は狂ったように勧めるようになり、夢の中では肉を煮詰めることでドロドロに溶け出して液体となったものを固めてゼリー状にして振る舞うという暴徒に出ていた。肉であれゼリーであれそれを食してしまった時点で元の姿に戻ることは叶わず、化け物の支配から逃れることが出来なくなる。
▽短編小説444(2026/5/16)/偶然の産物に必然の欠片となりて落ちる
見えないものに映る影
それに追われ続けて落ちた
暗闇から光灯る時
知らない地で目を覚ました
星と雪と空と 三つの魂は
どこかの世界の勇者を記憶し
闇堕ちて能力は開花する
けれど目覚めたのは星だけだった
似て非なる存在を青年は見る
あの世界の少女の名は違えど
あの世界の能力の名は違えど
助けようとする心は変わらない
暗闇という異界の海をこえて
最後の欠片はこの世界に辿り着く
忘れられた血の効力は
失われた“何か”を思い出した
※この話は短編小説439と同じ『闇堕ちの能力者』の世界で、短編小説437の世界で体験した勇者の記憶から星の力を得る青年だが、彼の記憶にある少女に似た人物を見つけて名前も能力も違うけれど唯一信用に値する者となる。
「どこかの世界」=「あの世界」で青年の記憶している少女は『複雑な生き方をする少女』に登場する〈さくら〉のことを指し、「この世界」=『闇堕ちの能力者』の世界のことで「似て非なる存在」は桜陰(さくらかげ)リイノのことを指している。
また「失われた“何か”」は桜陰リイノが生まれた本当の世界にあり、現状何も考えていないので不明。
▽短編小説445(2026/5/23)/季節に散らばった欠片を集める旅
春の景色の桜を切り取った血の香り
傷だらけの瞳が夜の月を消し去り
願いがすでに叶えられた世界で
藍色の暗闇に眠る幽霊は目を覚ます
夏の景色の海に切り取った砂の香り
陽の光浴びる瞳は空白の記憶を求め
消去がすでに施された世界で
快晴の水色に映る幽霊は目を覚ます
秋の景色の楓(かえで)を切り取った葉の香り
静かなる日常に残された欠片が一つ
願いが託した知らない世界で
妖の瞳が見つけた抜け殻の影
冬の風景の雪を切り取った風の香り
揺らぐ羽根に残された欠片が一つ
消去が記した運命の知らない世界で
天の瞳が見つけた好奇心の光
※この話は『誰も知らない現世を生きる二人の幽霊』に登場する人物をそれぞれ四季に振り分けて書いたもの。春が陰影の幽霊 ルティ、夏が陽光の幽霊 リフォ、秋が妖怪の空夜(くうや)、冬が天使のクラールとなっている。
▽短編小説446(2026/5/30)/繋がる世界に描かれた未来と希望の想いを乗せて
何もない世界で見つけた音を紡いでいた
小さな欠片は音色を生み出して流れていた
目覚めた世界は記憶と物語を描き
多くの繋がりを持って広がり始めた
空を目指して星を眺めて
密林で見つけた不思議な結晶に触れて
楽園の平和は病魔によって失われた
紡がれた音色は一度途切れた
しかし新しい世界を求めた旅には
太陽の光り輝く未来が続いていた
多くの想いを伝えて繋がる世界
その力は大きくなっていた
けれど愛した音色は邪魔となり
膨らんだ想いは閉じ込められた
壊れた未来を映した分岐の一つに
今までの世界を巡って辿り着いた先に
未来は変わる 想いは広がる
抑え込むことなど誰にもできない
約束は溢れた感情とともに
これからもずっと
※この話は「CHUNITHM」内で行われた10周年記念イベント「Linked VERSE」をもとに書いたもので、文章にはそれぞれのバージョンの言葉が散りばめられている。
「目覚めた世界」は「無印」、「空」は「AIR」、「星」は「STAR」、「密林」は「AMAZON」、「結晶」は「CRYSTAL」、「楽園」は「PARADISE」、「新しい世界」は「NEW」、「太陽」は「SUN」、「光り輝く」は「LUMINOUS」、そして「繋がる世界」は「VERSE」となります。その他の単語として「病魔」は「コロナ」のことを指している。
また「約束は溢れた感情とともに これからもずっと」は「イベント内に登場するユニとの約束」を表している。
▽短編小説447(2026/6/6)/影より現れし新たなる花開く
妖怪の脅威を祓うため
多くの土地にあらゆる主がいた
それぞれの平穏と殺伐
何代に渡って繰り返していた
養子として迎えられた少年は守護を
自らの主を自分の手で探せと言い渡される
最終試験と言わんばかりの無理難題で
彼は半ば諦めて探していた
その中で妖怪の気配を感じ取ったのは
学校で行われた避難訓練の時だった
紛れ込もうとする妖怪の姿を捉えて
避難する逆の方向へと走り出した
人混みと連れ戻しを乗り越えて辿り着いた
そこには逃げ遅れた少女を掴む妖怪がいた
彼は鞘から刀を抜いて妖怪を斬ろうとした時
少女の指輪から強い光が発せられて消し去った
目の眩みが引いて彼は少女に手を伸ばしたが
彼女は何かに怯えて手を取らない
「刀……こわい。あなたも同じ……」
それを聞いて彼はやっと見つけたと思った
※この話は何代にも渡って主を守護してきた家系に、養子として迎えられて育てられた少年が守護を言い渡されて、主である少女を探して見つけるまでが書かれている。
彼が持つ刀は妖怪と主を守護してきた家系(守護者を含む)と主となる人物にしか見えないため、少女に見えたのは彼女が主という証拠でもある。
あと少女が持つ指輪だが、その指輪には妖怪が封印されているのはまた別の話。また設定で「少年」=「黒蛇」、「少女」=「さくら」の魂であるため、少女の指輪に封印されている妖怪は黒蛇ではない別の妖怪ということになる。
▽短編小説448(2026/6/13)/先祖から受け継ぐ能力と静寂の村
異世界から託された願いを叶えるため
《呪われた血》から生まれた能力
使用者の選別はすでに終わり
邪魔者は暴走するしかなかった
街から離れた場所にある静寂の村
そこには先祖から能力を受け継ぐ子孫がいた
その中の一人 鬼と交わった家系
強力な能力は小さな炎さえ地獄に変えた
ある時代の一幕 戦場に一人立ち
鬼の面をつけた者は炎を地面に落とし
燃え盛る大地は地獄を作って広がり
大量の鬼が現れてすべてを殺しつくした
恐怖をもたらす力を持つ青年は
村の中でも離れて暮らしていた
しかしふと音が無くなって「またか」と呟き
外を見ると遠くで笑う声だけが響いていた
※この話は『闇堕ちの能力者 外伝』に登場する静寂の村に住む、先祖から能力を受け継ぐ子孫の一人を書いたもので、能力名は今のところ(2026/6/13時点)はなく、周囲に地獄を作り出して大量の鬼を召喚する、というものだが、使用者は鬼の面をつけなければ自分も殺されてしまうという危険性を持つ。理由として鬼同士は味方として判断するが、それ以外をすべて敵として判断してしまう鬼の思考にある。そのため一人行動での能力発動が基本となり、長い時代の中で「切り札」と呼ばれていた時代もある。
最後に出てきた「音が無くなった現象」は別の先祖から能力を受け継いだ者が能力を暴発させてしまったもので、青年はその人物を知っているし、その者の暴発も何回か体験済みなので少々呆れている。
▽短編小説449(2026/6/20)/遠い日の記憶 音が失われた未来の可能性
冷たく静かな場所
音を無くした者の果て
封印は意味をなさず
漏れ出した穢れは蝕んだ
離れに置かれた雪の祠
崩れたその日からすべてが狂い
鮮やかな音は歪められた無へと
世界から音が消えて凍りついた
無音となった世界に降り立つ旅人
音無くして白紙に書かれる文章達
人々の声も奪われて聞こえない
しかし旅人の声だけは聞こえていた
大荒れの吹雪 誰も近寄れぬ音無し様の崩れた祠
旅人は辿り着いて無音の音に貫かれる
息絶える姿を見る 染み込む血は白に埋もれた
けれど音無し様は旅人を嫌うことはしなかった
※この話は『新しい幽霊の形』に名前だけが登場する「音無し様」に関する設定の一部を改変し、短編小説448「先祖から受け継ぐ能力と静寂の村」に繋がるように書いたもの。
「音無し様」はとある書物に書かれていた都市伝説のような本当の話で、神様ではなく音を無くしていく幽霊。「音無し様」が力を使った世界は二度と音を戻すことが出来ず、また「音無し様」を知らぬ者がその世界を復興させようとすれば、再びの厄災が引き起こされる。
しかしこの話では旅人が「音無し様」と面識があり、何度かの会話の後に無音の氷で貫かれてしまう。吹雪の中で旅人か敵か判別することが出来なかったための悲劇。人を嫌っていた「音無し様」が唯一心を開いた人物が旅人で、死した後「音無し様」が眠りにつくのと同時にその力を旅人の体へ封印した。それが後の短編小説448に繋がる。
▽短編小説450(2026/6/27)/世界は巡り 願いは変わり咲く
姫を守りし四騎士
魔王と対峙し浄化を放つ
しかし撃退の後の呪いは
四騎士を狂わせ新たな魔王となる
けれど生まれたばかりの魔王
かすかな浄化と魔法使いの封印を受ける
長い年月の眠り後(のち) 忘れられた記録
再びの混沌が訪れる時 浄化の血は巡る
『彼女の祈りは浄化をもたらす』
姫の生まれ変わりと称された少女は
期待の重さと浄化の酷使で血を吐き出して倒れる
昏睡状態の少女を救ったのは謎の青年だった
青年は人の力では辿り着けない魔法を知っていた
それに気づいた魔法使い達は遠ざけようとした
しかし彼は人を傷つけることはせず
少女は青年に興味を持ち惹かれていた
敵襲の鐘 大量の魔物が押し寄せた
青年は戦場にただ一人 空に手を上げた
切り開かれた空から現れた闇が魔物を貫く
それを見た者は彼に恐怖と疑念を感じていた
※この話は浄化の力を持つ姫とその護衛を任された四騎士が魔王を倒すものの、最後の呪いが四騎士を襲って狂わせて、新たな魔王として生まれてしまう。その後、一時的に封印するが長い年月が経って再び目覚めた時、浄化の血は巡って姫の生まれ変わり(=少女)が生まれる。
謎の青年は魔王の生まれ変わりだが、魔王としての記憶はなく、その力だけを引き継いでいるだけに過ぎないただの人間。呪いによる悪の部分が無くなったことで、魔王の力を人々を救うために使う旅人として行動していた。そして四騎士に移った呪いを回収して、もう一度浄化の力で倒されるのを待っていた。
桜詩凛の読みは「さくらしりん」で、由来は二つ。一つは元から使っていた桜子凛花が長いと思ったため、短くするために「桜」と「凛」を取り、その間に当時から書いていた「詩」をいれたもの。もう一つは『複雑な生き方をする少女』に登場する「さくら、黒蛇、シラ、理夏(りか)、ラナン」の頭文字を取ったものとなってい…
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