【生成AIとデータセンター需要が牽引】サーバー&HPC用ABF基板市場、2032年に向け年平均成長率9.5%で拡大:20層超の超多層・大型基板がカギ
公開 2026/03/16 12:19
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世界中で生成AI(人工知能)の活用が爆発的に広がり、それを支えるデータセンターの投資が加速しています。そのデータセンター内で、膨大な情報処理を担うサーバーやHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)機器。その心臓部であるCPUやGPUの高性能化を、パッケージ基板の側面から支える極めて重要な部材が、サーバー&HPC用ABF基板です。

このたび、市場調査のリーディングカンパニーであるGlobaI Info Research(本社:東京都中央区)は、最新の調査レポート「サーバー&HPC用ABF基板の世界市場2026年:メーカー、地域別、タイプ、用途別、2032年までの予測」を発表しました。

本レポートは、2024年に約85.3億ドルと評価された世界市場が、2025年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)約9.5%で成長し、2032年には約160億ドルに達するという予測を示しています。この力強い成長の背景には、AIサーバー向けGPUやデータセンター向けCPUの需要急増、そして半導体の微細化に伴うパッケージング技術の重要性の高まりがあります。

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https://www.globalinforesearch.jp/reports/1184968/abf-substrates-for-server---hpc

ABF基板の定義とサーバー向け製品の特長

ABF(Ajinomoto Build-up Film)基板は、フリップチップ・ボールグリッドアレイ(FC-BGA)と呼ばれるタイプの半導体パッケージ基板です。微細な配線形成が可能な絶縁材料「ABF」を用いて、高集積化された半導体チップとマザーボードを電気的・熱的に最適な形で接続します。主に、PC、サーバー、ネットワーク機器、自動車などに搭載されるCPUやGPUに使用されます。

中でも、サーバーやHPC向けのABF基板は、半導体基板の中で最も技術的に困難な製品です。サーバー用CPUやGPUは、処理能力や信号速度の向上という要求に応えるため、一つの基板上に複数の半導体チップ(チップレット)を搭載する設計が一般的です。その結果、サーバー用FC-BGA基板は、一般的なPC用ABF基板の4倍以上の大きさ(一辺が100mmを超えることも)になり、積層数も20層を超える、まさに超多層・大型の基板となります。

このような大サイズ・高多層の基板を、高い信頼性と歩留まりで量産するには、最先端の製造技術と専用の設備が不可欠であり、新規参入が極めて困難な、まさに「匠の技」が要求される分野です。

製品タイプ別・用途別市場の特徴

サーバー&HPC用ABF基板市場は、主にその積層数によって以下の製品タイプに分類されます。

8-16層ABF基板: 比較的標準的なサーバー向けCPUや、ネットワーク機器などで使用される製品です。市場の基盤を成すセグメントですが、需要の伸びはハイエンド品に比べると緩やかです。

16層超ABF基板(市場の成長エンジン): 最新のAIサーバー向けGPUや、ハイエンドデータセンター向けCPUに使用される、最も付加価値の高い製品です。20層を超える積層、微細な配線、そして大型サイズが要求され、市場の成長を牽引しています。

用途別に見ると、そのほとんどがデータセンター向けであり、クラウドサービス事業者(Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloudなど)や、大手サーバーメーカー(Dell、HPE、Super Microなど)の需要が市場全体を動かしています。AIの学習・推論処理に不可欠なGPUサーバーの需要拡大は、この傾向をさらに加速させています。

主要企業の競争環境と市場のダイナミクス

世界のサーバー&HPC用ABF基板市場は、日本のイビデン、新光電気工業、台湾のユニマイクロン、ナンヤPCB、キンサス、オーストリアのAT&S、韓国のサムソン電機など、ごく限られたグローバルプレイヤーによって寡占されています。特に、イビデンは世界最大のABF基板メーカーとして、特にハイエンド品で強いプレゼンスを持っています。

新光電気工業やAT&Sも、高い技術力で追随しています。台湾勢は、その高い生産能力とコスト競争力で、市場の主要なサプライヤーとしての地位を確立しています。これらの企業は、データセンター市場の急成長に対応するため、設備投資を積極的に行い、生産能力の増強を図っています。

業界の発展を特徴づける主要トレンドと市場課題

主要トレンド:

AIサーバー需要の爆発的増加: 生成AIの普及に伴い、学習・推論用のGPUサーバー需要が急増。これがハイエンドABF基板の需要を強力に牽引しています。

パッケージング技術の高度化: 半導体の微細化が限界に近づく中、チップレット技術や3D実装など、後工程(パッケージング)の重要性が増しています。ABF基板は、これらの高度なパッケージングを実現するための重要なプラットフォームです。

新規プレイヤーの台頭: 京セラ、凸版印刷、臻鼎科技、LGイノテック、大徳電子、そして珠海越亜や深南電路などの中国勢も、この成長市場への参入を狙い、技術開発を進めています。

市場の課題:

極めて高い技術的参入障壁: 超多層・大型基板の量産技術を確立するには、長年の経験とノウハウ、そして巨額の設備投資が必要です。

需給ギャップの発生リスク: 急拡大する需要に対し、供給能力が追い付かず、需給が逼迫するリスクが常に付きまといます。

材料供給の制約: ABF材料そのものの供給能力も、市場拡大のボトルネックとなる可能性があります。

まとめと今後の展望:2032年に向けた成長シナリオ

今後、2032年にかけて、サーバー&HPC用ABF基板市場は、クラウドコンピューティング、AI、5G/6G通信、そして自動運転技術の進化など、あらゆるデジタル技術の基盤として、成長を続けると確信しています。半導体フロントエンド(前工程)と同様に、バックエンド(後工程)であるABF基板の重要性と付加価値は、今後ますます高まるでしょう。

投資家や経営者の皆様にとって、サーバー&HPC用ABF基板市場は、「デジタル社会の根幹を支える、高い参入障壁と成長性を併せ持つ魅力的な市場」です。特に、ハイエンド品で技術的優位性を持ち、データセンター需要の拡大に合わせて戦略的な設備投資を行える企業が、長期的な成長を遂げることができるでしょう。当レポートは、こうした市場分析、業界の発展動向、市場の成長機会に関する、信頼性の高いデータと深い洞察を提供します。

会社概要

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お問い合わせ先

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