悪は存在しない
公開 2024/05/09 23:07
最終更新
2024/05/16 05:53
今日は木曜、午後は休みにした。
ウキウキ。でもない。
最近部屋で映画を観つづけることが出来ない、これは映画館不足から来る集中力欠乏症であり、深刻な事態である。
治療が必要と判断し、オラが街のナイスな映画館ジャック&ベティさんへ足を運んだ。
濱口竜介さんの作品を今まで観たことがなく、初はスクリーンで観たかった。
以下は観終わった後の思考と感情の整理なので、思いきりネタバレだ(と思う)。
ぼくは事前知識無しで、全くの手ぶらで観たけど、観れて本当に良かったと思う。
カメラは森の中、見上げた空を映し続ける。
白い空を背景にした針葉樹の枝先は色彩を持たないように見える。
山の麓で薪を割っている。根雪が見えて季節は春が近いとわかる。
男性は無駄口をきかない。訥々と必要なこと具体的な事だけを話す。
リゾート開発の説明会は皆あー(わかる…)という事ばかりだ。誰も生活を疎かにしていない。若いひとの怒りは純粋だ(良い)。
男性はここでおそらく観客が言いたいであろう事を言う。大事なのはバランスだと。
彼は現代的な知性とともに山の自然を体感で生きる、まさにぼくたちが理想とする人物になってしまう。
しかし「そう起こることは無い」と思っていた事が起きてしまったとき、プレートがずれてマグマが湧きおこるかのように、自然の獣性(と呼ぶしかできない)が何もかもをひっくり返す。
でもこれこそぼくたちが経験しながら自分の言葉に出来ていない事じゃないのか?とも思う。
いとしい日常の全てをひっくり返した巨大地震、疫病。文明国だったはずの国がしかけるあまりに惨たらしい殺戮。
「そう起こることは無い」はずの事が起こってしまった世界にいきてる。茫然と。
暖かい熱を共有していた筈のいとしい者こそ「善」ではないのか?と思う。
その善を奪うものを何と呼べばいいかわからない。
ラスト、あれは新参者が贄にされたのだろうか。何が起きたかを知った男性は贄を捧げていとしい魂を戻したかったのだろうか。
ウキウキ。でもない。
最近部屋で映画を観つづけることが出来ない、これは映画館不足から来る集中力欠乏症であり、深刻な事態である。
治療が必要と判断し、オラが街のナイスな映画館ジャック&ベティさんへ足を運んだ。
濱口竜介さんの作品を今まで観たことがなく、初はスクリーンで観たかった。
以下は観終わった後の思考と感情の整理なので、思いきりネタバレだ(と思う)。
ぼくは事前知識無しで、全くの手ぶらで観たけど、観れて本当に良かったと思う。
カメラは森の中、見上げた空を映し続ける。
白い空を背景にした針葉樹の枝先は色彩を持たないように見える。
山の麓で薪を割っている。根雪が見えて季節は春が近いとわかる。
男性は無駄口をきかない。訥々と必要なこと具体的な事だけを話す。
リゾート開発の説明会は皆あー(わかる…)という事ばかりだ。誰も生活を疎かにしていない。若いひとの怒りは純粋だ(良い)。
男性はここでおそらく観客が言いたいであろう事を言う。大事なのはバランスだと。
彼は現代的な知性とともに山の自然を体感で生きる、まさにぼくたちが理想とする人物になってしまう。
しかし「そう起こることは無い」と思っていた事が起きてしまったとき、プレートがずれてマグマが湧きおこるかのように、自然の獣性(と呼ぶしかできない)が何もかもをひっくり返す。
でもこれこそぼくたちが経験しながら自分の言葉に出来ていない事じゃないのか?とも思う。
いとしい日常の全てをひっくり返した巨大地震、疫病。文明国だったはずの国がしかけるあまりに惨たらしい殺戮。
「そう起こることは無い」はずの事が起こってしまった世界にいきてる。茫然と。
暖かい熱を共有していた筈のいとしい者こそ「善」ではないのか?と思う。
その善を奪うものを何と呼べばいいかわからない。
ラスト、あれは新参者が贄にされたのだろうか。何が起きたかを知った男性は贄を捧げていとしい魂を戻したかったのだろうか。