早朝りんごジャムを煮た。
ブラムリーが届いて半月あまり、ただ寝かせてしまった。


りんごはきれいに煮崩れず、ところどころに繊維が残った。仕上げにカソナードを加えてキャラメル色にして完成。

ペクチン質が多く、ゆるく煮上がっても冷める頃にはぶりっと堅いゼリー状になる。


思えば去年はこのブラムリーから始まって、色々な果物のゼリー（ジェリー）をよくつくった。

ぼくは未散ソノオさんの漫画が大好きで、二次も含めてコンプリートしている。昨年先生が主催されたTwitterのコミュニティに運よく参加できた。一日一度食べたものを報告する会。

先生は漫画の物語そのままのお人柄で、おかげでコミュニティはとても楽しかった。
ピーナッツバターとジェリーのPJサンドイッチの話題に触れて、アップルジェリーを作ってみようと思った。


報告会のスタートはちょうど一年前だった。ぼくは母の葬儀、家族の感染と続いたあとで、ひとことでいえば荒んでいた時期だ。


姉たちから聞いて宣告以後の母の闘病生活はすべて知っていた。その影響かは知らないが葬儀で数年ぶりに会った親族達に身体をさすられあんたが心配だと泣かれ、あらためて葬儀場で鏡をみた。ぼくの顔は頬がこけ、窪んだ目をした悪鬼のようだった。



悪鬼にもいまはだいじな家族がおり、何が起きても食事を用意し食べてもらうのは仕事のひとつだが、悪鬼本人はおざなりだった。

そんな時期のコミュニティでの報告は、ぼくにとっては鬼を人間にしてやるような取り組みだった。

何も考えずに機械的にやろうとすれば出来てしまうが、自分は何が好きだったか思いだす作業で、人間にすることをめざした。

達成できたかはわからない。
母の一周忌で再会した親族には筋肉つけたね、と言われた。いま鏡に映るぼくの顔は去年に比べて健康的だと思う。


これまでもちょくちょくあったがぼくのアカウントはコミュニティに投稿できなくなっている。
おすすめ欄にはコミュニティの方たちの投稿が流れてくる。みんな美味しそうなご飯を食べていて、人間らしいなと思う。