論理学者は初歩を過つ
公開 2026/07/26 22:58
最終更新
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小学校の教室、その黒板には『A = B ならば B = A』と白チョークで刻まれていた。
論理学の教師は振り返り、「これは対称律。初歩の初歩だが、何か質問はあるかね?」と生徒たちに尋ねる。
するとひとりの生徒が挙手をして指名を受け、次のような質問を投げかけた。
「仮にこの世がこの世だとすると、それはこの世がこの世だということになりませんか? するとこの世とはこの世のことでしょうか?」
「何ィッ!?」
教師の頭にはライプニッツの同一者不可識別律が浮かんだが、続いてそのライプニッツを批判した哲学者カントの存在を思い出した。
表象としての世界A……物自体としての世界B…………。
やがて『∀x ( ( ∀z (z ∈ x ↔ z ∈ x) ∧ ∀P (P(x) ↔ P(x)) ) → x = x )』という式が立ち現れてくる。
果たして質問をした生徒は神童だったか?
その可能性はあるが、あの質問は実のところ『A = A』に尽きる。
つまりそれ自体が同語反復を行うトートロジーなのであった。
小学校の教室、その黒板には『A = B ならば B = A』と白チョークで刻まれていた。
論理学の教師は振り返り、「これは対称律。初歩の初歩だが、何か質問はあるかね?」と生徒たちに尋ねる。
するとひとりの生徒が挙手をして指名を受け、次のような質問を投げかけた。
「仮にこの世がこの世だとすると、それはこの世がこの世だということになりませんか? するとこの世とはこの世のことでしょうか?」
「何ィッ!?」
教師の頭にはライプニッツの同一者不可識別律が浮かんだが、続いてそのライプニッツを批判した哲学者カントの存在を思い出した。
表象としての世界A……物自体としての世界B…………。
やがて『∀x ( ( ∀z (z ∈ x ↔ z ∈ x) ∧ ∀P (P(x) ↔ P(x)) ) → x = x )』という式が立ち現れてくる。
果たして質問をした生徒は神童だったか?
その可能性はあるが、あの質問は実のところ『A = A』に尽きる。
つまりそれ自体が同語反復を行うトートロジーなのであった。
